38・伊豆山温泉 走り湯
伊豆の海原雄山を名乗る割に北海道の温泉ばかりなので、今回は伊豆の温泉を紹介します。当時はあまり成分分析書を撮ってなかったからなー。
温泉
源泉が湧く洞窟。中は蒸し風呂の様に熱い。
洞窟の奥で沸いている温泉が水路を通ってホテルに引き湯されています。
意外に知らない人も多いんじゃない?
走り湯は1300年もの歴史を持つ日本三大古泉です。
この貴重な湯は熱海ビーチライン沿いにある「うみのホテル中田屋」さんで入れます。
成分分析書
成分総計12500mg/kgと、結構濃いです。
塩化ナトリウムがメインかと思いきや、陽イオンはカルシウムが豊富な所がポイントですね。
概要
施設外観。
一般人には「熱海」のイメージで知られている温泉かもしれませんが、熱海のすぐ手前にある伊豆山温泉は歴史上熱海よりもずっと古い温泉になります。
前述の通りこの走り湯は日本でもトップクラスに古い温泉で、1300年もの歴史があります。そのため、陰陽師の役小角が見つけただの、源頼朝も入ったとか、いくらか尾ひれもついてはいるのでしょうが、歴史上の多くの著名人に愛されてきた温泉であります。過去には多くの旅人の疲れを癒してきたのでしょうなぁ。
そのため、貴重な資料もボチボチ残っているようで、中田屋さんの裏には走り湯資料館が無料で開放されているので、見に行った方は走り湯神社と併せて拝観・見学してくるとよいでしょう。
昔の走り湯の様子。手前からドバドバ海に流されているのが走り湯温泉だそうです。
当時は今みたいに整備された道路もなく、東伊豆の海岸沿いはこのような危険な道が続いていたようです。そのため、下田に向かう時にはもっぱら船を使うか、歩く場合は修善寺・中伊豆から天城を越えるルートが一般的だった。
藤枝梅安も入りに来てそうは旅籠ですねぇ。中田屋さんは200年以上の歴史があるそうです。手前で頭からドバドバお湯被ってる人が印象的な一枚です。
総評
北海道に移住してから判った事ですが、伊豆界隈の温泉の多くは炭酸水素イオンが含まれていません。この走り湯も海の温泉らしく、塩分質が殆どを占めています。
(カルシウム・ナトリウム/塩化物泉)
これは伊豆という地の成り立ちが、地球規模で見ると比較的歴史の浅い、海底火山の噴火によってできた溶岩大地であるという事からも窺い知れます。要するに、伊豆は大昔に肥沃な森林地帯が無かったよ!という事実を温泉が証明しているようなものなのです。一方で北海道の温泉は大体どこもカーボン(炭酸水素や炭酸イオン)を含むので、そこには大昔に森林があったんやなーというのが推測できるのであります。
さて、脱線しましたがお湯の質に関する評価ですが、塩分の強いこの湯は強力な保温効果をもって、旅人の疲れを癒してきた筈です。湯の重さも生理食塩水以上の高張泉であり、大抵の旅人は数日の滞在を経て次の宿場へと向かって行ったんじゃないでしょうか。なんせ日帰りするには若干強い湯ですからね。普段お湯慣れしていない人は湯疲れしてしまうでしょう。
なので、興味を持った方は是非一泊で堪能して頂きたいですね。
美食
まぁ熱海に限った事じゃありませんが、伊豆に来たらやっぱりこいつは食べたいですよね。
これは熱海ではないんですが、西伊豆などに行けばこのような豪遊をしても1泊で18000円くらいで収まります。
あと写真悪いですけど、サザエは外せませんねぇ。
伊豆山温泉だと宿泊なので旅館飯になりますが、このように夜の熱海に繰り出して美味しい店を探すのもなかなか楽しいと思いますよ?