温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

140・黄金温泉(ニセコ)

温泉

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施設外観。ニセコエリアの温泉ではあるんですが、実は蘭越町

温泉のエリアとしては昆布川温泉が近い。

 

成分分析書

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成分総計としては3563mg/kgながら、含まれている成分の種類の豊富さに注目。

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二源泉の混合泉なんすねぇ。

 

陽イオンはNa⁺がメインだが、陰イオンはCl⁻とSO4²⁻とHCO3⁻がほぼ均等に配分。

塩化物泉でもあり、硫酸塩泉でもあり、重曹泉でもあるという多機能温泉。

地味にガス型、イオン型の両方で硫化水素が検出されてる所も好感度高い。

源泉が加温不要の40.8℃ってのも良い。とにかく良い事づくめの温泉。

 

概要

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ニセコエリアで切り取ってみましたが、黄金温泉はこの辺り。

スキー場エリアとはちょっと離れており、昆布川温泉の辺りになります。

国道沿いではないので、地図を確認しながらでないと道に迷うかも。

 

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ニセコには色々な温泉が湧いており、実は自分もまだ全部把握できておりません。

このエリアだけでも黄金温泉以外にこれほどの温泉施設があるわけですよ。まだ行った事ない温泉が沢山あるね。

 

エリア別に分けると、湯の里温泉、比羅夫温泉、昆布川温泉、駅前温泉、雪秩父温泉、五色温泉倶知安温泉、そして岩内方面にワイス温泉など、とにかく広いエリアで温泉が出ている事が判る。ニセコの温泉は泉質面でも様々な顔を見せるので、温泉マニア的にも興味深いエリアである。

 

総評

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個人経営の温泉らしく、脱衣所からしてプレハブ感があって渋い。

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沢山の旅人達によるメモ紙が秘湯感ある。秘湯って程山奥にあるわけじゃないんだけどね。

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今回は内湯のみ撮影。この温泉は3つの泉質を併せ持つ温泉という話はしたが、お湯そのもの曝気状態によって3つの顔を見せる事が判りました。

 

即ち、

1.露天非加温浴槽(透明)

2.内湯加温浴槽(透明だが若干白濁・上記写真)

3.露天加温浴槽(白褐色・底が見えない)

の順で透明度が低くなっているのです。

 

写真でも分かる通り、この内湯は多少の白濁が見られますが、恐らく加温の為と思われます。源泉40℃は少しぬるい湯なので、内湯と露天のメイン浴槽は加温してあるわけですな。曝気時間の長い露天の浴槽は更に混濁が強くなり、浴槽の底が見えない程度にに濁っていました。

 

一方で、露天にはもう一つ手付かずの生源泉風呂があり、面白い事にこれが全くの透明なお湯なんですわ。しかもこの生源泉、入った瞬間にチン毛が泡の樹氷と化すという、事実上の高濃度炭酸泉でした。成分分析書では炭酸ガスはそれほど含まれてなかった筈ですが、この温泉はスペック以上に濃い炭酸ガスを含んだ温泉か、或いは絶妙なイオン配分で炭酸水素イオンが活発に炭酸ガスに変化しているかのどちらかだと思われます。

 

浴槽の縁が石灰華の結晶で覆われたこの源泉浴槽は、その底から絶えずフローされる源泉に強い金気臭があり、同じく炭酸泉として優れた湯ノ岱温泉に似た香りがあった。一方で、白濁した露天風呂は見た目にも同じニセコ鯉川旅館の温泉とよく似た印象を受けた。地理的にも近いので、もしかすると黄金温泉は鯉川温泉とは兄弟湯のような関係に当たるのかもしれません。鯉川温泉はもう少し山側にあって、源泉温度も高かった筈なので、成分と泉温の比率がこの素晴らしい浴感を演出しているのかもしれない。

 

事実上の天然高濃度炭酸泉であるこの黄金温泉は、浴後も強烈に発汗があり、確かな血管拡張作用を実感する事が出来た。黄金比を体現したこの黄金温泉、キマる系ではないがゆったりと長湯できるので、本当に良かったです。

 

SSSランクあげたい。

 

美食

ニセコは高いので)ないです。

本当は道の駅でフライドポテト食べたんだけど、写真を取り損ねた。