温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

144・然別峡 菅野温泉

温泉

f:id:sticknumber31:20200822201653j:plain

カンノミホ…。

施設入り口。

日帰り入浴は昼の12時からだそうですが、予め調べてから行くと良いでしょう。

HPでアナウンスされてますが、今回の入った経験から云うと、此処は日帰りよりも絶対に宿泊で利用すべき温泉だ。理由は後述する。

 

成分分析表

f:id:sticknumber31:20200822202250j:plain

10号泉・12号泉の湯。通称ウヌカルアンナーの湯。

「また会おうね。」の意味らしい。

f:id:sticknumber31:20200822202444j:plain

5号泉。ウヌカルアンノーの湯。

「また会おうぜ!」の意味らしい。

f:id:sticknumber31:20200822202642j:plain

2号泉。コンカニペの湯。

「金の雫」という意味らしい。

f:id:sticknumber31:20200822202758j:plain

7号泉。シロカニペの湯。

「銀の雫」という意味らしい。

f:id:sticknumber31:20200822202902j:plain

3号泉。波切の湯。

 

男湯だけで5つの源泉があった菅野温泉だが、

f:id:sticknumber31:20200822203137j:plain

温泉棟と宿泊棟と貸切湯、男湯とは別に女湯にも別の名前の浴槽があるので、おそらく全て個別源泉の湯だと思われます。今回は幌加温泉からのハシゴ湯であり、日帰り入浴だったので全てを見知る事は出来なかった。そういう意味で、ここは宿泊で利用すべき施設なのである。

 

概要

f:id:sticknumber31:20200822203655j:plain

この菅野温泉の紹介で、恐らく私の北海道での秘湯紹介は一区切りつくものと考えています。5年ほどかけて北海道は色々旅をして回ったが、このブログで紹介してきた中では大雪山系で最後の秘湯宿かと思われます。

トムラウシ温泉程ではないにせよ、菅野温泉もかなり山奥にあります。オソウシ温泉に比べるとまだ舗装路なので、車では行きやすい場所かもしれません。ここは経営者の高齢化により数年程前までは閉鎖状態でしたが、近年新しいオーナーの元で経営を再開したという経緯のある温泉です。

 

幌加温泉もそうですが、この手の秘湯は後継者問題が常々付きまといます。そういう意味で云えば、菅野温泉は良い経営者に恵まれたのではないかと思います。いずれも掛け流しの湯でありますし、源泉別に浴槽を分けてあるところとか、現オーナーの源泉への強いこだわり・情熱を感じるからです。

f:id:sticknumber31:20200822204855j:plain

宿泊棟は新築したという感じではなく、元あったものを改修してあるようです。

f:id:sticknumber31:20200822205050j:plain

ここが別料金の離れの湯です。幾稲鳴滝の湯というらしいが、恐らく貸切風呂かな?

入ればよかったんですが、この日は朝風呂(糠平温泉)→幌加温泉とハシゴ湯して、さらにここ菅野温泉の日帰り湯で5つの浴槽を入り回ったという経緯もあり、もう半分湯あたりしかけていたので断念。やっぱ泊りでこないとアカンね。

何にせよ、源泉多すぎじゃね?

f:id:sticknumber31:20200822205502j:plain

温泉棟の裏にはこのようにあちこちに源泉槽があり、資源の豊富さを伺わせます。

いや、資源が豊富なのは結構なんだけど、これって維持するのスゲー大変なんだよね・・・。なので、みんなもガンガン宿泊しに行って、ゼニ、落とそう?

f:id:sticknumber31:20200822205758j:plain

幾稲鳴滝の湯の近くに滝があったので、恐らくこの滝に混じっているのが鳴滝源泉だと思われます。茶色く鉄の混じった色をしていますね・・・。

 

源泉以外にも池やら坂に色々と名前が付いていて、遊び心が感じれましたね。

ゼルダの伝説の小さい村みたいな感じ。

 

総評

f:id:sticknumber31:20200822210821j:plain

開店直後の一番風呂ゲットで他に客が入る前に撮影成功。

奥までは流石に遠慮しましたが、手前にあるのがウヌカルアンナーの湯。

洗い場の右奥にはウヌカルアンノーの湯があり、奥の階段を下っていくとコンカニペの湯、シロカニペの湯、波切の湯があります。

 

源泉数が多いので総括での評価ですが、全体的に似た泉質なんですよね。

基本はナトリウム/塩化物・炭酸水素泉。

これにそこそこの炭酸ガスと、微量の鉄分&硫化水素が含まれた湯です。

 

しかし見た目がそれぞれ異なっていまして、コンカニペは金の雫の名の通り、茶色い濁りが見える湯でした。一方でシロカニペも茶色くはないが、銀の雫?って程の透明度は無く、波切の湯も似たような薄茶色の濁りのある湯でした。

 

対照的に、写真にも写っているウヌカルアンナーの湯は最も鉄分が多いにもかかわらず透明で、同じくウヌカルアンノーの湯はより透明度がハッキリとした湯でありました。

 

いずれの源泉もイオン型の硫化水素を含んだ湯ですが、pHがそれほどアルカリに傾いてない為か、鮮やかな緑色を呈するような感じはなかったです。濁り湯の方は光の加減によっては緑色に見えなくもないか?

 

源泉自体はどれも50℃前後と熱いわけですが、これら湯の色の違いに関しては流量の影響もあるのかもしれない。ウヌカルアンナーの湯は極少量ずつ源泉をフローしているためか、お湯はかなりぬるめに設定されていて心地よかった。前述の通り、この湯は最も鉄分が多いにもかかわらず色が透明で、代わりに浴槽の壁に茶色い付着物が見て取れた。対照的にウヌカルアンノーの湯は鉄分を含まないので浴槽壁も含めて全くの透明で、階段奥にある他3湯に関してはいずれも一般的な鉄泉らしい茶色っぽい濁りが見て取れた。

 

強塩泉という程の塩分はないが、いずれも豊富な炭酸水素イオンと炭酸ガスを含んだ温泉で、泡付きはそれほどでもなかったが、血管拡張作用としては充分な作用があったように思う。この日は既に3回目のハシゴ湯だったため、効果の実感に関しては既に他のハイスペック温泉の影響を受けていた事から、ハッキリした事は口にできないが、スペック的には申し分のない泉質だと思われる。

 

水風呂が無かったので水シャワーを浴びながら交代浴を行ったが、個人的には一番ぬるいウヌカルアンナーの湯が低負担でお気に入りとなった。

既に湯あたりしかけていたからしょうがないね。

f:id:sticknumber31:20200822213352j:plain

館内はこんな感じで、浴室同様に温泉棟もリニューアルされて大変キレイな環境になっていたので、初心者にもお勧めの秘湯といえるだろう。

 

美食

f:id:sticknumber31:20200822213455j:plain

ここでは宿泊していないので、鹿追町に戻って昼ごはんとして蕎麦寿司というものを食べてみました。

まぁ鹿追町新得町の隣だからね。蕎麦は美味いっしょ?という動機です。

 

写真の通り、茹でた蕎麦を海苔で巻いて酢〆にした料理です。不味くはないんですが、酢で〆ると蕎麦の風味が飛んじゃって、なんかもったいない感じしましたね。蕎麦は普通に食べた方が美味いかもしれん。まぁ、珍しい料理ではありますので一応の紹介にしておきます。