62・愛山渓温泉
温泉
施設外観。冬場は雪に閉ざされ、閉館となる。
館内はこんな感じ。簡易宿泊施設って雰囲気。主に登山客向け。
贅沢に湯が注ぎ込まれている給湯管。湯はうっすらと白く濁っているのが分かる。
源泉は44℃。加水は無く、入るのに最適な温度なのである。
成分分析書
微妙に硫化水素の存在もあるようだが、此処は硫黄で白濁しているわけではない。
重曹とカルシウムがあるので石灰水の色?かとも思ったが、そこまでカルシウムイオン自体が豊富という訳でもないような・・・。或いは何らかの有機物かもしれない。
トムラウシ温泉と同じく自噴である事もそうだが、さらに源泉温度が入浴に最適な温度である事にも注目してもらいたい。これらが揃う温泉はなかなか無いのよ。
概要
今回紹介する愛山渓温泉は、前回紹介のトムラウシ温泉とは大雪山を挟んで真裏にある秘湯です。
此処は学生時代にも一度来ようとした事があったのだが、5月のGW期間中でも閉鎖中だった為に断念した経緯があります。
元々熊討ちの猟師が見つけた温泉だそうで、旭川から国道39号を層雲峡へと向かう途中で安足間(アンタロマ)川沿いに鬱蒼とした樹海へと車を進めるとこの温泉に辿り着けます。
国道からも結構距離があるので、ガソリン残量には注意すること。
また道中はキタキツネほか様々な動物が高確率で出現するので、運転も油断しない事。
安足間川と道道223号。舗装はされているが、途中から荒れた道になる。
総評
一言で云うと泉質面では道内でも最上位に入る素晴らしい温泉。
豊富な雪解け水を抱える大雪山系の温泉はあちこちで自噴の湯が出ているが、トムラウシ温泉は高温すぎる為に加水などの調整が必要となる一方で、此処は入浴に最も適した44℃での自然湧出となります。
前述の通りこの条件を満たす温泉は滅多になく、ここで紹介した温泉では
この標茶温泉などが該当します。
源泉が加水も加温もなくそのまま放流されているという点において、湯の鮮度が抜群に良いのがこの温泉の一番の特徴であると云えるでしょう。
成分的には温まりの良い硫酸塩泉であるが、陰イオンとしては炭酸水素イオンの割合が多く、そこそこ炭酸ガスも含んでいるので非常に血管拡張作用の強い温泉でした。
筋肉をほぐす効果のある重曹・炭酸系の温泉は足を酷使する登山客にうってつけの温泉と云えるでしょう。
自噴とはいえ、源泉は浴槽に入るまでに配管を伝う過程で多少は温度が下がるものであるが、ここは湯量が豊富なため、殆ど温度低下はないように感じました。
ガツンとキマる熱さ。
風呂上りに山の冷水でさっと身体を締めれば、気分はもう最高ですよ。
あぁ^~たまらねぇぜ。
美食
愛山系の山荘でも軽食はやってたんですが、この日は層雲峡で食べました。
ざる蕎麦と豚丼のセット。蕎麦は流石に道北地域だけあって美味い。
蕎麦道を突き詰めるなら幌加内とか士別辺りで食うと外れないですよ。