温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

番外編・2021年版おすすめ温泉

ちょっと大分県多め。今後情報を集積して、長崎なども開拓していく予定。

 

第10位・明礬 照湯温泉

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別府温泉の穴場。必要充分な温泉が比較的混雑しない環境で楽しめる。

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全国的にも珍しい噴気を使った造成泉。湯屋の雰囲気、歴史、そして湯の温度、香りも併せてこれぞ別府!って感じが味わえる温泉。場所がややマニアックで素通りされやすいため、いつも空いているのが高評価。入り方も含めて九州の温泉文化を体感できる温泉である。

 

第9位・大在温泉

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大分の熱い温泉と言ったらここ。玄人好みの熱々設定に加えて、流しっぱなしの水風呂が併設されているので気軽にキマれるのが特徴。寝かした麦焼酎の如き琥珀色のモール泉であり、浴感もツルツルスベスベとしている点も評価が高い。

熱い風呂大好きな温泉マニアとして、必ずリピートしたいと思っている玄人向け温泉。

 

第8位・奴留湯温泉

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小国町にある立ち寄り湯。その名の通り激ぬる。

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足元と上部のダブルフローぬる湯。

その温度にして35~36℃程度であり、明らかに冬場はキツイ温度になる。

夏場に攻めたい温泉の一つ。冷たいながら硫黄泉でもあり、白く漂う湯の花や硫化水素の香りが情緒を誘う。

永遠に入っていた温泉だが、この手の不感温度帯は必ずウンコ行きたくなるのでお子様は入れるべきではない。

 

第7位・明礬温泉 えびす屋旅館

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施設入り口。

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別府といえばこれ!って感じの白濁硫黄泉で、若干の青みがあるのが特徴。

他にも透明な源泉もあり、貸切浴の他、大浴場では複数の温泉が楽しめる。

日帰り入浴も可能であるが、基本的に宿泊前提の旅館であり、地獄蒸しなど食の面も併せて別府を堪能するという点に於いて是非利用していただきたい温泉だ。

 

同率7位・長湯温泉 かじか庵

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施設外観。炭酸泉で有名な長湯温泉だが、ぬる湯という訳ではない。

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敢えての下部給湯、下部放流に拘った泉質重視の宿。

この温泉は高張泉ではないが、高濃度の炭酸とそこそこの塩分を含んでおり、これらを浴槽の下部から給湯し、同じく下部から放流するという仕組みを使う事で湯の鮮度を維持しようという試みが成されている。この給湯方式では鮮度の良いお湯が浴槽表面に表れ、冷やされて結晶膜が張るという現象が見受けられる。お湯は上部からの放流が無い為、恐らく再溶解した湯の花でスペック以上の濃度になっていると思われ、炭酸泉ではあるが、それ以上にガッツリとパンチのある塩類泉に仕上がっている。

 

第6位・黒川温泉 夢竜胆・花泊まり

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言わずと知れた名湯・黒川温泉。

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素泊まりであったが、貸切離れの環境は文句なし。

お湯もいい塩梅で熱く、単純泉らしい柔らかな浴感と爽やかな香りが素晴らしい。

お高いが、泊るだけの価値はある。

ここ黒川温泉は歩いてなんぼの温泉地なので、早くにチェックインしてしっかりと温泉街の雰囲気を楽しもう。

 

同率第6位・川棚温泉 旅館小天狗

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伝統的な和旅館。外観は古いが、中は普通にキレイで快適。

総じて価格も安く、明らかに狙い目の温泉旅館である。

瓦そば発祥地でもあり、近くのたかせ総本店で食べる事も出来る。

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温泉は源泉が熱すぎず、ぬるめの露天風呂で永遠に静寂の時を楽しむ事が出来る。

泉質も柔らかで非常に素晴らしい。旅の疲れをいやすのにはうってつけの温泉だった。

微かに硫化水素の香りがする辺りも品があってよい。

冬こそ最高な温泉では無かろうかと思われる。

 

第5位・七福温泉 宇戸の庄

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耶馬渓界隈の山奥にある秘湯。

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気泡を含んだ高粘度のとろとろモール泉は素晴らしい以外の言葉がない。

耳まで浸かって漂うと、気泡のパチパチと弾ける音がして無の境地に至れる。

この温泉を目当てに長年福岡から通い続ける人もいるとか。

雉を使ったジビエ田舎料理を炭焼きで食べれるのもお勧めである。

部屋には敢えてテレビが置いておらず、人ごみに疲れたに来てもらいたい温泉。

 

同率第5位・津房温泉 津房館

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施設外観。スッポンのフルコースが食べれる旅館であり、美食と美浴の二つが同時に楽しめる旅館である。建て直したばかりの新館も新築の香りがして素晴らしい。むしろ定住したい。

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上品な絹の湯はツルツル感が強く、しかしながら温度もガッツリと熱めで大変良い。

アルカリ性単純泉のお手本のような泉質で、クセが無くどんな肌質の人にも合うと思われる。宿泊専用という事で鮮度も最高水準の物が楽しめるようになっている。

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そもそもが美肌の湯であるが、すっぽんと併せて使う事で、更に上位の効果を発揮する事が出来るだろう。

 

第4位・七里田温泉 下ん湯

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日本最強の炭酸泉。

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1時間は余裕で入れる激ヌル炭酸泉。

その濃度は尋常ではなく、指先を付けた瞬間からシュワシュワと泡立つ。

リピーターも多く、回転率に難ありの温泉だが、泉質ガチ勢としては決して外せない温泉でもある。

 

同率第4位・赤松温泉

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激シブ系マニアック温泉。

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初心者お断りの小汚い系の温泉ではあるが、あつ湯、普通湯、ぬる湯と三つの浴槽が用意されており、かつ掛け流しの水風呂まで完備されている。湯を楽しむものにとっては完璧な布陣であり、サウナなどといった小洒落た設備がない事で、サウナブームに便乗したチャラ男が来ない点も高評価。

シャワーまで全て源泉であり、ツルツル感のある肌触りと、しっかり岩の香りがする鮮度の良い湯が特徴である。源泉はまぁまぁ熱く、あつ湯では身体が真っ赤になる程度の温度がある。一方でぬる湯は水風呂の水も流れ込む事から、かなりのぬる湯っぷりを発揮している。このバリエーション豊富さがツボにはまり、実は何度となくリピートしている温泉でもある。

 

第3位・湯布院温泉 束ノ間

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施設外観。宿泊施設としても申し分ない高級宿。

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青い湯はずるいだろ・・・。

とにかく視覚的なギミックの他、露天風呂の解放感、そしてツルツル感のある泉質、熱々の高温性、どれをとっても好みでしかない。これで高級旅館なのだから非の打ち所がない。旅館というか、離れの貸家みたいなスタイルみたいね。

何度も来る感じの施設ではないが、初見のインパクトが素晴らしいので推す。

 

同率第3位・湯布院温泉 泰葉

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同じく湯布院温泉。束の間と同じエリアにある高級旅館。

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こちらも青い湯であるが、特筆すべきはその浴感。単純泉を極めし者という称号を与えたくなるくらい素晴らしい。ろ過などの処置があるのかもしれないが、とにかく湯が完璧なまでに美しく、かつスベスベとした浴感が素晴らしいの一言に尽きる。

今までいろいろな単純泉に入ったが、ここだけは別格だと言いたい。いや、実際にはナトリウム/塩化物・炭酸水素塩泉なのだが、成分総計的には単純泉に毛が生えた程度の濃度しかなく、じゃあむしろ塩類泉として評価するとどうかといわれると、正直ここまで美しい塩類泉は今まで見た事が無い。

湯布院温泉はぶっちゃけ観光温泉地って事で多少色眼鏡で見てた部分があったが、良い物は良いのだと評価を改めるきっかけになった温泉でもある。

 

第2位・奥湯布院温泉 奥宿無相荘

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施設外観。ここの風呂は時間帯を選ぶ。

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棚湯と呼ばれる開放的な露天風呂は日帰りだと昼の2時までの開放である。

ここは泉質云々よりもロケーションが最高な温泉であって、鶴見岳・伽藍岳を目の前に臨むこの露天風呂はとにかく素晴らしいの一言に尽きる。

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季節によって違った顔を見せる所も大変情緒があり、しかも限定された入浴時間の為に他の客がほとんど来ないという点もマジでお勧めなのである。14時以降は宿泊客にのみ解放されるため、ほぼ混雑とは無縁である。特別感が高まるねぇ。

ロケーションだけの温泉かと思いきや、棚状の浴槽の他にもキッチリ源泉掛け流しの激熱壺湯も用意してあり、こういった点が温泉マニアである私の評価を上げたといっても過言ではない。

温泉マニア以外にも胸を張ってお勧めできる温泉だ。

 

第1位・寒の地獄温泉

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白い水の流れる粋な庭園を抱える寒の地獄温泉は、食事が美味い事でも過去に紹介している。

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古い木造の構造、庭園などの雰囲気造り、どれをとっても秘湯感が溢れていて素晴らしい。

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ここの温泉はこの白い湧き水を加温する、或いはそのまま水風呂として提供している事でも知られる。源泉をそのまま水風呂としているのは水風呂大好き人間としては本当にありがたい所。

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とにかく夕食に出てくるこの多彩なアテが最高に素晴らしい。いずれもクズには出来ない一手間が掛かった逸品で、酒が進みまくる。日本酒にするか、ワインにするか悩ましい。あまりの美味さ故にこの温泉美食倶楽部総帥であるワイ氏こと海原雄山もリピート泊しており、評価を爆上げした。

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冷泉であり硫黄泉というのは中々に珍しく、初めて入ったのは長野県の奥蓼科・渋の湯温泉だったかと。ここはそこまで酸性度は強くないため、マニアックさでは渋の湯温泉に一歩譲るが、ロケーション、美食、泉質という総合点で評価した時に、やはりここは一位としておこうと結論付けた。

 

 

さて、今回はそんなところでこの1年で開拓した温泉のトップ10を紹介したが、ここで紹介した以外にもスバラな温泉はまだまだあります。温泉の評価は利用目的や好みでも大分変化してくるため、一概に評価は難しいのだが、このブログのコンセプトとしては温泉(泉質重視)+美食で決めるのがスジであるが、ここにロケーションという一般人向けの感覚も取り入れて評価してみました。

 

みんなも自分に合った好みの温泉を探してみよう!(啓蒙)