温泉の好みは人それぞれ

伊豆大島・三原山温泉

同・分析表
まぁ結論から言うと「人それぞれ」それで終了なんですが、自分は最初こそ珍しい泉質の温泉に強く興味を惹かれていて、成分分析表をアレコレ考察して新しい発見を楽しんでいた時期がありましたが、時と共に徐々にその楽しみ方も変化していきました。

禰宜の畑温泉・やまびこ荘。※元々は西伊豆の小学校でした。
人によっては温泉は建築物やその歴史に興味がある人もいて、温泉そのものは化学や地学、医学などを含んだ総合科学でありながら、歴史や文学なんかとも密接に絡んだ文化的娯楽として楽しめる側面があるわけです。

一軒何気ない湯屋も、よく観察してみるとなかなか趣がある。
そこで、私自身の温泉への興味・関心がどう変遷していったのかを語りつつ、温泉のエンタメ性について色々と書いてみようと思います。
化学的視点を楽しんだ前半

蒲田黒湯温泉・10㎝先も見えないほど黒い。

同分析表。
最初は温泉の色や香り、pHといった液性の違いを楽しんでいました。
蒲田温泉や浅草の蛇骨湯のように色が濃くて派手な物や、酸性が強い温泉を求めて東北の玉川温泉に行ってみたり、アルカリ性が強い温泉を求めて白馬八方温泉に行ってみたり、とにかく「尖った温泉」を求めていました。

白馬八方温泉。アルカリは強かったが、公共浴場ゆえ、塩素消毒の気配はあった。

尖った温泉としての完成形は、恐らく青森の八甲田温泉が到達点。

八甲田温泉のラムネ源泉。
・強酸性pH2.44(皮膚刺激作用)
・ぬる湯(37.9℃)(長湯できてしまう)
・ガス型炭酸泉(血管拡張作用)
・硫酸水素イオン主体の透明で青白い硫黄泉(浴感向上と、皮膚への浸透性と負荷+)
全国色々と旅をして、離島の温泉までも旅してきましたが、これ以上の複数の尖った性質を持った温泉は他にはなく、個人的にここがこれまでの温泉人生でトップの泉質です。
最強にして最もレア。
身体への負荷も強く、湯あたり必須の温泉でした。
当施設は未だに再開が未定ですが、営業中のここの温泉に入れたのは私の入浴人生で最も幸運だったといえるかもしれません。
色々と全国の温泉を回りましたが、尖った湯を求める私の旅は一旦ここで終了となりました。
尖った湯を卒業した後は、秘湯へ。
液性の体験を終えると、次は娯楽として美食と秘湯を求め始めました。
学生時代に住んではいたものの、実は殆ど回れていなかった北海道へ移住し、当時のやり残した体験を探し求めるように、狂ったようにあちこちの秘湯を探し回りました。

開通直後の北海道新幹線に乗ったりもした。

洞爺湖・昭和新山

五稜郭

下北半島大間にある奥薬研温泉かっぱの湯。

霊場への興味も重なり、恐山温泉へ。

野湯に興味が出たら道南・熊の湯を見に行き、

無人管理の臼別温泉は一度きりの訪問となった。

今は無くなった天人峡温泉・天人閣も、今となっては歴史的資料。

学生時代に通った月形温泉。潰れてしまったラーメンむつみ屋の名残に過去を思う。

然別の秘湯・菅野温泉、泊りで来たかった。

雌阿寒の野中温泉は非常に気に入り、何度となく通った。
北海道はまさに秘湯の宝庫で、行く先々で温泉という温泉に新たな発見があった。
成分的な面でもオソウシ温泉等の超アルカリ温泉との出会いによる再発見があったり、
もちろん、美食レベルも格段に上がりました。
恐らく北海道での旅で美食経験値はカンストしたと思われます。

利尻島のホタテ。拳サイズもあり、1個300円。

噴火湾の牡丹海老。まるで宝石のような透明度。これを超えるエビは他にないと思う。

わざわざ獲れたての花咲蟹を食べるべく、早朝の根室にまで行った事もありました。

旬の夕張メロン現地食い。これ以上のメロンは無いと断言できる。

厚岸の牡蠣とウイスキー美味かった(小並感)
この後、コロナ騒動があり北海道で美食と秘湯を探す旅は一旦終幕となる。
5年くらい住んでましたけど、あらかた行きたいところは行けたんですよね。
そして水風呂へ…。
次に移住したのは現在の居住地である大分県であるが、その動機もまぁ「毎日温泉入れますやん」というものだった。
が、こっちはこっちで北海道で得ていた温泉体験とはまた違ったものがある事に気づく。

移住初手から別府温泉を徘徊。
浴槽形状や入浴方法に東日本と西日本で違いがある事も判った。

九州には北海道・・・というか東日本にはなかった「家族湯」の文化が色濃く根付いていたが、どれも熱い湯ながら、あまり水風呂の文化が根付いてないように感じた。

特に大分は高温泉が多く、歴史も古い事から、温泉は街の共同湯として根付いており、基本的に内湯一本勝負、場所によっては露天もあるよ。みたいな感じが殆ど。
別府は蒸し湯がセットだったりする。歴史かな・・・。

それ故に先日の鹿児島で出会った水風呂の多さは少し意外だった。
暑い地域はやはり必要に駆られて水風呂を利用しているのだ。
そういえば、大分県は温泉こそ多いがスーパー銭湯があまりない気がする。

スパ銭は大分市内にはいくつかあるのだが、水風呂は大体こういう場所か、ホテルの中に限られ散る感じがする。エンタメが限られているのは実に惜しい。

天の川もよく利用するスパ銭で、サウナがある関係上やはり水風呂はしっかりチラーが入れてあってキン冷えである。
とにかく、こちらに来てからは泉質や秘湯感といった雰囲気へのこだわりは薄れ、水風呂を愛用する機会が増えた。
伊豆にいる頃から交代浴は元々好きだったが、北海道、特に函館での生活では熱い湯に入った後の水締めは湯冷めをしないため有用で徐々に習慣化し、今では水締めがないと風呂入った気がしないんですよね・・・。
興味関心の矛先が完全に水風呂に移行しちゃった感じで、かつてあれほど拘った泉質への情熱も今は薄れ、今では「温泉入浴は〆の水風呂で完成する」くらいのノリだ。
人は環境によって求めるものが変わってくるが、今の自分には温泉と水風呂はセットになっているようである。

夏場こそ入りに行きたい寒の地獄温泉だが、ここの源泉水風呂はちょっと普通の水風呂よりも攻撃的なので上級者向き。

長湯温泉は温かい温泉とは別に、湧水自体が炭酸水として水風呂利用されている。

ホテルMEGURIが提供する宇佐八幡温泉には、立位で入れる深い水風呂もある。
サウナーに大好評。
脹脛に水圧がかかって、気持ちええんじゃ。

北海道でもえべおつ温泉では二種類の温度の異なる源泉をそのまま水風呂として利用していた。セメント風呂に入ってるような感じ。
まーそんなわけで、温泉の体験にも色々な角度と楽しみ方があるので、これから温泉道に励もうとしている人がいたら、毎回角度を変えて楽しんでみるのも一興かな、と思います。




















































































