温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

143・幌加温泉 鹿の谷

温泉

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施設がいか・・・ファッ!?

幌加温泉に唯一残る鹿の谷という旅館には常に鹿がいる。

やけに人を恐れないので、もしかして餌付けされてるんじゃないかな・・・。

 

成分分析表

不明。というか、何処かにあるんだろうけど掲示してなかったですね・・・。

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その代わりに脱衣所に掲示してあったのがこれ。

ナトリウム泉、鉄鉱泉、カルシウム泉、硫黄泉の4源泉があるらしい。

いずれも自然湧出とか色々オーバースペックな温泉。

 

概要

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北海道住んでると色々感覚がマヒしてくるわけですが、割ととんでもない所にありますよね、この幌加温泉。大雪山の南側に位置しており、冬は積雪的にはどうなんだろう?まぁ山沿いだから降る事は降るんでしょうね。層雲峡とかに比べると少なそうですが。

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今回この幌加温泉は前回の糠平温泉の帰りに立ち寄ってみた温泉なんですが、来るのは3度目です。この旅館は耳の全く聞こえないお婆ちゃんが運営しており、休業してる場合も多い。営業していても難聴のお婆ちゃんに気付かれず入れてもらえない場合もあるのだ。過去3度来て、入れたのは今回が2回目。そんなギャンブルな宿です。

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筆談で会話するしかないお婆ちゃん用ホワイトボード。

この温泉も近々入れなくなる日が来るのかねぇ・・・。

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宿の周辺には数頭のエゾジカが跋扈していて、時折キタキツネも現れます。

なんというか、生活圏がもうサファリパークみたいなところね。

鹿を狙ったクマが出たらどうしよう・・・ってなるよね。

 

総評

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浴室は完全混浴です。脱衣所こそ男女別ですが、辿り着くのはこの浴室。手前から

1.ナトリウム泉

2.鉄鉱泉

3.カルシウム泉

という並びで湯が張られています。

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これがナトリウム泉の浴槽。

美しい白い結晶が浴槽を覆っています。一体何のナトリウム塩なのか気になる所ですが、北海道であるという事を考えると、やはり重曹と塩化ナトリウムベースの湯なのではないかと思います。味はそれほどしょっぱくない。白い結晶はカルシウム塩だとは思いますが、石膏のように刺々しい結晶には見えませんでした。

源泉は恐らく50℃以上の熱い湯ですが、少量フローで比較的ぬるめの温度だった。浴感もクセが無く、総じて入りやすい泉質だと思う。

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続いて鉄鉱泉ですが、見た目にも鉄を含んだと思しき茶色をしていますね。

しかし鉄泉という割にはお湯自体は透明で、浴槽の色が茶色なのが若干気になったところ。最初、元々そういう色の浴槽なんじゃねーの?と思っていたのだが、よく見ると浴槽の底に青いタイルの名残が見受けられ、やはりこの茶色い浴槽は温泉の成分が浴槽そのものをコーティングして出来上がったものだと思われる。茶色い結晶が張るって事で、やはり鉄泉といえば鉄泉なのだろう。

 

温度的にはやや熱め、42℃位?しかしこれも際立ってクセがある湯ではなく、入りやすい泉質だと思う。塩味も少ないので、恐らくは低張泉。

 

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続いてカルシウム泉。見た目も浴感もナトリウム泉に非常によく似ているが、こちらの方がカルシウムイオンが豊富なのか、浴槽の底で決勝が波打っているのが判る。浴槽の縁部分も結構しっかりとしたカルシウムの結晶がコーティングしており、恐らくこの浴槽も鉄鉱泉のように元はタイル張りの浴槽だったのだろう。

浴感はそれいずれもあまり差が無く、これも低張泉だと思われる。源泉温度は恐らく50℃以上で、熱い。浴槽温度では恐らく42~43℃位。

 

いずれのお湯もヌルヌル系というよりはキシキシとしたミネラル感を感じさせる温泉であった。スタンダードな塩類泉らしい浴感。

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各浴槽の表示はこんな感じ。

うーん、全部源泉から殆ど離れてない掛け流しで、贅沢な温泉だと思う。

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露天には硫黄泉が張られている。仄かに硫化水素の香りがして、イオン型の硫化水素も含むのか、色も若干緑がかっている。硫黄分を好む藻も生えており、石灰華らしき塊が出来ているのもポイントが高い。

開放感があって良いのだが、手入れはあまり行き届いてないので、もう半野天風呂状態です。藻やら虫の死骸と格闘しながら入る事にはなる。

というか、熊が出てこないかちょっと怖い。ヌルヌル感もあるのだが、藻のヌルヌルなのか成分のヌルヌルなのかよく分かんない辺りが評価に悩む。

 

ともかく、自噴の源泉を4つも掛け流しで味わえるというのは温泉マニアとしては至上の環境なんだけども、やはり宿泊で利用しないと日帰りではここの湯は堪能しきれないね。湯治宿らしく、食事なしの素泊まりのみらしいですが、意外に連泊で泊まり込んでいる人もいます。

 

此処は確かに結構な山奥にある秘湯なのだが、車があればアクセス自体はさほど難しくない。耳の聞こえないお婆ちゃんを心配してか、温泉好きの若い人も結構頻繁に様子を見に来ているようです。コロナ騒動のこのご時世、顔見せに行くのはあまり良い事ではないのかもしれないが、まぁ耳の聞こえない婆ちゃんだけで回してるってのは心配っちゃ心配ですよね。家族もいるに入るっぽいですが、火の始末とかね・・・。

 

美食

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朝飯食べた直後だったので以前来た時の写真で濁します。

幌加の隣には三国峠の手前に十勝三股って駅があったらしいんだけど、そこの喫茶店の食事を晒しときます。以前も載せたかもしれんな。

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形成肉ステーキ丼とサラダ。

形成肉といっても和牛なので、まぁ普通に柔らかくて美味い。

ハンバーグみたいなもんやね。