温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

170・別府 鉄輪温泉

温泉

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地獄概要。鉄輪温泉から徒歩圏には複数の地獄が存在しており、まさにこの世の地獄の様相を呈している。鉄輪温泉にはめちゃくちゃ沢山の温泉があって、今回紹介するのはその一部である。

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まず上人湯。じつはこの時は閉館しており、入れなかったのだが、一応データのみ紹介する。

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今回泊まった「湯けむりの宿・ほの香」の大浴場入り口。日帰り入浴も可能。

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ひょうたん温泉の外観。比較的新しい施設であり、観光客用の温泉施設。ちなみに中で食事もできる。

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鉄輪で一番ヤベー温泉である谷の湯。隣のお婆ちゃんに150円を支払う。

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温泉街にある地獄原温泉。ここは7年くらいまでに入ったような気がするので、詳細は割愛する。メチャクチャ熱い。

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有名な鉄輪蒸し湯の施設外観。

ここも大分前に2回ほど入りに来た事があるので詳細は割愛する。鉄

輪といえばこの蒸し湯って位には有名。

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鉄輪蒸し湯の目の前にある渋の湯。目と鼻の先にあるので、源泉とか殆ど差がないんじゃないかな…。

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おまけ。かまど地獄内にあるいやしの湯。扉に掲示があるように、現在はコロナの影響で入れない。青い色をした温泉が張ってあるらしいので、入りたかった・・・。

 

成分分析書

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地獄からほど近い上人湯の分析表。実はコロナの影響で閉鎖されていたのでここはまだ入れていない。成分総計を見ると約4000mg/kgといったところか。

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こちらは宿泊した旅館の温泉。この辺の温泉は何処も自家源泉持ってるからすごい。

成分総計は2137mg/kg。

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ひょうたん温泉の成分分析表。ここも3724mg/kgと、大体1000~4000mg/kgの範囲で塩分が含まれている。

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谷の湯の成分分析表。3223mg/kg。

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地獄原温泉の成分分析表だが、これよくみたら上人湯と全く同じ内容だね。

つまり、共通源泉という事になる。

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最後に渋の湯源泉の分析表。恐らく蒸し湯の源泉もこれと同じではなかろうか。

 

概要

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鉄輪温泉は坂の上に地獄が連なり、坂の下部分に古式長期滞在型の湯治宿が連なる。

湯治宿の周辺には上記で紹介したような温泉が点在し、名実ともに日本最大の湯治街である筈だが、最近では別府も世界的に有名な観光温泉街となってしまった事から湯治も姿を変え、貸間や長期滞在の宿はもう絶滅寸前になっている模様。でもガイジンさんはああいう古い貸間とかむしろ好きだと思うよ。

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別府の地獄には様々な温泉が夕湧出しており、このように独特の青色を呈する温泉もある。実はこの湯こそがいやしの湯に使われている源泉らしいのだが、今は入れないので足湯で我慢する必要がある。

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この他にもこれぞ地獄って感じのコポコポ系鉱泥噴出口があったり、

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チョコレートかな?って感じに赤茶けた色をした血の池地獄まで何でもそろっている。

ちなみにこの温泉は鉄分が500mg/kgもあるらしく、もはやここまで来ると完全に浴用には適さない泉質となる。まさに地獄。

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地獄は日常世界にも寝食を開始している。マンションの裏にこんな光景が普通にあるのだから、マジでカルチャーショックが大きい。大地のご機嫌を取りながらのメンテとか、確かに地獄ですわ。実際高温すぎて危ないし。

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源泉掛け流しに拘った結果、ひょうたん温泉ではこのように竹枝で温泉を空冷させる冷却装置を開発し、100℃近い温泉の加水無し源泉掛け流しに成功したとの事。

なんだこれは・・・たまげたなぁ。

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まぁまぁいい値段するひょうたん温泉だが、深夜1時までやってるのはいいね。

風呂の種類も豊富で、とりあえず鉄輪温泉らしい一通りの温泉を楽しむ事ができる。

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施設内はこんな感じで、砂湯まで体験できるようになっている。食堂もあって、まぁ観光客向けの施設。大浴場も広く、内湯、露天、打たせ湯、高温蒸し湯、低温蒸し湯とあり、砂湯のみ浴衣がいるので別料金といった感じか。

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ひょうたん温泉の敷地内では温泉卵も食べられる。1個70円で、外で食べるよりは微妙に安い。

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ひょうたん温泉の由緒だそうです。由来となった浴槽は女湯の方にあるのだとか。

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温泉に関してガチの歴史を感じたいのなら、ヤベー温泉である谷の湯に行ってみると良い。恐らくここが旧源泉の噴出口だったと思われる。地獄らしく、仁王様が鬼達を監視しているのだろうか。

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温泉街はこんな感じである。道幅は狭く、車でウロウロすべきところではない。

浴衣と下駄で散策がベスト。古い家屋を利用したオシャレなカフェなども増えてきているようで、昔ながらの湯治宿もイノベーションの時代を迎えているようだ。

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鉄輪蒸し湯は今もこの石室の中で行われている。

スタイルとしては浴衣とセットで900円位だったと思うが、まずは内湯で身体を洗い、上の写真の石室に入る。敷いてある石菖藁の上に寝転がり、激熱の蒸気で蒸されるが、まぁ大体10分が限度。その後、上がり湯を浴びて出る・・・というスタイルである。アクティビティとして試してみる価値はあるだろう。

せっかく高温の温泉出てるんだから、伊豆の熱川温泉も見習って、どうぞ。

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別府は公園の敷地内にこんな噴気口があるのもヤバい。

よく考えたら、すぐ裏手の山の鶴見岳はガチの活火山なんですよね。

鶴見岳エンジン、アイドリングのうちは良いけど、軽くブン回されたら大分県とついでに徳島県が終了する模様。

 

総評

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かまど地獄の足湯。仄かの青いのが素晴らしいが、メチャクチャ熱い。

でもタオル無料で貸してくれるのはナイスでーす!

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旅館のお風呂!少量フローで適温にしてある。

故に鮮度も落ちやすいので、1番風呂で入るのがベスト。

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露天風呂は加水で温度調整してあった。一度張った湯はそのまま1日使うようで、夜22:30と早めに終了。故にやはり一番風呂で入るのがベスト。

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ひょうたん湯は人がいるので撮影できず。この写真はヤベー温泉である谷の湯のもの。

谷の湯のヤベー所は割と外から丸見えな所と、70℃の源泉が普通に良いペースで掛け流されている所。あと全体的な古さ。メチャクチャ熱くて水で埋めようとしたのだが、「水道」と書いてある蛇口からもまぁまぁぬるい水しか出ず、いくら埋めても全然ぬるくならないという。それでも湯もみをして念入りに冷まし、どうにか入る事は出来たが、5秒で離脱。

あとから気付いたのだが、「飲料水」と書いた蛇口からは普通に冷たい水が出たので、その水を桶で入れ続ければ適温に出来るかもしれない。

匂いは若干鉄の匂いがするが、鉄泉の様な濁りは無く、写真で見るとむしろ少し青みがかっても見える。

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ちなみに温泉が青くなるのはこういう原理らしい。

見てもよく解らん人は理系の人に聞いて、どうぞ。

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続いて渋の湯。(恐らく蒸し湯と同じ泉質)

ここは観光客に媚びてない44℃の熱さで、いい塩梅でキマる事が出来る。温度は給湯量で調整しているので、加水無しのガチの掛け流しである。私が入っている時に一般観光客の都会人っぽいオッサンが入って来たのだが、念入りにかけ湯はしたものの、入ってみたらやっぱ熱かったらしく1分と持たず離脱していた。

 

総括すると、鉄輪温泉は全てに於いて「熱い」という事が挙げられる。

給湯状況は施設によってまちまちであるが、ホテルや観光施設では原則加水してある場合が多い。ひょうたん湯は竹枝空冷冷却により掛け流しでの提供となっているが、利用客が多いのと浴槽も広くある事から、掛け流しとは言ってもお湯の鮮度そのものはかなり劣化しやすい状況にある事が見て取れた。

そういう点で見ると、比較的利用者が少なく、源泉の少量フローで掛け流しを実現している渋の湯がある意味一番ベストな温泉という事になるかもしれない。渋の湯の利用者が少ないのは、実は目の前に鉄輪蒸し湯がある為で、蒸し湯に入った後にハシゴ湯する観光客はまずいないからだろう。主に地元の組合員向けの風呂という事で、なんやかんやでやっぱ温泉ってそういう所に落ち着くんですよね・・・。

 

美食

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何はともあれ、風呂上りにはビールである。

というか、ビール以外の物は不要ですらある。

鉄輪温泉で湯巡りをする際は、必ず泊りで来よう。