温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

169・別府 明礬温泉・湯屋えびす

温泉

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施設入り口。日帰り入浴も可能。今回は宿泊で利用。

 

成分分析表

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この施設には2つの源泉があり、片方が白濁の単純硫黄泉で、もう片方が単純泉という話だったが、これ見ると二つとも硫黄泉でした。恐らく片方が透明で、もう片方が白く濁ってるものと思われる。

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ちょっと字が小さいので見づらいね。いずれもガス型の硫化水素を含み、右側の方が3.3mg/kgと少ない。左側は6.8mg/kg。

源泉温度は左から39℃と95℃。混ぜて使用しているのかもしれない。

 

概要

有名な場所なので地図は割愛します。

別府の鉄輪温泉から国道沿いに坂を上るとこの明礬温泉に到達します。

泥湯の紺屋地獄と併せて蒸し湯や箱湯など様々な温泉があるので、ひとつに拘らず色々な温泉に挑戦してみると良いかと思います。

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湯屋えびすの基本的な料理は温泉を利用した地獄蒸し料理となります。よって、敷地内に地獄蒸し装置があるのは別府では割と標準ですが、他県から来るとマジでビビります。カルチャーショックよね。蒸し器があればガス代もかからない上に、食材を入れとくだけで料理が仕上がる為、マジでコストカットにも適した装置なわけです。

しかし蒸し器と言っても様々で、源泉の質が変われば料理の仕上がりも当然変わってきます。果たして今回の料理はどんなものか・・・?

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部屋からの景色。噴気が漂い、別府湾を一望できますが、この時はあいにくの雨。

しかしながら風呂上りの火照った身体を冷ますにはまぁいいロケーションでしたよ。

 

総評

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少し青みがかっても見えるのが不思議な明礬温泉。

最近少し学習したのだが、この青い色の正体は液中のケイ素化合物のコロイド粒子が白色光を分光し、青い波長の色だけが見えるという事に由来するらしい。

青い温泉にも色々あるが、イオン型の硫化水素の青い色とは少し原理が異なるらしい。

 

写真は貸切湯のものであるが、湯屋えびすの大浴場は予想外に広く、上記の写真と同じ白濁の温泉を張った2つの岩風呂に始まり、歩行湯、単純泉を利用した屋根付きのぬるめヒノキ湯、同じく温度の異なる単純泉の壺湯が二つ、蒸し湯、箱湯、そして水風呂完備と、かなりエンターテイメント性の高い温泉施設となっている。それなりに入浴料はかかるが、充分満足感の味わえるラインナップとなっている。

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日本が世界に誇る明礬温泉という事で、白濁の硫黄泉は申し分なくガッツリと硫化水素の香りを漂わせ、身体の芯まで浸透する温熱効果を持っている。また、浴槽によって若干色が異なるのも面白い点で、貸切浴では上記の通り少し青みがかって見えるが、大浴場では若干黄色がかって見えるなど、視覚的な変化があるのも興味深い。

 

なんにせよあちこちでシューシューと噴気を上げる明礬温泉のロケーションは温泉地としては申し分なく、この辺は他の温泉地もフェイク噴気でもいいから採用したらいいんちゃう?と思わなくもないですな。温泉地は何よりも雰囲気が大事ね。

 

美食

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今回用意して頂いたのがこちらの地獄蒸しセット。

蒸し器に入れてしばらく放置しておくだけで完成。地獄蒸しは食材によって大体10分~30分程度で完成するが、鶏肉などは長く蒸せば蒸す程トロトロになって最&高らしい。食材も基本的には自由自在との事だが、チーズなど熱で溶けるものは避けた方が良いらしい。

 

出来上がった地獄蒸しはかぼすポン酢などで食べるが、柚子胡椒を添えると神懸かった旨さとなる。また、冒頭でも紹介した通り、地獄蒸しは蒸気に含まれる温泉成分によっても食材の仕上がりに差が出る為、主に塩類泉である鉄輪温泉の地獄蒸しと、硫黄泉である明礬温泉の地獄蒸しとでは異なった味になる筈である。

 

別府にはセルフ地獄蒸し自由の旅館もあるので、地元のスーパーで食材を買い込んで色々試してみるのも楽しいかもしれない。