89・ 貝取澗温泉
温泉
施設及び風呂の写真が無かったので、アワビ養殖場の写真で紹介。
貝取澗(かいとりま)温泉はその名の通り、貝が取れる澗にある温泉です。
成分分析書
それ程濃い湯ではないが、見た目は赤黒く小豆のような色をしていた。
知覚試験では無色透明とあるので、時間と共に色が変化するタイプか、或いはその日の状態で色が変わる温泉なのだと思われる。
ホテルであるため、塩素消毒はやむ無しだが、循環はせずに掛け流しに拘ったという姿勢は評価したい。
総評
場所わかりますかね?北海道の丁度首根っこ。
追分ソーランライン沿いにある小さな温泉地です。函館からだと車で約2時間くらいですかね・・・。結構辺鄙な場所にあります。
施設写真を残してなかったのでアワビの養殖地の写真を載せましたが、あの施設はこの温泉施設の直ぐ近くにあるエゾアワビの養殖場であります。
周囲はこんな景色で、奥尻島が目と鼻の先に見えています。
バイクでツーリングしたらさぞ楽しい事でしょうな・・・。
まぁ元はアイヌ語由来の地名なんでしょうが、貝取澗温泉はその名の通り貝の取れる澗地という事で、現在ではこのエゾアワビの養殖地として名を馳せています。
ここのエゾアワビは関東圏の高級旅館や料亭にも出荷されてたりするそうで、まぁ高級食材としての地位を確立しているようです。
総評
お湯の写真を残してなかったのが悔やまれますが、ここもまた北海道らしい濁りのある炭酸水素塩泉です。成分分析書では無色透明となっているが、恐らく鉄分と思われる赤茶けた色を呈しているのが特徴的でした。
浴槽周辺にはカルシウム塩と思われる無数の結晶が棘のように発生していて、濃度こそ違いますが雰囲気的には八雲の上の湯温泉に近いモノを感じました。普通の鉄泉というよりは、なんか小豆みたいな赤っぽい茶色だったので、土の色も混じってるのかな?
入浴感は標準的な塩化物泉で、そこまで塩分自体は濃くないので、肌にチクチクと刺激的な感じは一切無く、比較的入りやすい湯のように思えた。しかし濁り湯として独特の土っぽい匂いはするので、苦手な人は苦手かもしれない。
ホテルの風呂という事もあって、浴場は設備的にも充実していました。
まぁ、都会の高級ホテルのようなのを期待されるとそれはちょっと・・・って感じですが、充分不便はないレベル。日帰りの地元客も入りに来るし、そこはしょうがないでしょうな。
露天風呂からの景色も開放的で、温泉成分で赤茶色に染まった岩風呂はなかなかに圧巻。場所もかなり辺鄙な場所なので、遠くから旅に来た人は濁り湯から漂う秘湯感と、夕飯に振る舞われるであろうアワビも相まって、テンションも上がる事間違いないでしょう。
美食
以前も載せた事あるかもしれませんが、ここはアワビを食いに来るところです。
アワビ尽くしの夕食の一例。
エゾアワビは完全陸上養殖なのか、あまり大きなサイズではない。
このアワビとかいう生き物もハンチョウ大槻に云わせれば、牡蠣同様にまるで人間に喰われに来ているようにしか思えない形状をしている。
網の上で焼かれ、汁を噴き、醤油なりバターなりをかけて喰われるのです。
果ては釜めし・・・!
高級食材の出汁を吸った白飯が美味くない筈がないんだよなぁ・・・。(外国人には高難度の二重否定)
温泉美食倶楽部としては温泉と美食が同時に堪能できると云う事で、この桧山界隈の温泉は密かにポイントが高いのです。繁盛してほしいけど、有名になりすぎてほしくない感じですね。
でもまぁ、めっちゃ遠いから多少はね?
88・天塩温泉
温泉
施設外観。海沿いにある建物で、ボチボチ近代的。
利用客が多く、浴場の写真は無し。
成分分析書
源泉30℃。冷たくはないが・・・まぁ加温で入る温泉。
特徴は32g/kgもある海水レベルの塩類成分と、その中にきらりと光るアンモニウムイオンの量だ!
概要
実は前回の旭温泉とはハシゴ湯したので、場所も旭温泉からほどほどに近い。
恐らく、道北で唯一の強烈な個性を持ったカルト温泉かと思われる。
そもそもこの辺りは温かいお湯が出ないので、まともに温泉と呼べるのはこの辺りが本当に最後ではないかと思われる。
オロロンラインを北上するライダーは是非立ち寄っていただきたい。
この天塩温泉・夕映は鏡沼海浜公園という天塩川河口部にある公園に隣接していまして、景色は実にいい所であります。快晴であれば利尻島や礼文島が見えるでしょうし、露天風呂からも海は眺望できるようになっています。
ここの温泉の最大の特徴は、上でも記した通り、濃い塩類成分でもなく濃いアンモニウムイオンであります。
アンモニウムイオンとは即ちアンモニアが水に溶けた時に生じているイオンでありまして、保健室でアンモニア水の匂いを嗅いだことがある人なら直ぐに判ると思いますが、ものすごくクッサい訳です。例えるなら、古い便所に入った時に鼻にツンと響く匂い。
この匂いは浴場に入った瞬間から鼻を襲い、初心者は思わずその時点で入浴を躊躇ってしまうようなそんな温泉なのですが、実際に浸かって湯の匂いを直接嗅いで見ると、細菌や有機物の混じった便所の匂いというよりは、純粋なアンモニア臭がする事が判ります。なんつーか、試薬の匂い?
まぁアンモニウムイオンの元はやはり地下に堆積した窒素化合物の成れの果てである事から、やはりここの地下には大量の有機物が存在していた事を伺わせます。それ故に、お湯は真っ黒な腐植質の色をしたモール泉であり、アンモニア臭の中にも仄かにモール集が混じっている事が、より試薬っぽさを醸し出しています。
いずれにせよ設備は水風呂もサウナも揃った充実な浴場なのですが、その強烈な匂いからして特異泉質系・カルト系に属する温泉だと思われます。
総評
前述したとおり、設備は申し分ない。洗い場、サウナ、水風呂、そして館内設備は充実しており、休憩を取るには充分な設備。というのも、ここは宿泊も可能だからです。
泉温はそれほど高くなく、有機物を含むせいかお湯も塩素消毒方式だったと思う。
源泉を掛け流しのまま水風呂利用するという手の込んだ事も特にしてないわけだが、とにかく泉質が珍しい。
これほどの塩分濃度となると塩素消毒の影響は微々たるもので、浴後の温まりは相当な強さがあった。ともかく強力なアンモニア臭が鼻を突くので、まずはそれを楽しみながら入れるかどうかが肝となる。ただ、硫黄泉と違ってこのアンモニア臭は浴後は殆ど残らないので安心してもらいたい。
泉質面ではアンモニウムイオンのほか、臭素イオンも多く、一体どういう地質から温泉が湧くとこういう事になるのか、不思議で仕方がない。
北海道内では殆どほかに見ない泉質で、私の知る限りでは道東の
晩成温泉が近い温泉となる。晩成もまた、この温泉同様にアンモニウムイオンのほか、臭素とヨウ素が含まれているわけだが、実はこの天塩温泉の方が全てに於いて濃いというね・・・。
泉温も含めて、この天塩温泉は晩成温泉の上位互換だと思って下さい。
とはいえ、基本的には塩類泉として身体を温める効果が高い温泉につき、長旅で疲れた身体にはなかなか強烈なインパクトを残してくれる事だろう。
美食
このあと増毛まで下ってオーベルジュ増毛でおフランス料理など頂きました。
これは・・・タラですね・・・。あぁ^~
増毛産の牡丹海老。美味し^~
エゾシカのステーキ。たまらねぇぜ。
ハゲの聖地・増毛。JR増毛線は無くなっちゃったけど、もしも来る機会があったら是非オーベルジュ増毛で美食の限りを尽くしてみてね!
誰がハゲじゃい!!まだワイはフサフサや!!
87・えんべつ旭温泉
温泉
ドンッ!
浴槽写真は人がいて撮れなかったが、二つの源泉を持つ秘湯。
成分分析書
こちらは茶色い鉄泉。かなり塩分が濃い事が判る。
しかし・・・泉温10℃か・・・。
こちらはモール泉。コーヒーのような真っ黒い色だが、これも泉温は低い。
鉄泉は強塩泉の表示。
モール泉はやはり重曹泉。
あっ・・・(察し)
湯が細いのか、加水はしないという拘りはあるものの、循環方式の模様。
概要
北海道の中でもかなり北の方にある。オロロンライン沿いに看板があるので、宗谷岬を目指すライダー達にはなじみの温泉かもしれない。
実は北海道でもこの辺りはあまり地熱のないエリアであり、ここから北にある温泉はほぼ冷鉱泉ばかりである。最近だとボーリング技術の発達で温かい湯も出ているかもしれないが・・・。
成分分析書でも提示してある通り、二つの泉質を持つこの旭温泉も源泉10℃前後の冷鉱泉である。
余談ではあるがこの近くには三毛別ヒグマ事件で有名な苫前町もあるので、是非現地まで足を運んでいただきたい。
苫前郷土資料館マジお勧め。
うわぁ~やっぱこええー。
総評
成分分析書の所でも推測しているが、どうも源泉の湧出量はそこまで多くない模様。
そのためか、1日1回張った湯は少しずつ加湯されながら1日循環で使用されるため、お湯の鮮度そのものはそれほど良くない印象だった。
ただ、成分自体は2源泉とも非常に濃いものであり、真っ黒な湯と赤茶けた鉄泉という見た目はインパクト抜群で秘湯感はある。湯の鮮度は感覚的な好みの話であり、効能そのものには影響がないので、浴後は適度に拡張した血管と、ホクホクと温まる塩泉の効能を味わう事が出来るだろう。
サウナは無かったと思うが内湯と露天はキッチリあるため、明るい時間帯に入りに来ると雄大な自然を楽しみながらの入浴ができる事だろう。
純粋に山奥の秘湯という雰囲気を楽しめばよい。
美食
これは道北に向かう途中、道の駅しべつで食べた大王農場直営店の冷やし天婦羅蕎麦であるが、幌加内辺りを中心に辺り一帯の蕎麦レベルの高さはマジ一級品だ。ガチで旨いので旭川から北に向かう際は是非賞味して頂きたい。
86・養老牛温泉(湯宿だいいち)
温泉
写真が残ってなかったので無し。
旅館・湯宿だいいちは有名旅館につき、詳細は各自ググって下さい。
成分分析書
柔らかな塩類泉。北海道にしては珍しく炭酸水素イオンが少ない。
旅館だいいちを中心に複数の源泉があるようで、混合泉として豪快に使っている印象だった。飲泉の記載があるのに注目。
概要
道東の中標津にある穴場的温泉地。
周囲は広大な農地で、山深く入り込んで行くという印象ではなかった。
周りはマジでこんな景色。
ここに辿り着く途中、空が美しすぎて一瞬「ここはこの世ではないのではないか?」と不安になった。
カーナビに入れれば迷わず行けると思うが、とにかく辺鄙な場所にあるため恐ろしく遠く感じる。周囲に川湯温泉や阿寒湖温泉、羅臼温泉、斜里温泉といった名湯が並ぶ中、この養老牛温泉は独特の立ち位置を築いている温泉です。
いわゆる、都会層向け隠れ家的温泉。
この時に入った湯宿だいいちは特に札幌圏のブルジョワ層から支持の高い温泉で、駐車場は殆ど札幌ナンバーの車で溢れていた。
中々に豪華な旅館であり、館内は清潔で都会的な印象がある施設だった。
総評
温泉としては単純泉にも近い程の薄めの塩類泉であり、透明な湯は爽やかでクセがない。なるほど、万人受けするわけだ。
写真が無いのでググって期待度を高めて戴きたいのだが、この旅館の特徴は規模の大きな露天風呂である。眼下に渓流を見ながら入れる広い露天風呂は開放感抜群で、その種類も豊富で飽きの来ない造りをしているのが印象的だった。
(露天には混浴エリアもある。)
内湯には水風呂もあって、設備も豪華旅館として充分なものだった。
この旅館の人気は相当なものらしく、この日は洗い場が足りなくなるほどの盛況っぷりだった。それ故に日帰りで利用したのが残念なくらいで、本当は一泊してゆっくりと贅沢に使いたかったというのが本音だ。
湯の質は前述の通りクセのない低濃度の塩類泉で、しかし客層を考えてか温度は比較的温めに調整してある。混合泉ではあるが温度が高い事から、おそらく塩素消毒・循環はしてないと思われます。
浴槽も広く、利用客が多かった事もあって湯の状態は少し草臥れた印象だったが、宿泊で利用すればこれも大分印象が変わると思います。
とにかく露天風呂が素晴らしいので、それだけでも入りに来る価値は充分あるだろう。
美食
各種温泉のハシゴ途中で、日帰りだたっため今回はネタがなし。
85・八甲田温泉(龍神の湯・ミルクの湯・ラムネの湯)
温泉
施設外観。
青森市内から車で約40分。それほど遠くはないが、AUの電波は入らなかった。
しかしここの湯の素晴らしさは広まり続けているようで、駐車場は外来入浴の車で溢れていた。
これは今回再訪したラムネ湯の写真。壁面に張り付いた硫黄化合物が蛍光するかのように緑色に輝いている。湯に漬かると全身を泡が覆い、泡の境界が光に反射して緑色に輝くので、マグネットスーツを着たサムス・アランみたいでちょっとカッコイイ気分になる。
成分分析書
これが龍神の湯源泉。64℃もある高温泉だが、中性。鉄を含んでおり、赤茶けた湯の色が龍神っぽさを感じさせる。
続いてミルクの湯。ガス型の硫化水素と1200ppmを超える超高濃度炭酸泉だ!スーパー銭湯で人工的に作るレベルの炭酸ガスが天然で溶存している。しかも源泉35℃がそのまま掛け流されている。
こちらもミルクの湯らしき成分表だが、源泉が39℃と少し暖かいため、露天風呂に利用されている源泉だと思われる。pHはどちらも2前後と非常に強力。
そしてラムネ湯源泉。ミルクの湯に近い泉質だが、硫化水素ガスは最も少なく湯が白く濁っていない。緑色の蛍光を放っているのはこの湯だ。
概要
新幹線のお陰で随分と行きやすくなりました。
青森市内から国道を酸ヶ湯へ向けて走ると、途中で十和田に抜けるルートが出てきますが、この八甲田温泉はその十和田方面に抜ける道の途中にあります。
青森県の温泉といえば伝統の混浴方式を貫くヒバ千人風呂の酸ヶ湯温泉が有名ですが、その手前に古くから存在していたこの八甲田温泉は、ここ数年と思われるリニューアルで酸ヶ湯の人気を食う勢いで勢力を伸ばしている温泉です。
元々の古い温泉旅館施設をそのまま残しつつ、巨大な木造の湯殿をこしらえたこの旅館は、秘湯感と共に快適な入浴体験を味わう事が出来る。
最近では有名になりすぎた感のある酸ヶ湯はいつも人でごった返していますが、ここはまだ穴場的な雰囲気を残していて、これから爆発的に人気が出る温泉施設だと思われます。それくらい湯の質が凄い。
宿泊棟そのものは古いのだが、湯屋だけは新しい。
この旅館には大きく分けて二つの浴室が用意されていて、3つの源泉が楽しめるのがこの巨大な湯屋「秘湯 龍神の湯」だ。こちらはラムネ湯と違って洗い場の揃ったメイン浴室である為、利用客が多く写真は撮れていない。
中は総ヒノキ造りの洗い場と小浴槽(ミルクの湯・源泉35℃の方)と大浴槽(龍神の湯・源泉63℃・加水)に分かれている。洗い場設備も新しく、カランは酸性の強さで少し腐食こそしているものの、ストレスのない入浴ができる。
露天風呂にもミルクの湯と龍神の湯があったので、恐らく露天の方のミルクの湯は39℃源泉の方だと思われる。(35℃掛け流しだと明らかに寒い筈)
ラムネの湯の方はこちら
sticknumber31.hatenablog.com
でも紹介しているので割愛するが、別の建物での入浴となる。
料金は両方入って1000円なのだが、惜しまず是非両方味わっていただきたいところ。
総評
前回は時間が無かったのでラムネの湯だけ足早に入って直ぐに退散したという経緯から、詳しい評価を下す事が出来なかった訳だが、今回の再訪ではこの温泉のレベルの高さを改めて思い知る事が出来た。
まず龍神の湯。
登山客などに嬉しい温まりの良いナトリウム・カルシウム/硫酸塩・炭酸水素塩泉で、それ程成分の重くないこの中性の湯は、その名前とは裏腹にこの4つの源泉の中で最も肌に優しい。云わば初心者向けの湯。
赤茶けた鉄の色が雄々しい炎を吐く龍を連想させ、白い湯とは紅白の湯として非常に見栄えも良い。ミルクの湯がぬるいので、熱いの好きも満足の一湯だ。
次にミルクの湯。
内湯の方のミルクの湯は完全に35℃源泉の掛け流しであり、最初に入るには温すぎる温泉だった。先ずは龍神の湯で身体を温めてから入るのが良いだろう。
しかし温めの湯とは裏腹にこのミルクの湯は非常に酸性度が強く、長湯の反動が最も出やすい湯である。また、ラムネの湯以上に豊富な炭酸ガスを含んでいる事から、知らない内に全身の血管は激しく拡張してしまいます。
それにより硫化水素の経皮的吸収量はされに増える事となり、これもまた強力な酸性と並んで湯あたりの原因となります。長旅の途中で入るライダーなどは、その後の旅程にも影響が出る事を考えると是非宿泊で利用してもらいたいものです。
滅多に湯あたりしない自分がたった1回の入浴で湯あたりしましたからね・・・。
露天にも同じように熱めの龍神の湯とぬるいミルクの湯があるので、病気による湯治客や疲れのある人は湯あたりのリスクは常に頭に入れておくべきだろう。
再訪でラムネの湯も入りましたが、湯の美しさはこちらが一番。緑色に美しく輝くあの湯が一体何の成分によってあのような現象を引き起こされているのか、未だによく分かりません。しかしこちらも強力な酸性泉ゆえ、気持ちよいからといって長湯すると同じく湯あたりのリスクが高くなります。濃度は低いとはいえ、かなり硫黄の匂いがしてましたので・・・。
さて・・・総評としてこれらの個性に富んだ4つの源泉は、いずれもが一級品の泉質と抜きんでた個性を持ち合わせている事から、泉質ガチ勢として、ここ最近の俺的温泉ランキングの中でSSSの最大評価を与えても差支えが無いと判断しました。
とにかく温泉として全てが異例。
強力な酸性泉+強力な炭酸泉の融合は日本広しといえども恐らくここだけではないでしょうか?これに付け合わせとばかりに含鉄中性泉が出ていて、しかも市内から車で1時間もかからないのだから、青森県温泉勢のレベルの高さはホンマにえげつない。
美食
青森市内の飲み屋街を歩けば、そこで食べられる海の幸は北海道にも引けを取らない。
写真はマグロセットと、八戸産の〆鯖。
中でもマグロは絶品で、
解凍品ながらこのトロの差しは本当にヤバい。
口の中でバターのようにとろけた。
今回は八甲田温泉だったので、日本酒も「八甲田花吹雪60」。
甘みが薄くキリっとしていて、マグロとの相性が最高だった・・・。
二軒目では初サンマとメバルを田酒で頂きました。
この他、甘みの強い嶽きみの天婦羅。
地元でしか出回らない、市浦牛のステーキ。
この牛は出荷が少なく、今年は県内6頭しか出回ってないんだってさ。
これはマジで美味かった・・・いや、美味すぎた。
温泉と美食の地において、青森県の持つこのポテンシャルの高さは、今一度再評価されるべきだと思う。
ふぅー満足満足。
84・茅沼(シラルトロ沼)温泉
温泉
何故か建物や内部の写真が無く、茅沼の写真だけが残っていたので掲載。
記憶が確かならばホテルと一緒になった施設で、宿泊も可能だったはず。
成分分析書
住所でもう草。コッタロ原野の127-10ってよ・・・。
塩分が濃く、等張泉ですな。源泉47℃。
概要
釧路湿原界隈はその昔は海だったのだろうか?釧路市内の温泉共々、高濃度の塩が含まれている。この茅沼は釧路から標茶方向に少し走った先にある温泉だが、ここも結構な濃度も塩化物泉だった。
市内の温泉との違いは、明らかにこちらの方がモール泉であるという点。独特の有機物臭がして、湯の色も多少濁っている。
白鳥がいるシラルトロ沼(茅沼の別名?)の外れにある事から、シラルトロ温泉などとも呼ばれるとか。広大な敷地があり、広々としたパークゴルフ場を併設した設備だが、周囲は見渡す限り鬱蒼とした未開の湿原地帯であり、夕暮れ時に来るとなんかこう、うすら哀しくなってくるような風景である。この周辺は異常にエゾシカがおり、昼夜問わず平然と道路に出てくるので、アニマルアタックに要注意だ。
半分野生なのか、駐車場にはヤクザのドンみたいな筋骨隆々の雄猫がいた。
フレンドリーだが油断すると爪を立ててくる侮れない奴だったぜ。
総評
温泉としてはモールと塩化物泉が半々といった感じだろうか。
設備は比較的新しめなので、若干量の加水と塩素消毒の循環式と思われるが、そこそこの強塩泉なのであまり湯の劣化は感じなかった。
湯はモール泉を名乗るには色が薄すぎる感じだが、黄色がかった湯は浴後に塩化物泉らしい火照りがあった。標茶まで結構距離があるので、その間の休憩地点と考えれば使いやすい施設かもしれない。
この湯のスペックは決して悪いわけではないのだが、
があった事から、この温泉をあえて選んで立ち寄る事はその後は無かった。
美食
道東はクソ寒いので、釧路市内にもある山岡家でラーメンを食べよう。(提案)
83・うらほろ留真温泉
温泉
施設外観。混んでいたので浴槽写真は無し。
設備は新しいものの、かなり辺鄙なところにありますよ。
成分分析書
pH10!ここに入りに来た理由は、このスペックに惹かれたに他ならない。
十勝周辺は何処もモール泉が出る中、ここのように透明な単純硫黄泉が出るのは珍しい。源泉は約30℃。
概要
解りますかね?この辺鄙さ。西に帯広、東に釧路を望み、ちょうど中間地点にある浦幌町の国道から、かなり山奥に入って行かないとこの温泉に到達する事は出来ません。
道はそこまで険しくはないのだけど、高速側からはいけない。
・・・ので、国道を池田町から浦幌に流れてそこから農道に入る必要があります。
ある意味トムラウシ温泉並に行きづらい場所にありますね。
帯広からカーナビ通りに走ったのだが、ルートが悪かったのか何故か途中で未舗装の道もあった。まじデッカイドーな風景が広がる。
総評
pH10の単純泉という事で否応が無しに期待が高まる留真温泉だったが、辺鄙な道道の先にあったのは割と最近建てられたとされる日帰り入浴施設だった。
ごく最近建てられた温泉施設ってのは洗い場などが清潔で素晴らしい反面、衛生管理に厳しい審査があると云う事もあって、ここの温泉は加温&循環&消毒という鉄板設備だったんですよねー。
本来はとろみを楽しむ筈のアルカリ泉も、塩素で消毒してしまえば割と台無しに。
湧出量が細いのか、源泉を直で流す水風呂もなく、仄かに残るツルツルとした肌触りを「惜しい・・・実に惜しい・・・。」と唸りながら入る事に。
いや、これはこれでいいんです。
かなり奥まった場所にあるこの入浴施設は、長い運転の終わりをドライバーに告げ、ようやく車を停めてホッとできる安心感をもたらしてくれる。浴場はおろか館内もピカピカなので、家族連れには使いやすい施設だし、どちらかと云うと大衆向けのお風呂である事は間違いない。
ただなー、泉質ガチ勢としては・・・どうしてもモニョる所がある。
露天風呂は比較的とろみが強く源泉割合が高かったように感じるが、お湯の鮮度は循環によりやや草臥れた感があったので、やはり元の源泉湧出量が細いのかもしれません。
美食
留真温泉では蕎麦を食いました。道東は流石に蕎麦が旨い。
ちょうど新蕎麦の時期だったし、水もキレイですからね・・・。
あぁん?餡掛けチャーハン?
帰りに立ち寄った道の駅うらほろではこの白い餡掛けチャーハン(意味深)を食べたのですが、蕎麦食った後だったのにペロリと完食できてしまった。
やっぱ餡掛けチャーハンは歪みねぇな。