119・オホーツク温泉(標津川温泉)
温泉
施設外観。場所はホテル楠の裏にあってちょっとわかりづらいが、看板は出ている。
成分分析書
よくよく見ればパーフェクトスペック。
源泉44℃、pH9.1、透明な単純泉・・・。
海の近くにある割にこれほど美しい湯が出るのは驚きです。
概要
敢えて広域地図にしてみましたが、もうホントに最果てやな・・・。
標津川を有する標津はサケの遡上地点として重要なエリア。
手付かずの自然が残っていて、北海道の中でも特に景色が美しいエリアです。
この辺りの温泉は標津川温泉等と呼ばれているわけですが、ここは源泉名がオホーツク温泉となっている。
標津から少し下って野付半島の内海に至ると海そのものが凍り付いていて、氷の厚いエリアではテント張って釣りしてる人も見受けられた。
凍り付いた湿地帯や川がとても幻想的。氷は乳白色を呈していて、ポコポコと気泡の抜ける音だけが静かに響き渡っている。
あと標津と言えば標津サーモン科学館。
サケ類の繁殖など資源維持に関する研究が行われてます。まぁ冬は閉館してますけどね。
総評
浴場はシンプルな中央浴槽型。若干TOUHOKUスタイルか?奥にあるのは水風呂。
施設にはボイラーもあったようだが、恐らくカラン用で源泉はそのまま掛け流しと思われる。
44℃は理想的な温度であり、ちょっと熱めに感じるお湯の温度である。
色は御覧の通り美しい透明な源泉で、その香りに土臭さもない。
pHは9あるアルカリ性泉で非常に皮膚洗浄力が高いため、風呂に入った瞬間ツルツル感が分かる。
まさかこれほど海に近いエリアでこのような透明な単純泉が出るとは思わなかった。
これほど海が近いと水源に海水が混じる事が多い為、塩類泉が出る事が多いのだ。
熱源はこれ・・・知床系列の地熱なんですかね・・・?
そういえば標津川沿いに設置されたサーモン科学館には淡水の湧水がありましたね・・・。ここの温泉の美しさは、手付かずの自然が残る標津川によって齎されているんでしょうね。
美食
標津と言えばシャケ。以前も載せたサーモン科学館のイクラ丼と、
同じく近隣の食堂で食べたイクラ丼。ホタテの刺身がついて1500円。
個人的にはサーモン科学館の方がうまかった。
シャケのちゃんちゃん焼きなんかもあるみたいなので、今度はそれを食べるのも良いかなー。
118・ルルラン温泉
温泉
大浴場の様子。一見して湯が黒いのが分かる。
成分分析書
源泉49℃、動力揚湯であるが毎分400Lと湯量は豊富。
ふんだんに掛け流しされている。
概要
ルルラン温泉を有しているのはホテル・テレーノ気仙というビジホで、場所はちょうど標茶の市街地にあるホテルです。
旅館としての歴史は相当古いらしいのですが、恐らく温泉を後から掘りあてて温泉ホテルとして細々と経営を続けているようです。
風呂は日帰り入浴で地元の方にも公開しており、住宅街の中にある事もあってか、地元の人も結構入りに来ているようだ。朝風呂もやっており、早朝から地元客でにぎわう。
なお、深夜からは宿泊客専用の風呂として夜通し使えるようになる。
ちなみに標茶ってどんなところ?と聞かれたら、近隣にはこんな感じで野良タンチョウヅルがウロウロしているようなエリアです。独特の鳴き声を聞いた時に、あぁそういえばゴールデンカムイのアニメでアシリパさんが釧路湿原で歌ってたやつっぽい・・・仄かに特徴を捉えた歌がアイヌに伝承されている模様。
こればっかりは実際に行ってみないとわかんないよね。
総評
底知れぬこの黒さがこの標茶界隈に湧くモール泉の特徴。
が此処の姉妹温泉にあたるわけだが、あちらは自噴である事から、温泉の「格」という点ではやはり標茶温泉の方に軍配が上がる。あれは本当に素晴らしい。
とはいえ、このルルラン温泉も泉質的にはほぼ標茶温泉とは変わりないスペックのモール泉であり、こちらも標茶温泉同様に浴槽に座ると尻がツルっと滑って転びそうなほどのツルツル感のある良泉である。
これは露天風呂の入口付近の写真であるが、湯出口が過ぎ近くにある為、湯が泡立っているのが見受けられる。この泡立ちこそが湯の粘度を象徴していて、液中に有機物が含まれているモール泉の特徴と言ってもいいだろう。
標茶温泉に比べて敢えて利点を上げるとするならば、ルルラン温泉にはこの露天風呂があると云う点か。
この時期は夜になると外の気温はマイナス10℃を下回り、露天風呂は最高の温冷交代浴となる。濡らしたタオルを振ればあっという間にカッチンコッチン♂に凍り、遮蔽物のない平原に佇むこの施設から見る空は、まさしくプラネタリウム。敢えて照明を控え目にしてあるのもポイントが高い。
さて、浴感という意味ではやはりアルカリ性モール泉特有のツルツル感が最も印象的であり、美肌効果と浴後のコーティング効果が見込めるのが最大の利点と言えるでしょう。浴後は塩類泉程の火照りはないが、じっくり入れば芯まで温まる事の出来る温泉だ。
美食
素泊まりだったのでなし!
117・霧多布温泉ゆうゆ
温泉
施設外観。施設は高台の上にあり、風も強く冬場はかなり寒い所にあります。
観光施設でもあり、人もいる事から風呂場の写真は撮れず。
成分分析書
若干量の塩分があるので一応温泉区分だが、源泉は11℃とかなり冷たい。
いわゆる冷鉱泉である。
概要
霧多布温泉がどういう所なのかというのはもう地図を見てもらった方が早いと思うが、このように根室を目と鼻の先にした北海道の中でも最果ての部類に入る地域です。
読み方が分からない人もいると思いますが霧多布とかいて「きりたっぷ」と読みます。
霧多布岬という突き出た半島が橋で繋がっており、浜中町の役場はこの島の中にあるのです。拡大してもらうと解りますが、なかなか面白い地形していますよね。
周辺ではこのように哀しくなってくるような美しい景色が目を引き、気温も氷点下10℃以下がザラであるエリアです。東の果てにある事から日が暮れるのも非常に早く、夕方4時前の時点でもうこの有様です。
琵琶瀬展望台は浜中町と霧多布湿原が一望できるので是非一度行っていただきたい。
同じ琵琶瀬展望台から見た霧多布湿原。道路も通っており、湿原の中を車で走り抜ける事も可能です。気温が特に低い日は妖しげな霧が立ち、幽霊が出そうな気配になります。
霧多布岬から左手側を見ると、根室の納沙布岬らしき陸地も見えます。
最果て感が半端なく、演歌の一つでも流れそうな気配。
アゼチの丘からはこの霧多布岬が陸地と繋がっているポイントを見る事が出来ます。厳密には橋でつながってますが、一応半島になるみたいですね。
霧多布自体がちょっとした小島のような地形になっていて、何とも不思議な場所です。
霧多布湿原は湿地帯ですが御覧のように冬場は完全に凍結します。
川の上を歩いた動物の足跡なんかも見受けられますね。
総評
さて、霧多布温泉は特性としてこの霧多布岬を見に来た観光客と地元の漁師の身体を癒すために造られた両目的の施設であり、施設自体は結構キレイな設備です。
温泉はというとスペック上は冷鉱泉であり、無理矢理掘って温泉にしたって感じがまぁあるっちゃあるのですが、微かに黄色がかった透明なお湯です。
成分は薄く、土の匂いは微かではありますがありました。温泉感、という意味では少し物足りない湯ですが、このエリアは他に公共浴場もないので、存在してくれるだけでもそれなりにありがたい施設だなとは思います。
なんせ厚岸から50km位離れてるのに、休日はわざわざ入りに来る人もいますからね。
霧多布温泉は設備の電源をこの風力発電によって賄っている点も特徴です。
温泉施設にしては珍しく、サウナも「霧」を使ったミストサウナにしてある辺りも地域の特徴を出しているポイントかも知れません。
実はこの浜中町はモンキーパンチの故郷でもあり、霧多布温泉の施設内では限定のルパン三世グッズが買えます。農作業服を着たルパンやら五右衛門が見られるのはこの霧多布だけ!
キーホルダーやエプロン、Tシャツなど限定グッズが買えるので、ルパン三世ファンの方は一度来ておくべき施設なんじゃないでしょうかね?
北海道の温泉で欠かせないのが地元の牛乳です。
ここにもちゃんとありました、地元のノンケ(ノンホモ)製法の牛乳。
この時飲んだのは甘くて美味しい、フルーツ牛乳でした。
温泉のスペックとしてはまぁアレなんですが、施設の充実っぷりを見るとなかなかいい所なんじゃないの?とは思いますね。
美食
敢えて浜中で食べたわけではないのですが、この辺りと言えばやはり牡蠣かな、と。
この辺りに来ると牡蠣は通年通していくらでも食べれます。冬場は特に身が張って美味いんですよー。あぁ^~たまらねぇぜ。
あと、牡蠣と言えば厚岸のコンキリエで最近話題の地元ウイスキーと一緒に食すことができます。左手側の初回作はノンピートで、溶剤感のある皿とした舌触りのウイスキー。右手側の二作目ピートはこれに比して幾分スモーキーであり、牡蠣には絶妙に合う代物。
厚岸ウイスキーは最近首都圏からも買い付けの業者が来るそうで、買うと高いらしいですよ?
牡蠣以外では近海物のシシャモ。ちゃんとした真シシャモは普段都市部のチェーン店で樺太シシャモに慣れた人が喰うと目から鱗が落ちるくらいに美味い。
あとは根室のタラカマ天。タラのすり身を使ったカマ天ですが、これを網で炙って頂くとこれがもう何とも、お好み焼き食ってるみたいな甘さと旨味で最高なんですよね。焼酎にメッチャ合う。
これは北海道物産展とかでも買えそうな気がするので、都会の社畜の皆様も是非新宿とかのデパートで探してみてはいかがだろうか?
116・緑の湯(清里町緑町)
温泉
施設外観。町民の為のちょっとした憩いの場という感じだ。
内部は休憩所はあるけど食堂はない。・・・が、出前は受け付けているらしい。
浴場入り口の画像。露天と内湯は繋がってない。
成分分析書
詳細なスペックを記した表が無く、とりあえず泉質だけはわかる。
高温泉との事だが、あまり熱い湯という印象は無かった。
概要
緑の湯というのはその名も斜里郡緑町という所にある小さな温泉で、もう廃線不可避の釧網線の緑駅の割と近くにある施設です。
周囲にはごく小規模の集落とあとは農地しかなく、北東を見ると雄大な斜里岳が佇んでいる。パッと見マジで何もない。
税金を投じて造られたと思われる比較的キレイな施設ではありますが、そもそも計画段階で観光に使う気がゼロって感じの立地にあり、国道から逸れて住宅街の中を少し入って行かないと辿り着けないので、カーナビで指定しない限りまず立ち寄る事は無いでしょう。完全に地元住民向けの施設です。
休憩室はいかにも食堂という感じだが、食堂は併設されておらず、出前用のメニューがテーブルに置かれている。
総評
成分分析書の表示が詳細でないので、あくまで入浴感での評価になりますが、この緑の湯って以前も札幌の「天然温泉・緑の湯」
って温泉を紹介した事があるんですが、見た目も匂いもそこにかなり近いという印象でした。たまたまなのかどうか判りませんが、薄めのモールを含んだ塩類泉であり、匂いもなんだかとても近い印象を受けた。
露天風呂の色は少し茶色が勝っていることから、若干のモール成分を含んでいる事が判る。アブラ臭は無く、仄かに土の匂い。
高温泉という事だからその辺は札幌の緑の湯とはハッキリ違う点である。加水しているとの記載はないが、どの浴槽も適温に維持されていたので、やっぱり温度管理の為に多少の加水しているのではないかと思う。熱めの浴槽はしっかり熱めでした。
ちなみに浴感も可もなく不可もなく・・・。特段尖った印象はなく、こちらも札幌の緑の湯に非常に似ていたように思う。
ただ、ちゃんと塩類泉らしく浴後は普通の風呂よりは確実に温まります。
美食
少し離れますが、東藻琴にある道の駅ノンキーランドで食べた地元和牛を使ったステーキセット。1000円ちょっとだったので安い!これにライスとみそ汁が付きます。
最近は道の駅も充実してきているので、道東も旅行しやすくなりましたね。
115・士幌温泉
温泉
施設外観。道の駅しほろ温泉の施設でもあり、宿泊も可能。
成分分析書
源泉は混合泉で約50℃ある。温度は充分だが少し熱いので加水かな。
薄い塩化物泉だが、ここは十勝の温泉らしくガッツリモール泉。
概要
わかりますかね、士幌の位置。
位置的には帯広の少し北に位置していて、狙って来ないとまず立ち寄る事のない農村地帯ですね。近くには然別湖があり、菅野温泉など秘湯も多いスポット。
帯広の杉右手側にはモール泉で有名な十勝川温泉があり、この士幌温泉も地質的に同類の温泉に含まれるようです。
総評
浴場入り口から見た写真。
道の駅にある事から、設備は近代的で実に使いやすい。
しかし公共性の高い施設って事で
「どーせ加水に加温・循環したなんちゃって温泉でしょ?」
等と思っていたんですが、実はそうじゃなかった。
内湯は循環方式なんでしょうが、露天は結構熱めの源泉がふんだんに掛け流しされていた。モール泉特有のツルツルとした肌触りがあり、液面も有機物特有の泡立ちが確認され、大変優良なモール泉だと云う事が判る。
まーなんといっても寒い地域に熱めの露天ってのが最高の組み合わせで、外の風で身体を覚ましながら何度か浸かったり冷ましたりして実に最高の入浴を堪能する事が出来た。
何しろホテルの風呂という事で、水風呂などその他のお風呂もキッチリ完備されているので、ふらっと立ち寄った割にはかなり高評価となった温泉でした。
身体の冷えやすいオソウシ温泉の後に立ち寄ったので、皮膚コーティング作用の高いモール泉は浴後の保温効果がとても高く、比較対象としても興味深い経験を得る事が出来ましたね。
美食
道の駅ピア21しほろで食べた軽食。
右はトウモロコシを使った甘~いとうきびまん。滑らかな舌触りで、変わり種の中華まんでしたね。
中は士幌牛のメンチカツ。レストランにあった士幌牛のステーキを食べる程は腹減ってなかったので、メンチカツで堪能。肉汁じゅわーで美味かったンゴねぇ・・・。
そして左が地元の農業高校の学生が開発したというシーベリーソーダ。クッソ酸っぱいビタミンC炭酸飲料って感じだが、実際シーベリーというのはビタミンCはがかなり豊富な植物らしい。
これは温泉入ると体内のビタミンCが壊れるから、風呂上りに飲みたいね。
114・天間林温泉
温泉
施設外観。溢れたお湯は融雪に使っており、猫も足を温めに来る。
青森県は温泉のレベルが日本全国でもトップクラスに高い。
源泉掛け流しへのこだわりはガチ。
成分分析書
成分の薄い単純泉で、源泉温度44.2℃。
このスペックがあるからこそ、自由に掛け流しが可能なのだ。
概要
天満林温泉はちょうど八戸と青森市内の中間に位置する温泉で、特段温泉地、という雰囲気はなく町の中にポツンとある公衆浴場という風な温泉である。
もう目と鼻の先に青森がある感じだが、この辺りはまだ峠の東側なので青森市内に比べるとまだ雪は少ない。
これは同じ日の黒石の様子。八甲田を挟んで西に行った途端この有様よ。
青森はマジで雪が多い。北海道以上に多い。
天間林温泉の浴場はこのように脱衣所からガラス張りで浴場が見えるという、古き良き伝統的TOUHOKU-STYLEな温泉。
貴重品は貴重品ロッカーに預けるべし!
中も一般的な銭湯設備で、両サイドの壁側にカラン、中央に高温・中温・低温の温度別の浴槽、中温浴槽は広めでジャグジーと電気風呂もここにあり、この他にサウナ、水風呂、うたせ湯もある。
総評
湯治場でもない天間林温泉は全国的に見てもかなりマイナーな温泉の部類に入ると思うのだが、一流の温泉が揃う青森の中にあってここも相当レベルは高い。
高評価のポイントはいくつかあるが、順にあげていくと・・・
1.透明な単純泉
→モールなどの濁り成分が無く、見た目の美しさが高い。
2.湯の鮮度がいい
→源泉が44℃であり、入浴に丁度適した温度のため、加水したり貯留する事なくそのままカランにも浴槽にも注がれ続けている。そのため、香りも良い。
3.ツルツルとした肌触り
→これぞアルカリ性泉!という感じの程よいツルツル感。美人の湯って感じがする。
4.湯あたりしにくい
→温度別にいくつかの浴槽が用意されていて、とてもぬるい浴槽もある。交代浴でゆっくり長く風呂に入る事が出来て、それでいて負担の少ない単純泉なので長湯しても湯あたりしにくい。
このように、天間林温泉は設備的にもそのスペックを最大限に活用できる風呂が揃っている。野球で例えるなら、変化球ではなく球に伸びのあるストレートって感じの温泉だろう。
温泉として王道であり、万人受けする泉質。実に素晴らしい。
美食
浪岡で食べたアップルパイ! 叩け!
アイスはラムレーズン、良い匂いでつらい!
流石にりんごの国だけあって、アップルパイ超うまいよ。
113・札幌あいの里温泉なごみ
温泉
施設外観。中は軽食なども食べれるがかなりこじんまりとした施設。
大衆浴場につき風呂の写真は無し。
成分分析書
割とぬるいけれども38℃はあるので、まぁ温泉っちゃ温泉の部類に入る。
そのままだとかなりぬるい湯になる為、実際は加温しての提供です。
概要
札幌市の北の外れ、あいの里にある小さな温泉。
あいの里は札幌北区と石狩郡の境目にある閑静な住宅街で、郡境の石狩川が直ぐ近くを流れていて札幌市の中でも特に雪が多いエリアになります。
川を渡ると廃線が決まっている札沼線が北海道医療大学駅を終点に止まり、その先は道内でも有数の豪雪地帯である石狩平野が広がっています。
いわゆる石狩空知ってエリアね。
元々このあいの里には温泉は無かったんですが、どうやらこの十数年くらいで掘り当てたようですね・・・。まぁ、近くには石狩太美のふとみ銘泉やモエレ沼温泉もあるので、元々掘れば出る地質ではあった模様。
総評
初めてあいの里温泉に入って驚いたのは、その塩分の濃さでした。
成分総計34.12g/kgはほぼ海水に匹敵する塩分濃度ですし、加温や消毒はあっても加水は無しで給湯されている。
塩分が濃いため湯には塩類泉特有のとろみがあり、黒みがかった湯は石狩番屋の湯と比べてもモール質が濃い事を伺わせる。本当は石狩太美の温泉も同じくらい濃いモール質なのだが、今は加水があるためか色が以前より大分薄くなっていたので、ここは加水無しでの提供が目に見て判る温泉だと云える。
塩類泉特有のとろみと述べたが、モール泉にありがちな有機物を感じさせるとろみとは全く違う。モール泉のとろみは豊富な有機物がアルカリ液性と反応して湯に泡が立つが、強塩類泉では表面張力が下がる為、このあいの里温泉はモール泉でありながら湯に泡は立たない。重曹成分(炭酸水素イオン)は豊富なのに、pH7.2と液性が中性なのも特徴だろう。
強塩泉とモール泉の両方の特性を持っているため、風呂上りは驚くほど汗が噴き出す。私個人の目から見ても泉質は申し分なく、札幌市内の温泉としては珍しくパンチ力のある温泉だと感じたが、建築に際し色々と制限が掛かったのか、施設規模は小さく浴槽も脱衣所もこじんまりとしているのがネックと言えばネックか。
美食
石狩川沿いにはこのあいの里温泉を挟んで上流に太美温泉、下流には石狩番屋の湯があるのだが、それぞれ濃さは違えど似た特性を持っているので是非入り比べてもらうとよい。
さて、その石狩番屋の湯の近くには佐藤水産のサーモンファクトリーという施設があるわけだが、
時期を見て、新物のイクラが出たタイミングでレストランで食べた一品です。
最近、スーパーの総菜や関東圏の安い回転寿司屋では粒の小さな鱒子イクラばかり出回っていますからね。
やっぱり食べたくなるでしょう?本物が。
噛むとプチプチいうんですよ、新物のイクラは。