255・原鶴温泉 泰泉閣
温泉
施設外観。原鶴温泉の中ではかなりの老舗で、古さは目立つがご立派な外観である。
成分分析表
アルカリ性単純硫黄泉。ガス型ではなく、イオン型の硫化水素が液中に含まれている。
ツルツル湯の要件を満たす泉質である。
概要
原鶴温泉の区画は結構明確に分かれている。
鵜飼が有名で、ウナギやアユなどの川魚が名物となる。
天皇皇后両陛下が宿泊したということだが、植樹された樹のサイズから察するに上皇陛下かな?
ホテルの部屋からは筑後川が見えた。プールもあるようだが、今後使われる事はなさそうやね・・・。
温泉街はしっぽりと静まり返っている。が、飲食店もある事はあった。
が、一時の隆盛は影をひそめてしまったようである。
川沿いはねっとりと湿度が高く、この辺が結構蒸し暑い地域なのだという事を知ることができる。この川で鵜飼漁が今も行われているようで、日田と並んでここでも観光資源となっているらしい。
総評
内湯はこんな感じで、一番奥にはサウナと水風呂がある。
水風呂は冷たすぎず、最高にいい塩梅。
無色透明の温泉は微かにヌルリとしていて、イオン型の硫化水素泉らしい肌触りである。しかしながら浴場の規模からして全てが源泉というわけではなく、恐らくお湯張りの時には通常のお湯も混ぜて給湯しているのではないかと推測。その後は源泉が少量ずつ掛け流しとなり、夜遅い時間になるにつれて源泉の割合が増していく感じである。
故に、夕方の食事前に入った浴感と、深夜終了前に入った浴感では明らかに差異があり、夜の方がヌルヌル感が増し、浴槽の給湯口にも白い湯の花の付着が目立った。
鮮度は早い時間の方が良いのだろうが、源泉割合は夜間の方が増すので、いつ入るのがベストかはなかなか甲乙つけがたい。
交代制でジャングル風呂なるものもある。これまた手のかかる設備を作ったものだ・・・。雨の日に入るとかなり雰囲気が出る。
こちらは小規模浴槽が複数あるので、比較的源泉割合は高かった。
青っぽく見えるがやはり無色透明。
総評すると、泉質の軍配で言えば前回入った筑後川温泉・つるき荘
226・筑後川温泉 - 温泉美食倶楽部活動報告書 (hatenablog.com)
の方が鮮度・給湯量の面で上のように感じる。まーこの辺は浴場規模の差というべきか。泰泉閣は大型の旅館なので、施設に応じた給湯方法をしているにすぎない。
つるき荘は比較的小規模旅館なので、その分源泉が豊富に使えるというわけだ。
また、硫化水素感も筑後川温泉の方が多いように見受けられ、あちらは光の加減で微かに青みがかって見えたり、匂いの面でも明らかに硫化水素臭が強く感じれたので、源泉の質という点でも、僅かではあるが筑後川温泉に軍配が上がるような気がします。
まーこれは給湯方式の違うもあるため、他の旅館とかにも入ってみないとどうとも言い切れませんが、ほぼ同地区にある二つの温泉を選ぶ際の参考にしてみてはいかがだろうか。
美食
皇室御用達というだけあって、旅館飯は流石のクオリティ。
やっぱ懐石は先付から煮物、焼き物、蒸し物、揚げ物など、一通りそろえてこそよね。
郷土料理。なんか餅入りの茶わん蒸しみたいなの。出汁が効いていてうんまいの。
鍋物は貝出汁の上品ですっきりとした味わい。
天婦羅、香物、ヒジキご飯。
小さい頃は苦手だったヒジキご飯だが、今では大好物。
ガキにはわかんねぇ旨さなのね、ヒジキご飯。
餡掛けの蕎麦も付く。こういうちょっとした炭水化物がないと、腹が落ち着かないのよね。
デザートは杏仁豆腐、地元のイチゴ添え。春らしくて良いねぇ~。
ここ最近別府の温泉旅館に泊まることが多かったが、料理のクオリティはやはりああいった競争過多の観光地よりもちょっとマイナーな温泉地の旅館の方が明らかに良い気がする。今回泰泉閣のご飯は完璧に近い布陣でありましたよ・・・。
量的にも巨漢のワイにちょうど良く、蕎麦焼酎の水割り1杯でちょうど食べきれる程度の量でした。色々バランスが良かったように思いますね。
西九州新幹線が開通するという事で、SAGA嬉野温泉&武雄温泉に注目が集まりがちな昨今ではあるが、福岡の奥座敷・原鶴温泉&筑後川温泉も喧騒を避けつつクオリティの高い休暇を味わうためには狙い目の温泉地だと思います。
こういった高クオリティな旅館がリーズナブルに泊まれるのはインバウンドが再開していない今だけ!!空いてるうちにみんなも来よう!