233・壁湯温泉 福元屋旅館
温泉
施設外観。そんなに山奥の秘境という感じではないが、道路からは見えづらい場所にあるため、なんとなく非日常感はある。
成分分析表
かなりぬるい単純泉。夏場はどうか知らんが、冬は加温が必須であろう。
本来はかけ流しで入れる温泉ではあるのだが、豪雨災害の影響で色々環境整備に苦労しているらしい。
概要
場所そのものは国道沿いにあるし、そこまで秘境でもないのだが、エリア的には充分秘境といえば秘境かもしれない。玖珠から筋湯温泉方面に向かう、温泉密集エリアの入り口みたいな場所にあります。
夜は割と冷え込みの強いエリアでもあり、周囲にあまり人もいないこともあってか、結構寒々しい感じ。
福元屋旅館は秘湯を守る会の宿でもあり、自家源泉を有し、それを守り続けている宿でもある。結構有名な温泉なので、聞いた事がある人も多いのではなかろうか。
建物は古い木造の和建築であり、通好みの温泉旅館でもあります。
総評
宿の入り口直ぐ傍にある貸切風呂。え、こんなところに?みたいな場所にある。
天井は低く、隠れ家感が半端ない。
照明も薄暗くしてあり、お湯の色はこれだと少し茶色画がかって見えるが、完全無色透明の単純泉である。滾々とかけ流してあり、あふれたお湯はそのまま目の前の川に放流される。
源泉かけ流しではあるが、明らかに36℃ではない。
多少の加温を経て給湯されているらしい。源泉タンクは恐らく宿の外にあり、多分、外の坂の上にあるのではないかと推測。離れにも温泉あるらしいからね。
壁湯の由来となっているのがこの温泉。豪雨災害からまだ復旧中であるが、一応入れる事は入れる。しかし元々の浴槽の多くが豪雨災害により流出してしまっており、今では洞窟温泉の一部のみが残るといった状態になっている。
天然洞窟の風呂はこの浴槽のみが現存しているが、源泉は洞窟からの湧出ではなく、右上のホースから加温したものを給湯するという形での提供となっている。温度的にはちょうど36℃くらいにしてあるため、再現力は高いとは思う。
渓流を見ながら長湯する事、プライスレス。
総評として、お湯の質自体はやや中性寄りの単純泉ということもあって、泉質勝負の温泉では無い事は明白である。300年という歴史と風情とロケーションを楽しむ為の温泉であり、温泉マニアではなく、非日常を得たい一般層に向けてお勧めしたい温泉である。サウナとかチャラい設備もないので、古風な宿が好みの方にお勧めしたい。
熱すぎない温度と隠れ家的な雰囲気は、リラックスするのに最適な環境ともいえる。とはいえ、連泊するにはなかなかお高い宿でもあるので、時折現実から目を背けたくなった時とかに来るといいんじゃないでしょうかね。
美食
基本は田舎料理。しかし漬物まで全てが手造りなのは流石。
イカ刺しかと思いきや、蒟蒻刺身だったのには驚いた。
超久々でしたよ、蒟蒻刺し。
馬刺しも少量ずつ付く。
おからと豆腐の和え物、あと自然薯の茶わん蒸しなど、田舎料理の神髄を見せられている感じ。
野菜の一つ一つが美味い。いつもイライラしてるホリエモンとか、こういうところで野菜食べて温泉浸かってリラックスしたらいいんじゃないですかね。(煽り)あ、でも人生効率にこだわる人っぽいから、こういうの楽しめないタイプかもね。(更に煽り)
鶏肉のつみれ汁。
山女の塩焼き。
茄子は皮がしっかりとしていて、身の張りを感じる。
天ぷら。自然薯の磯辺もある。
釜めしかと思ったら鳥鍋でした。
柚子胡椒を別途依頼した。
特筆すべきは白飯。ここは夕飯時に合わせて脱穀する所から仕込むらしく、米の鮮度がマジで半端ない。米粒の一つ一つの弾力や食感が素晴らしく、やっぱ日本人は白飯よ!という気持ちにさせてくれる逸品。
朝ごはんも完ぺきな布陣。こういうのでいいんだよ、こういうので。白飯が美味いので、それだけで幸せになれるよね。
少しお高い宿ではあるが、温泉のロケーションやら飯のレベルを考えたら、それだけの価値はある旅館でした。
温泉施設の復旧はまだ5割程度みたいですが、最近の異常気象で九州はやたらと雨が降るので、また大きな災害が起こらないとも限りません。
洞窟風呂もあるうちが華。
皆さん是非泊まりに行ってあげてほしいですね。