188・長湯温泉 かじか庵
温泉
施設外観。入浴棟と宿泊棟&食事棟が分かれていて、日帰り入浴も可能な宿。
日帰り入浴は結構遅くまでやっていて、割と地元民も入りに来るようだ。
成分分析表
ラムネの湯を名乗るだけあって、なかなかガッツリとした炭酸ガス量。
炭酸水素イオンも相当量含まれており、シュワシュワな温泉を想像するのだが・・・?
概要
全国的に有名な長湯温泉はこの辺り。温泉県をウリにする大分県であるが、鉱泥浴や蒸し湯を擁する別府と並び、世界最高峰の炭酸泉が湧くのがこのエリアである。
ちなみに、事実上の最強炭酸泉と名高い七里田温泉もここから車で10分ほどの距離である。
部屋から望む風景はのどかな田園風景であり、カエルの声が聴こえてくる。
風呂上りのビールも映えるね。
部屋はこんな感じ。よくある一人用の和室であるが、一人旅はこういうので良いんだよ、こういうので。
入浴等には休憩用フリースペースもあり、浴後は畳の上でごろりと横になって休む事も出来ます。
この辺は地域住民にも愛されている感じがある。
後述するが貸切風呂もあり、家族で入りに来ている一団も。
総評
内湯の様子。炭酸泉という事だが、給湯方式が特殊で見かけの成分以上の塩分が含まれていると思われる。
給湯方式に関する掲示もある。ここの温泉は下部フロー、下部放流という特殊な給湯方式を取っていて、要するに浴槽の底部分からお湯を給湯し、同じく浴槽の底部分からお湯を放流するという方式。この給湯方式では高温の鮮度の良い湯が浴槽上部に上昇し、冷えて古くなった湯が下部から放流されるという事で、常に鮮度の良い湯に入る事が出来るというものである。
露天風呂の様子。
見た目はこの通り濁りのある塩泉。浴槽の外に浴槽よりもやや低い高さの筒があって、浸かって溢れた分はそこから排水されるという仕組み。
実はこの給湯方式にはもう一つ思わぬ効能が・・・。
これは貸切浴の映像だが、表面に何かが靄のように漂っているのがおわかりだろうか?
拡大してみるとこんな感じ。
これは温泉塩の析出物、いわゆる湯の花であり、鮮度の良い湯が浴槽表面で絶えず冷却され続ける事で生じた難溶性の塩である。
通常は溶解している温泉成分が、外気の冷却によって析出しているわけだが、通常は浴槽の上部からお湯が溢れて排水される為にこういった現象はおきないのだが、下部フロー&下部排水により、通常よりも温泉成分が浴槽に蓄積しやすい環境が形成され、この現象を引き起こしたものと考えられる。
手に付着した析出塩。マグネシウムやカルシウムも多く含む為、塩辛くはなく苦味が強い。
お湯に浸かると不溶性の塩が身体に纏わりつき、ジャリジャリとした肌触りがある。明らかに成分分析表以上の塩分濃度がそこにはあり、この高濃度の成分の為か、炭酸泉特有の泡付きが身体に起こらないのも不思議な感覚であった。
敢えて念のために圧しておくが、泡付きが無い=炭酸泉ではないという事ではない。
浴感は間違いなく炭酸泉のそれで、源泉は45℃の高温泉ながら、下部フローによる少量給湯で浴槽そのものはかなりぬるい温度に調整されており、しかしぬるさの割にガッツリと血管が拡張する力強い浴感がある。
給湯方式で濃くなった塩分が皮膚への泡付きを抑制し、炭酸泉の血管拡張作用を極大まで高めているといった印象である。
ラムネ湯という事で七里田温泉と近い印象を持っていた長湯温泉だが、想像以上にパンチの利いた温泉なのは間違いない。スバラである。
美食
前菜。鯉刺しや白子があるなど、なかなか凝った内容である。
鳥鍋。季節にあったタケノコ新芽が入れてあるのが印象深い。
ウマイのよ、コレが。
豊後牛の陶板焼きは鉄板。あぁ^~
今回は馬刺しも追加で頼んであったので、鳥&牛&馬という豪華セットに。
ブリはともかく、北海道ではなかなか食べれなかった真鯛の刺身。
うめーなぁ!やっぱ!
そしてヤマメの塩焼きも。川魚から海の魚まで何でもござれやな。
そういう意味で、大分は割と美食王国なのかもしれない。
・・・というかこれで一泊二食15050円とか、かじか庵すげーよ。
かじか庵【公式】日本一の炭酸泉・長湯温泉にある旅館「かじか庵」は天然温泉の露天風呂・岩盤浴・サウナ・家族湯・レストランのある旅館です。 (kajikaan.com)