温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

33・奥尻島 神威脇温泉

温泉

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施設外観。どーすかこの雰囲気ある建物。奥尻島は道内でもアクセスの困難な離島の一つ。此処まで温泉入りに来たマニアはそう多くはない筈。

 

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周辺環境はこんな感じ。この温泉は島の西側にあるため、フェリー乗り場から車で移動しないと来る事が出来ません。風の強い所であり、夕日と白波がとても綺麗でした。

 

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浴場はこんな感じ。露天ではないが、夕日を見ながら入る超高温の湯は格別でした。

当然の如くかけ流しで、熱すぎる場合は利用者が各自水で勝手に埋めてね♪って所も好感度が高い。ガッツリ系の塩泉。

 

成分分析書

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海沿いの湯だけあってやはり塩泉。カリウムが豊富な辺りはやはり海水の存在を感じさせる。北海道らしく、炭酸や炭酸水素イオンが豊富な所も特徴だ。硫酸塩も多く、身体が温まる成分は一通り揃っているという訳だ。

 

あと、見た目にも曝気した湯はかなり茶色くなっている通り、そこそこの鉄分も含んでいる。

成分総計は約12g/kg。

塩類泉としてはかなりバリエーションに富んだ湯なのではなかろうか。

 

概要

奥尻島と聞いても、何処にそれがあるのか知らない人も多いのではないだろうか?

北海道の中でも利尻や礼文と違い、本州民の認知感覚からするとイマイチ影が薄い感じがする奥尻島ですが、渡島半島の西側・・・地図上で云うと函館の左上の方にあるのが奥尻島です。

 

航路は江差奥尻、或いはせたな~奥尻の2ルートがありますが、函館民は比較的近い江差から向かう事が多いようです。

 

しかし、江差奥尻便は1日2便あるものの、それらは早朝と夕方であり、地味に行きづらいのがネックであります。

 

今回私は昼に出向するせたな便を利用して奥尻に上陸しています。せたな便は地味にお勧めですが、せたなは函館からだと異様に遠いのと、冬はやらないらしいので興味持った人は良く調べてから行くように。

 

さて、奥尻にある温泉はここが唯一のもののようです。

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フェリー乗り場から宿の送迎で島の裏側に向かいます。

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1周約40km位ですかね?裏の方に温泉の案内があるのが見えます。

近くには奥尻ワイナリー、航空自衛隊の基地などが存在し、この温泉は割と自衛隊の兄貴達にとっては数少ない娯楽の一つとなっているそうです。

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街の様子その①。これは東側のフェリーターミナル近くの様子です。

島で唯一のセイコーマートがあり、荒天で船が止まるとあっという間に食料が売り切れるのだとか。

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島の役場。The村役場って感じの建物はなかなか年季が入ってます。

こういう世間と隔絶した世界に来ると、インターネットの力って本当にすごいなーと思うんですよ。

ここではむしろネットはテレビの電波よりも頼りになるかもしれない情報源かと思うんです。テレビ屋さんもちょっとそういう所は意識した方が良いんじゃないでしょうかねー。

北朝鮮から難民が押し寄せた場合って、多分ここが最初に影響が出る地点なんじゃないかと・・・。だからこそ、自衛隊があるのだろうけども。

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今回泊まったのは奥尻湯ノ浜温泉ホテル緑館という施設。じゃらんで取れますが、このホテルも神威脇温泉と同じ湯が使われています。この写真はホテルの玄関からの景色で、敷地内には足湯が用意されています。

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この茶色っぽさは鉄分の多さを彷彿とさせ、析出物の多さはカルシウムイオンの豊富さを感じさせます。景色が素晴らしいので、足湯だけでも結構しんみりできる。

 

総評

大体書きたい事は書いてしまいましたが、成分総計12g/kgのうち、主要成分の大半が塩化ナトリウムです。約2割くらいがその他の成分になりますが、kg辺り12gという成分量はしっかり生理食塩水よりも濃い数値なんですね。

その為この湯はガッツリ系の強い湯という分類に当てはめる事が出来ます。

 

前述の通り、血管拡張作用のある炭酸系成分、そして強力に皮膚をコーティングする濃い塩類が含まれている事から、浴後はかなり汗が出ます。なにより、掛流しの浴槽はお湯の温度がめっちゃ高い。

もちろん、ホテルの風呂は初心者向けに適切に加水されていましたが、源泉マニアは是非この神威脇温泉の施設まで出向くべきでしょう。ホテルからも歩いて行けますので、奥尻ワイナリーと併せて立ち寄ってみるとよいだろう。

 

いずれにせよこの景色です。湯に浸かりながら見る情景は最果て感が半端なく、素晴らしい転地効果をもたらしてくれることでしょう。

 

美食

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ホテル飯。全体的にインパクトは弱く、あぁ・・・うん・・・。という感じでしたが、まぁ普通に旨かったですよ。時期が悪くウニとか生のものが手に入らない季節だったんですよね。行くなら初夏~真夏が良いと思います。

あ、生じゃないけど蒸しウニは絶品でしたね。

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個人的には奥尻ワインは白かロゼが美味いと思うのです。

このワインは島の限定品だそうで、刺身の類とも非常に相性が良かったです。

奥尻ワイナリーはホテルのすぐ裏手にあります。

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朝ごはん。まぁ、普通・・・かな。

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おまけ。せたなの海沿いにあるヤマヨ斉藤漁業の直売店で食べた海鮮カレーとアワビの刺身。アワビにはワタが付いており、そのまま食っても旨いけど、この濃厚なワタを敢えてカレーに溶いて食べてみたら悶絶する程美味かった。

ここはせたなに来たらフェリー待ちの時間にでも食べに来るとよいだろう。他にも地物の美味しい魚が食べれるぞ!

 

奥尻湯ノ浜温泉ホテル緑館 | 奥尻島観光協会

www.yamayosaitoh.co.jp

okushiri-winery.com