32・カルデラ濁川温泉ふれあいの里&にこりの湯
今回は正統派のマニア御用達風呂を紹介するよ。
温泉
ふれあいの里、内湯。浴室に入るなり鼻に突く強烈なアブラ臭。これぞ濁川。
ふれあいの里・露天風呂の様子。ここは二つの源泉があるそうだが、片方には硫黄成分も含まれている。個人的にはこちらの露天風呂の方から硫黄の臭いを感じたが・・・?
こちらはにこりの湯の内湯。この浴槽は源泉ガチのかけ流しであり、45-46℃位ある。濁川温泉の中でも特に古い湯らしく、アブラ臭はそれこそ強烈。
成分分析書
ふれあいの里①
こっちには硫化水素は入ってないが・・・
ふれあいの里②
こちらには極僅かだが硫化水素イオンやチオ硫酸イオンが含まれている。
混ぜて使っているのか、はたまた浴槽によって使い方が違うのか・・・
温泉ソムリエとして鼻を利かせてはみたが、露天と内湯の微かな違い位しか分からず。
ちなみににこりの湯も成分的には大分近い内容でした。
いずれも成分そのものはそこまで濃くはないのだが、地熱発電に使われるほどの高温と、恐らく地下に眠る火山性のガス成分?と思しき強力なアブラ臭がこの濁川温泉の特徴だ。
概要
濁川温泉は道内でも相当古い歴史を持つ温泉で、数軒の温泉旅館が細々と存続している鄙びた湯治場である。近年はその地熱を利用した発電所が作られているようで、昼間に車で走るとそれらしい建物からモクモクと湯気が上がっているのが確認できる。
そこかしこから湯は出ているようで、どうやら各旅館自家源泉を持っているようだ。
今回紹介するふれあいの里とにこりの湯は貴重な公共湯でありまして、そのロケーションは完全に初見殺しの秘湯然としていながらも、国道から僅か5kmの距離にあるので、山道が苦手な人にも行きやすい秘湯なのではないかと思われます。
にこりの湯外観。
ここは夜10時まで営業しているのですが、こんな有様なので一見閉まっているように見えます。これでも普通に営業中です。完全に初見殺し。
総評
湯の強い弱いって、一体何なんでしょうね・・・。
成分が濃けりゃつえーのかよ!という常識を覆すのがこの濁川温泉。
成分上は函館市内の銭湯の方が概ね濃い湯が堪能できるわけですが、風呂上がりの謎の疲れ感は圧倒的にこちらが上。
アブラあたりでもしてるんじゃないの?ってな具合に、浴後は何もやる気がなくなるという超強力な湯です。恐らくはその臭いの中に何らかの成分が入っているのだと思いますが、とにかく強烈な湯です。自分は仕事で森町に来ていたので、ここには週1ペースで通いましたが、温泉マニアの自分ですら毎日はちょっと・・・となるくらいの強さがある湯でした。
とにかく風呂上がりの脱力感が凄いのです。
初めての人は湯あたり注意!マニアは心行くまで堪能して、どうぞ。
地質的にもカルデラと名が付く位で、駒ケ岳に由来する火山脈に起因する温泉なのでしょうね。この強烈なアブラ臭は山一つ隔てた銀婚湯や上の湯温泉では感じられないので、それもまた道南界隈では一際異質な個性のある温泉かと思われます。
美食
正直ね、僕は森町に仕事で滞在するまで、この街の美食ポテンシャルを大分甘く見ていましたよ。何処で何食っても旨いのなんの。
数軒回った中でいくつかをご紹介。
お通しの段階で北海縞海老ついてくる店もある。
イカをワタと一緒にホタテの殻で炙るとかいう酒飲みには身悶えモノの料理。
つぶ貝のバター焼き、ちゃんとワタまで入れてくれて、ありがてぇありがてぇ・・・
見てよこの透明度。プリップリのコリッコリなんやから。
東京で食ったら一体いくらするんだよ・・・ってボタン海老も此処では安い。
ランチタイムはなんとこれで980円。右の辺りにきっちり松川カレイのエンガワ炙りが入ってる。
とにかく、森町は美味いものを上げればきりがない位に美食に満ちた町でした。
道の駅はショボいので、皆さん是非道南に来たら国道でスルーしないで街中で飲食してってくださいね。