256・日奈久温泉
温泉
柳屋旅館の浴場入り口。
ばんぺい湯の源泉。
松の湯外観。
熊本でもかなり古い部類に入る温泉。
成分分析表
柳屋旅館の成分分析表。各旅館での共同湯らしい。
ばんぺい湯は4つの源泉を混合して使用。
この温泉だけ硫化水素イオンが含まれている為、浴感が他の湯と明らかに異なる。
松の湯も柳屋旅館と同じ混合泉らしい。なるほどなぁ。
概要
今回は以前湯の児温泉
194・湯の児温泉(中村温泉) - 温泉美食倶楽部活動報告書 (hatenablog.com)
の帰りに立ち寄るも、コロナを理由に他県者は入れなかった日奈久温泉にリベンジ。
ヒナグと読むらしいが、可愛くないのでピナキュー温泉に改名してほしい(キレ気味)。
今回泊まった柳屋旅館は日奈久温泉の中でもトップクラスの老舗らしい。
色々古すぎィ!!
部屋はこんな感じ。貞子のママが髪梳かしてそう。
噂によると120年以上前の建物らしいが・・・。
日奈久温泉は古くから外湯文化があったらしく、古い家の多くは自宅に風呂がないらしい。自宅に風呂があるのは最近建てられた家だけだとか。
ばんぺい湯、松の湯の他、東湯というのも発見した。
流石に湯あたりしそうだったから入らなかったけど。
入湯料は200円だが、昔は子供5円とかだったらしい。
ちなみにばんぺい湯も地元民向けの本湯と、観光客向けの大浴場に分けられている。
というか、この本湯は建物をじっくり観察しないと存在に気付かないため、意図的に観光客を大浴場の方へ誘導しているように感じる。
一号源泉の近くには由緒などが記載してあった。
露天風呂にいる時にボイラーの稼働する音が聞こえたので調べてみたが、建物の裏にこのような加温設備らしきものを発見。
奥の箱状の施設がボイラー室?なのではないかと推測。あるいは混合泉をプールしているタンクか。この箱状の施設は1階の内湯と2階露天風呂と隣接しており、大浴場と本湯はどちらも同じ温泉であることが分かる。
ばんぺい湯の建物の中にはこうした休憩施設があり、まぁ観光客向けよね、って感じはした。
大浴場は2階にあり、脱衣所を経て内湯、サウナ、水風呂、露天風呂がある。
入浴料は500円。
総評
柳屋旅館の大浴場。メッチャ年季入ってる。
奥に浴槽に被せると思われる湯蓋があり、恐らく冬は湯温を維持するために使用されているものと思われる。
混合泉のスペックを見る限り、日奈久温泉はそこまで高温ではない事から、冬場向けの対策なのだろう。
奥が源泉浴槽で、手前があふれた分のぬる湯。
曝気による濁りもなく、無色透明の温泉であることが分かる。
湯の注ぎ口には薄っすらとカルシウム結晶が見受けられるが、長い歴史がある割には結晶の育ちが弱いため、やはり成分の薄さを感じさせる。硫化水素や粘土系の匂いもなく、浴感もいたって普通のお湯である。
ばんぺい湯と松の湯は写真が撮れなかったので、足湯をさらしておく。
この写真だとわかりにくいが、内湯の源泉側の浴槽では微かな黄色みが見受けられた。
加温と塩素消毒があるため、pHに由来するツルツル感はだいぶ失われているが、影響を受けない硫化水素の香りははっきりと感じられる。
内湯は41℃位の温度であったが、露天風呂は加水によってさらにぬるめ調整にされていて、かつ曝気による微かな濁りが見受けられた。硫化水素イオンを含んだ温泉が曝気により濁りを呈するのは、新潟県の咲花温泉
19・咲花温泉 - 温泉美食倶楽部活動報告書 (hatenablog.com)
の記事でも紹介してあるので、参照していただきたい。
総評として、同じ温泉地でありながら異なる泉質がある為、観光した人によってはかなり印象が変わる温泉地なのではないかと思う。湯に香る硫化水素の匂いは、温泉地に来た実感をより強く感じさせるため、宿の風呂だけで終わらせるのは非常に勿体ない事であろう。
余談ではあるが、居酒屋で入手した噂によると最も硫化水素の匂いが強いのはばんぺい湯の裏にある幸ケ丘という旅館らしい。
美食
今回、日奈久温泉では色々と疑問符を呈する経験をしたので、料理の写真と価格を提示しておく。まずは1軒目。
刺身盛1500円。
・・・6切れでこれとか、クソ高くね?
カラスカレイの煮つけ。500円。
やや安いと感じるが、切り身2つという量を考えたら妥当か。
日奈久ちくわの磯辺。400円。
まぁ・・・妥当かな。
ちょっと飲みかけだけど、お冷入れる位の小グラスのジンジャーハイボールが400円。
これは明らかに高すぎィ!!
地元産トマト的の丸ごとサラダ。下がポテサラになっている。400円。
妥当っちゃ妥当か。
次、2軒目。
刺身盛り。700円。
さっきの1500円は一体何だったのか・・・。
馬刺し800円、レモンサワー400円。
そうそう、こんなもんでしょ普通。
噂の熊本県産あさりの酒蒸し。600円。
少し量が少ない気もするが、騒動後の流通量を考えればこんなもんかな。
日奈久温泉、つい最近まで県外者の外来入浴をお断りするなど、前回来た時もかなり排他的な雰囲気を感じていたが、店によって地味にボッタがある事を確認。
どこまで排他的なんだよ・・・と一瞬怒りが沸いたが、冷静に分析してみると、ボッタというよりも1軒目のお店に関しては客として経験値が低すぎるのではなかろうか・・・?アジフライ定食が700円と安めの設定となっている辺り、そもそも飲み屋の相場が分かってないような気もする。
あと、そもそも飲食店が殆どないというのも特徴。
何もないのが売り・・・という考え方もあるかも知らんが、今回は素泊まりなので、あまりに周囲に何もないと流石に困ってしまうやね。
昔はファミマもあったらしいのだが、今はコンビニの1軒もないという不毛の地になってしまっている。
高齢化の問題もあるのかもしれないが、流石に風前の灯火感があるな・・・。
温泉組合ももうちょっとマーケティングというか、観光地全体で街を盛り上げる工夫がいるのではなかろうか。
県外者の入浴制限にしても、地域住民のコロナ怖い!の声が観光産業の声を上回っているのでは?と分析する。
特に九州はライバルとなる温泉地は山ほどあるかな・・・。
前回の原鶴温泉が似た泉質で料理も良かっただけに、もっと頑張りましょう、ピナキュー温泉!!