温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

63・晩成温泉

温泉

f:id:sticknumber31:20180326181601j:plain

施設入口。浴場写真は撮影できず。

 

成分分析書

f:id:sticknumber31:20180326182012j:plain

源泉は12℃。この界隈には地熱が無いのでしゃーなしともいえるが、ここの温泉を紹介する理由としては、他では見られないレア成分が豊富だという点に尽きます。

 

概要

f:id:sticknumber31:20180326190514j:plain

今回の晩成温泉はここにあります。

f:id:sticknumber31:20180326181711j:plain

ファッ!?

襟裳岬から程なく東、大樹町にある晩成温泉は他ではちょっと見られないユニークな泉質で温泉マニアの注目を集めています。

f:id:sticknumber31:20180326182525j:plain

そう、ヨード(ヨウ素)が他の温泉に比べて多く含まれているのです。

 

ヨウ素・・・実はこの成分、浴用に関してはどういう効果が期待できるのかまだ謎が多いのです。

ヨウ素イオンといえば、ポビドンヨードとして遊離ヨウ素イオンによる殺菌、消毒効果・・・飲用ではヨウ化カリウム甲状腺への影響などが考えられますが、モール泉でもあるここの温泉は飲用には向かず、仮に飲用したとしても甲状腺に影響が出る程の量を飲むにはリッター級のがぶ飲みをキメないといけない筈なので、現実的ではありません。

基本的には浴用での利用を前提として、1kg辺り9.3mgのヨウ素イオンがどの程度の効果を持つのかは私にもイマイチ想像がつきませんでした。皮膚から多少の吸収があるにしても、甲状腺機能を左右する程のものではないのではないかと。

 

とにかく珍しい泉質なんだよー!という事ですな。

 

総評

ヨウ素含有量の多さをメインに売り込んでいる晩成温泉ですが、実はアンモニアイオンもかなり豊富です。どうやらモール泉には比較的アンモニアが含まれることが多いようなのですが、此処も見た目には真っ黒なモール泉でした。

 

ちなみに他のヨウ素泉では新潟県の西方の湯が有名だが、こちらもアンモニアイオンが豊富なモール泉。ヨウ素泉は千葉県・房総半島にもよく見受けられ、やはりそのどれもがモール泉です。

 

此処は恐らく北海道内でも天塩温泉に続いて2番目にアンモニアが多い温泉かと思われます。浴場にはツンと鼻を突くようなアンモニア臭が立ち込め、思わずしかめっ面になってしまう程でした。アンモニア臭と云うのはとどのつまり便所の匂いに近い臭気があるので、苦手な人も多いかもしれません。

しかしフォローとして述べておくのは、この湯から香るのは決して便所の様な腐敗した匂いではないと云う事です。あくまで保健室にあるアンモニア水のような化学的な臭気です。

 

基本的には成分総計で10g/kgを超える高張性ナトリウム塩化物泉。

浴後は塩化物泉特有の心地よいほてりが身体を満たす事でしょう。

 

ちなみに、晩成温泉としてはヨード泉としての個性を売り込んでますが、他にもブロム(臭素)も豊富な温泉です。

 

この臭素も温泉の成分としては謎が多い。

臭素ブロムワレリル尿素など、睡眠薬とか鎮静剤に使われてるイメージなんですが・・・もしかして入浴で鎮静効果が得られる?・・・まさかね。

 

浴場自体は普通に近代的な設備なので、ヨード、ブロム、アンモニア・・・謎の多いレア成分満載の温泉を体験してみたい人は、是非この晩成温泉に来てみるとよいでしょう。

 

美食

f:id:sticknumber31:20180326185330j:plain

大樹町に行くなら襟裳岬に行きなさい。えりも町は温泉が無いので非常に残念なのですが、ウニありカニありで美食するなら最高の場所なのですよ。

f:id:sticknumber31:20180326185542j:plain

煮込んだつぶ貝も最高に旨いです。

f:id:sticknumber31:20180326190004j:plain

常々美味いカニランキングの上位に入る毛ガニ先輩。襟裳産は評価も高いです。

f:id:sticknumber31:20180326185627j:plain

襟裳岬のドライブインではエゾバフンウニ食べれます。あぁ^~最高なんじゃあ^~。

f:id:sticknumber31:20180326185733j:plain

浦河、様似界隈のドライブインでも運が良ければエゾバフンウニが食べれます。当然、天然モノです。ちなみにこの定食は1100円でした。やっすっ!