温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

114・天間林温泉

温泉

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施設外観。溢れたお湯は融雪に使っており、猫も足を温めに来る。

 

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青森県は温泉のレベルが日本全国でもトップクラスに高い。

源泉掛け流しへのこだわりはガチ。

 

成分分析書

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成分の薄い単純泉で、源泉温度44.2℃。

このスペックがあるからこそ、自由に掛け流しが可能なのだ。

 

概要

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天満林温泉はちょうど八戸と青森市内の中間に位置する温泉で、特段温泉地、という雰囲気はなく町の中にポツンとある公衆浴場という風な温泉である。

もう目と鼻の先に青森がある感じだが、この辺りはまだ峠の東側なので青森市内に比べるとまだ雪は少ない。

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これは同じ日の黒石の様子。八甲田を挟んで西に行った途端この有様よ。

青森はマジで雪が多い。北海道以上に多い。

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天間林温泉の浴場はこのように脱衣所からガラス張りで浴場が見えるという、古き良き伝統的TOUHOKU-STYLEな温泉。

貴重品は貴重品ロッカーに預けるべし!

中も一般的な銭湯設備で、両サイドの壁側にカラン、中央に高温・中温・低温の温度別の浴槽、中温浴槽は広めでジャグジーと電気風呂もここにあり、この他にサウナ、水風呂、うたせ湯もある。

 

総評

湯治場でもない天間林温泉は全国的に見てもかなりマイナーな温泉の部類に入ると思うのだが、一流の温泉が揃う青森の中にあってここも相当レベルは高い。

 

高評価のポイントはいくつかあるが、順にあげていくと・・・

1.透明な単純泉

→モールなどの濁り成分が無く、見た目の美しさが高い。

 

2.湯の鮮度がいい

→源泉が44℃であり、入浴に丁度適した温度のため、加水したり貯留する事なくそのままカランにも浴槽にも注がれ続けている。そのため、香りも良い。

 

3.ツルツルとした肌触り

→これぞアルカリ性泉!という感じの程よいツルツル感。美人の湯って感じがする。

 

4.湯あたりしにくい

→温度別にいくつかの浴槽が用意されていて、とてもぬるい浴槽もある。交代浴でゆっくり長く風呂に入る事が出来て、それでいて負担の少ない単純泉なので長湯しても湯あたりしにくい。

 

このように、天間林温泉は設備的にもそのスペックを最大限に活用できる風呂が揃っている。野球で例えるなら、変化球ではなく球に伸びのあるストレートって感じの温泉だろう。

 

温泉として王道であり、万人受けする泉質。実に素晴らしい。

 

美食

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浪岡で食べたアップルパイ! 叩け!

アイスはラムレーズン、良い匂いでつらい!

流石にりんごの国だけあって、アップルパイ超うまいよ。

113・札幌あいの里温泉なごみ

温泉

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施設外観。中は軽食なども食べれるがかなりこじんまりとした施設。

大衆浴場につき風呂の写真は無し。

 

成分分析書

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割とぬるいけれども38℃はあるので、まぁ温泉っちゃ温泉の部類に入る。

そのままだとかなりぬるい湯になる為、実際は加温しての提供です。

 

概要

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札幌市の北の外れ、あいの里にある小さな温泉。

あいの里は札幌北区と石狩郡の境目にある閑静な住宅街で、郡境の石狩川が直ぐ近くを流れていて札幌市の中でも特に雪が多いエリアになります。

川を渡ると廃線が決まっている札沼線北海道医療大学駅を終点に止まり、その先は道内でも有数の豪雪地帯である石狩平野が広がっています。

いわゆる石狩空知ってエリアね。

 

元々このあいの里には温泉は無かったんですが、どうやらこの十数年くらいで掘り当てたようですね・・・。まぁ、近くには石狩太美のふとみ銘泉やモエレ沼温泉もあるので、元々掘れば出る地質ではあった模様。

 

総評

初めてあいの里温泉に入って驚いたのは、その塩分の濃さでした。

成分総計34.12g/kgはほぼ海水に匹敵する塩分濃度ですし、加温や消毒はあっても加水は無しで給湯されている。

 

塩分が濃いため湯には塩類泉特有のとろみがあり、黒みがかった湯は石狩番屋の湯と比べてもモール質が濃い事を伺わせる。本当は石狩太美の温泉も同じくらい濃いモール質なのだが、今は加水があるためか色が以前より大分薄くなっていたので、ここは加水無しでの提供が目に見て判る温泉だと云える。

 

塩類泉特有のとろみと述べたが、モール泉にありがちな有機物を感じさせるとろみとは全く違う。モール泉のとろみは豊富な有機物がアルカリ液性と反応して湯に泡が立つが、強塩類泉では表面張力が下がる為、このあいの里温泉はモール泉でありながら湯に泡は立たない。重曹成分(炭酸水素イオン)は豊富なのに、pH7.2と液性が中性なのも特徴だろう。

 

強塩泉とモール泉の両方の特性を持っているため、風呂上りは驚くほど汗が噴き出す。私個人の目から見ても泉質は申し分なく、札幌市内の温泉としては珍しくパンチ力のある温泉だと感じたが、建築に際し色々と制限が掛かったのか、施設規模は小さく浴槽も脱衣所もこじんまりとしているのがネックと言えばネックか。

 

美食

石狩川沿いにはこのあいの里温泉を挟んで上流に太美温泉、下流には石狩番屋の湯があるのだが、それぞれ濃さは違えど似た特性を持っているので是非入り比べてもらうとよい。

さて、その石狩番屋の湯の近くには佐藤水産のサーモンファクトリーという施設があるわけだが、

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サーモンと言えばコレ、イクラ丼(イクラ重)。

時期を見て、新物のイクラが出たタイミングでレストランで食べた一品です。

最近、スーパーの総菜や関東圏の安い回転寿司屋では粒の小さな鱒子イクラばかり出回っていますからね。

やっぱり食べたくなるでしょう?本物が。

噛むとプチプチいうんですよ、新物のイクラは。

112・伊豆熱川温泉

温泉

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今回は伊豆熱川温泉より熱川プリンスホテルの温泉を紹介します。

ここはもう成分が云々いう温泉でもないので、今回はひたすらここの良さについて紹介。

 

成分分析書

今回は無し。感想を見て、どのような泉質なのかは各自ググってみてください。

 

概要

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熱川バナナワニ園で有名な熱川温泉は関東の人にはもう云うまでもなく、伊豆でも有名なリゾート温泉地になります。東京駅から特急踊り子で1本!実に簡単に来れてしまう!

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写真は徳三丸の金目セット。

近隣にはキンメダイで有名な稲取や別荘地や桜祭りで賑わう伊豆高原や河津など、色々と景勝地が集中しています。

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西伊豆に行けば堂ヶ島三四郎島や、

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中伊豆のワサビ田など、見るべきところはかなりある。

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伊豆稲取の細野高原はとにかく絶景。

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熱川と言えばやはりこの温泉櫓。99℃の源泉がドバドバ噴き出していて、その泉質が云うまでもなくガチである事を象徴しています。

 

総評

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写真右浴槽は静岡らしさを主張するお茶湯。すすぎ口の下に籠が入っていて、ここにお茶が入ってます。お茶と温泉のコラボで、大変素晴らしい香りがする。

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今回熱川温泉の中でも敢えて熱川プリンスホテルをチョイスしたのは、ここは自家源泉を持っているからです。ヒノキ湯は柔らかな温度に調整された温泉が注がれている。加水で温度は下げてあるものの、お湯自体の鮮度はよく、大変爽やかな入浴感。

 

奥にある露天風呂も伊豆大島が一望できて、何から何まで本当に素晴らしいのである。

ちなみに露天風呂の方が源泉割合が高く、且つ冬場は特に源泉の割合が高くなります。なんせ源泉が99℃もあるのでそれでも加水提供にはなりますが、明らかに夏と冬では入った時の湯の香りが違います。冬が絶対的にお勧めだ。

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ちなみに最初に載せたこの写真の左側にあるのが水風呂なのだが、これがまた冷たすぎず絶妙な優しい水風呂で、水風呂初心者にも大変お勧めなのである。

あぁ^~たまらねぇぜ。

 

熱川はお湯の量も豊富なわけですが、自家源泉を持ってない処は集中管理でお湯を共有している施設もあるので、少しでも泉質に拘った私は敢えて自家源泉を持っているこのプリンスホテルを推す。入浴料は1000円するが、タオル貰えるしマッサージチェアが使い放題なのも最高。

 

美食

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伊豆と言えば鯵・・・やはり鯵ですね。

写真は熱川から少し南、片瀬の海沿いにある「燦」という店の鯵丼。

伊豆は鯵丼が何処も有名だが、この鯵丼が個人的に至高。

ポイントはこの丼の上に載っている薬味で、大量の葱と茗荷がシャキシャキの食感を引き立て、鯵の旨味と絡まって絶妙なハーモニーを描き出す。量も値段もお手頃で、晩もしっかり食べたい日の昼ごはんにちょうど良いのだ。

番外編・温泉の泉質と効能についての考察と検証

仮の職業薬剤師として、温泉の効能を漢方の効果に準えて陰陽で捉えてみる事にした。

効能に関しては諸説あるだろうが、一応科学的な根拠と実際の入浴体験からまとめてある。

分かりやすいように身体を温めるなど、陽の効果は赤、身体を冷やすなど、陰の効果は青で記載した。

 

1.温泉の泉質

こういうのは温泉ソムリエや温泉保養士など各種テキストに記載されているので、興味ある方はそちらの方を受講してもらえると手っ取り早いわけですが、一応ここでも簡単に分類を記載しておきます。

 

1-A.泉温による分類

鉱泉・・・25℃未満       交感神経優位

低温泉・・・25℃以上34℃未満  交感神経優位

中温泉・・・34℃以上42℃未満  副交感神経優位

高温泉・・・42℃以上       交感神経優位

 

1-B.液性による分類

酸性泉・・・・・pH3未満        身体を温める陽の効果

弱酸性泉・・・・pH3以上6未満     身体を温める陽の効果

中性泉・・・・・pH6以上7.5未満

アルカリ性泉・pH7.5以上8.5未満 身体を冷やす陰の効果

アルカリ性泉・・pH8.5以上      身体を冷やす陰の効果

 

1-C.浸透圧による分類

低張泉・・・成分総計8000mg/kg未満  身体に水が入り込む保湿効果

等張泉・・・成分総計8000mg/kg以上10000mg/kg未満

高張泉・・・成分総計10000mg/kg以上 身体から水が抜ける脱水効果

 

1-D.液性による分類

 

1-D-1.単純泉・・・成分総計1000mg/kg未満の温泉(低負担・低温熱)

 

1-D-2.塩類泉

 A.塩化物泉・・・主たる陰イオンを塩素イオン(Cl⁻)が占める塩類泉

 B.炭酸水素塩泉・主たる陰イオンを炭酸水素イオン(HCO3⁻)が占める塩類

 C.硫酸塩泉・・・主たる陰イオンが硫酸イオン(SO4₂⁻)が占める塩類泉

 

1-D-3.特殊成分泉

 A.二酸化炭素泉・・・炭酸ガスとして1000mg/kg以上含有

 B.鉄泉    ・・・総鉄として20mg/kg以上含有

 C.酸性泉   ・・・水素イオンを1mg/kg以上含有(pH3未満)

 D.ヨウ素泉  ・・・ヨウ素イオンを10mg/kg以上含有

 E.硫黄泉   ・・・総硫黄(硫化水素ガスも含む)として2mg/kg以上含有

 F.放射能泉  ・・・Rn(ラドン)として8.25マッヘ(111Bq以上)

 

2.温泉の効能

温熱効果→温泉の温度による効果

○当然の事ながら温度が高い温泉ほど温まりが早く、また湯冷めしにくくなる。

○低温、高温域では身体への負担が大きくなる。

※ここでの最大のポイントは、約37℃~40℃周辺では副交感神経が優位に働き、それ以外の温度域では交感神経が優位に働くという点だ。要するに、上記の温度域以外は身体への負担が大きいと云う事を意味する。

 

液性効果→温泉の液性(酸性度・アルカリ性)による効果

○酸性が強くなるほど皮膚表面では軽度の炎症が起きやすくなり、温熱効果が高まると同時に肉体への負担も高くなる。軽度炎症はしばらく続くので、湯冷めはしにくくなる。

○逆に液性がアルカリに寄るほど皮膚の洗浄力は高くなるが、温熱効果は長湯する程高まるものの、皮脂が落ちる為に浴後の湯冷めがしやすくなる。

 

物理効果→温泉の比重(重さ・浸透圧)による効果

○重い湯(浸透圧の高い湯)ほど皮膚を抑えつける圧は高くなり、身体にかかる負担は大きくなるが、高張泉ほど多くの塩分を含むために保温効果は高まり、湯冷めしにくくなる。

○軽い湯(浸透圧の低い湯)の多くは単純泉であり、身体を抑えつける圧は低く肉体への負担は軽くなるが、同時に浴後の保温効果は低くなる。湯冷めしやすい。

 

成分効果→温泉の個別成分による効果

○塩類泉ではNa、Caなど陽イオンが豊富なほど皮膚のコーティング効果が高くなり、表面張力は低下して温熱効果は高まり、湯冷めしにくくなる。

 

○塩化物泉よりも硫酸塩泉は若干保湿効果が高い。

 

○塩類泉でも炭酸水素イオンが豊富な温泉は血管拡張作用が高くなり、身体を温める効果は高くなるものの、一方で浴後は身体の熱が奪われやすくなる。

 

二酸化炭素ガスを含んだ温泉は血管拡張作用が高まり、身体を温める効果は高くなるものの、浴後の身体の熱は奪われやすくなる。(湯冷めしやすくなる)

 

○鉄泉は温熱効果が高く、保熱効果も高いため湯冷めしにくい。一方で他の塩類泉に比べると負担が大きい。

 

○酸性泉は液性の欄で記載済みの通り、温熱効果も保熱効果も高い。湯冷めしにくい。

 

ヨウ素泉は知られてない効果が多く、謎。

 

○硫黄泉は温熱効果・保湿効果のほか、尿酸などの排毒作用があるがその分身体への負担が大きい。湯冷めしにくい一方で、とても湯あたりしやすい。

 

放射能泉は身体への負担が非常に大きい反面、α線を浴びる事で様々な面でホルミシス効果が高いと推測される。湯あたりもしやすいが、鉱泉である場合も多いので温熱効果・保温効果に関しては入り方次第。

 

○成分分析表には載らない事が多いが、アブラ系モール泉は浴後に有機物が皮膚を覆うため、浴後の保温効果が非常に高い。

 

3.実際の効能評価

これに関しては実際には行ってみるまで分からない。

だが、温泉のスペックたる成分分析表からは色々な事が判る。

 

○サンプルその1

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冷える温泉の代表はこないだ記事を書いたオソウシ温泉だ。

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ここの温泉で判った事は、アルカリ性の液性により皮脂の洗い流された身体は、浴後にとても冷えやすくなる一方で、その身体が皮脂を補完すべく発汗が著しく亢進するという点である。

 

○サンプルその2

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強烈な酸性硫黄泉である蔵王温泉。泉温も高く、浴後は非常に湯疲れする。

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相応量の炭酸ガスも含むが、それ以上に温熱効果の方が高い。

 

○サンプルその3

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長万部温泉は若干濃い目だがほぼ等張泉。しかしアブラ系のモールが豊富で、酸や硫黄は無くとも充分保温効果が高く、その臭気からも湯あたりしやすい湯に位置する。

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長万部温泉は炭酸水素イオンも豊富な部類に入るが、これほどの源泉温度と濃度になると、弱アルカリの冷やす液性よりも温熱効果が高く出ていると云える。

 

以上のように、温泉のスペックとは非常に多軸に渡る。

それぞれの温泉の効能はそれらの評価軸をいくつかに重ね合わせて総合的に評価する必要があると云えるだろう。

111・摩周温泉・亀の湯(鐺別温泉)と泉の湯(町営温泉)

温泉

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亀の湯の施設外観。かなり年季の入った、古い銭湯だ。

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浴場は一つ。カランもあるが、クソ熱い源泉を水で薄めながら使うタイプだったので。床に座って関西方式で浴槽の湯で身体を洗って入った。

 

成分分析書

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源泉74℃!成分的には薄めのナトリウム・カルシウム/塩化物・硫酸塩泉。

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こちらは泉の湯の分析表。

2源泉の混合泉の為か、少し成分が濃い。

表示こそ異なるが、概ね同じ泉質の温泉と言っても間違いないだろう。

 

概要

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駅名は摩周なんだけど、町自体は弟子屈町という名前です。

弟子屈町摩周温泉郷と呼ばれていて、町のあちこちに温泉が湧き出ています。

上の地図は亀の湯の場所ですが、変電所の近くに泉の湯があります。

いずれも屈斜路湖系の熱源なのですが、やはり硫黄山からは離れていると云う事もあって、透明な温泉が多く発生しています。

 

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泉の湯もこんな感じで亀の湯といい勝負で古い。ただ、どちらも200円で入れると云うのがスゲー。って事は、亀の湯も実は町営なのか?

 

町の外れにある亀の湯は旧名を鐺別(とうべつ)温泉といい、源泉名は桜丘温泉という。摩周温泉でもあり鐺別温泉でもあり桜丘温泉でもあるわけだ。うむ、ややこしい。

 

地域的に概ね同じ水脈の同じ地熱で温められてる温泉っぽいので、まぁ摩周温泉って括りで良いと思いますがね。

 

ちなみに・・・

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冬は気温がこれくらい普通に下がる地域です。

恐ろしく寒い!だが・・・!

だからこそ!ここの温泉は古くから町民に愛されてきたのでしょう。

 

総評

泉の湯、亀の湯ともにクッソ熱いのがまず最初のポイント。

亀の湯はまだ浴槽が小さいので、適度に調整はされているが、それでも足の指先にピリピリくるような温度で湯が張られていた。

体感的には泉の湯の方が浴槽が広く、利用者もまばらだったために湯温も熱く感じた。

 

とにかく熱い事が共通する両湯だが、浴感もほぼ差がない。

ほぼ単純泉に近い程の薄めな湯である事から、特別な匂いもないしクセが無く入りやすい。江戸っ子が好みそうなお風呂と言えば分かりやすいかもしれませんね。

 

それでも古くから極寒の地で暮らす弟子屈町民の手足を温めてきた温泉だけに、浴後はマイナス10℃を下回る空気でも簡単には湯冷めをしません。

適度に硫酸塩も入っている事が効率の良い温熱効果を醸し出しているものと思われます。

 

熱いのが好きなら是非一度お試しあれ。

 

美食

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弟子屈と言えばやはりこのくまうしの豚丼弟子屈ラーメンを思い出してしまう訳ですが、この日はこのあと標茶経由で帰ったので、標茶で食べた・・・

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あげ冨のホルモン味噌煮込みラーメンを推したい。

味噌ラーメンというか、モツ味噌煮込みに麺が入っているという感じ。

ホルモンがかなり大量に入っており、ボリュームバッチリでしたな。

外もクソ寒かったし、温泉の後に食べるにはうってつけのメニューでした。

110・美留和温泉

温泉

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施設外観。

美留和温泉はヌプリオンド温泉同様に別荘地限定の温泉につき、今回は

「きらの宿すばる」

というペンションのレポートになります。

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専用の露天風呂。外気温で冷える為、木蓋が被せてある。

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どうです?この透明な湯。

黄山を隔てて川湯温泉の直ぐ近くにあるのに、こちらはこのような美しい単純泉なのである。

 

成分分析書

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温度も適温の単純泉。47℃と適温なため、加水のない掛け流しだ。

 

概要

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美留和温泉の場所は摩周湖屈斜路湖のちょうど中間で、川湯温泉とは硫黄山アトサヌプリ)を挟んで対の位置関係にある。

しかしたったこの距離でありながら、泉質は全く違う。

あちらは五寸釘を1週間で溶かしてしまうような強酸性だが、こちらはpH8.36のアルカリ性単純泉だ。

 

ちなみに、美留和温泉もヌプリオンド温泉同様に別荘地にのみ引かれた温泉なので、日帰り入浴できる公共浴場はない。是非宿泊して堪能していただきたい。

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実はこのペンション、恐ろしくわかりづらい場所にあって、国道から少し道を逸れるともうこんな世界が広がっています。

たまに泊まるにはいいけど、住むとなるとどうなんだこれ・・・。

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私有地なんでしょうが、溜め池のようなものもありました。水鳥の観察でもしてるんですかね・・・。

水源が気になるが、もしかすると摩周湖系の水脈なのではないだろうか?

 

今回は源泉らしきタンクを発見する事は出来なかった。

 

総評

別荘地の引き湯という事ですが、その源泉温度と専用源泉という事で、使用環境としては最高の状態で入浴できました。

何と言っても貸切だからね。

 

内湯は41℃との事だったが、体感では43℃位あって割と熱めに保持されていた。源泉温度に後からの加水で調整しているようだったが、この辺は季節にもよるんだろうな。今の時期だともう少しぬるめになっているかもしれない。

 

単純泉という事もあって、源泉は匂いもクセも全くない。

少量炭酸水素イオンはあるんだが、土っぽさもなかったね。

弱アルカリ系だがツルツル系ではなく、あくまで温かい湧き水として素直な泉質を堪能する事が出来た。

 

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参考画像:単純泉らしく源泉湧出部位周辺に結晶化が無い。

 

ぬるめの湯を長く堪能するなら露天風呂を推す。

周りは全く人の気配も無く、静かで優雅な時間を堪能する事が出来る筈だ。

 

日常で入るなら最高の温泉だろうね。

 

美食

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ペンションと言えばオシャレなコース料理ですよね、やっぱ。

一品目はアボカドとりんごのサラダ。

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二品目はジャガイモとキャベツのスープ。

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摩周ハイボールなど頂きながら

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3品目はホタテのグラタン。これは絶品だった。

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キノコのスープ的なやつ。これが意外にボリュームがあった。うんめぇ。(うまい)

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メインの肉料理は知床鳥のワイン煮込み。

先のキノコがかなりボリュームがあって、かなり腹いっぱいになった。

そしてこのあとデザートに繋がりました。

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メニュー一覧。

季節によっても変わるらしいので、通年通して遊びに来てもええんやで?

 

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朝ごはん。

やはり別荘地のペンションと言えば手作り酵母パンよの。

 

 

如何でしたでしょうか?

弟子屈の地に湧く美留和温泉・・・。

柔らかな温泉は肌の弱い都会のOLの皆様にもうってつけの温泉です。

 

北海道は健康でヘルシーな食事と共に、いつでも社畜の皆さんをお待ちしておりますよ。着苦しいスーツなんか脱ぎ捨ててジャージで来なさいな。

109・ヌプリオンド温泉

温泉

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透明な硫酸塩泉。この温泉は各部屋に専用に用意されており、完全貸切。

いずれも小さな露天風呂での利用となっている。

源泉タンクからはそれほど離れておらず、なかなかいい鮮度が保たれていた。

 

成分分析書

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クセのない薄めの硫酸塩泉。珍しく炭酸水素イオンが少ないので、さらりとして初心者でもなじみやすい温泉だと思われる。

 

概要

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今回お邪魔したのは道東にある屈斜路湖周辺にある「小さなオーベルジュてぃんくる」というペンションで、ヌプリオンド温泉というのは屈斜路湖周辺にあるこの別荘地に引かれた、居住者専用の温泉です。

日帰り入浴も頼めばさせてくれるんでしょうが、個人宅感の強いペンションだけにハードルが高いので、詳細については後述しますが、是非宿泊で利用して頂きたい。

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これが別荘地に提供されている源泉のタンクで、なるほど周りを散歩してみると辺りの別荘からも個人宅で整備された露天風呂らしい建物から湯気が濛々と上がっているではないか。

直ぐ近くにはコタン温泉や和琴温泉なども出ているわけですが、いずれも個性が全然違う。それに、ここは公共浴場が無いのである意味入浴体験としてはとても貴重な温泉です。

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辺りはこんな感じで、一体どんな人々が此処で暮らしているのだろうか?等と色々な想像はしてしまうが、総じて嫌世的というか・・・自然と共に生きる的な、文明から隔絶した感のある別荘地でした。

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辺りには農地も拡がっていて、これは早朝に散歩をした写真なのですが、凍り付いた泥が少し心地の良い踏み心地でね・・・もうなんていうか、訳もなく哀しくなってくるような郷愁のある風景が広がっていました。

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ただ、人生には時にそういう時間も必要です。

この「小さなオーベルジュてぃんくる」ではゲストは離れにある部屋に宿泊しますが、この部屋にはテレビやWi-Fiといった世間とのつながりは一切無く、各部屋に備え付けられた温泉だけが私達を待っています。

此処は温泉を通じて、そうした個人の時間を取り戻してくれるペンションなのです。

ひゅー、歪みねぇな・・・。

 

総評

この施設では各ゲストの部屋に専用の露天風呂が付いている貸切方式の温泉で、とにかく周囲から隔絶された雰囲気が最高にCOOLです。温泉とは別にユニット式のバスもあるので、外の風呂を入る前に身体はそちらで洗うとよいでしょう。

 

最初は夜に入ったのでモール質のある濁り湯なのかと思いましたが、翌朝撮った冒頭の写真でも分かる通り、全く透明な優しい硫酸塩泉でした。

 

お湯の匂いは爽やかで活きが良く、タンクが施設の直ぐ近くにあった事から、それほど湯の草臥れはないようでした。別荘地の規模からして混合泉ではなく単一源泉。

湯は浴槽の底から少量フローされていて、源泉は50℃と結構熱いので加水でお湯の温度を調整しているようです。

宿の主人に頼むと温度は適宜調整してくれます。ぬるくして長湯するもよし、熱くして源泉を堪能するもよし、個人専用の風呂でここまでできるのはありがたいですよね。

 

泉質は前述の通り薄めの硫酸塩泉で、香りも良いしクセが無くとても入り易かった。

チェックインからチェックアウトまでに4回位入ったけど、泉質はかなり軽いので湯疲れしないと云うのがこの温泉の良いところですね。

 

美食

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オーベルジュというくらいですから、洋食のコースでした。

赤ワインのボトルをイン。

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前菜。この時点で大分オシャレ。トマトのカプレーゼが目を引きます。

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サーモンのフリット。一瞬で腹に消えた。

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サツマイモのポタージュなので、甘くておいC。

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牛スネ肉の煮込み。これは絶品だった。

元々固い脛肉だけど、柔らかく煮込んであってとても柔らかかった。

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デザートの抹茶ケーキとアイス。ご満悦やったねぇ。

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メニューはこんな感じでした。

 

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朝ごはんもオーガニックな逸品が揃い、野菜なやハムなども自家製みたいです。

パンも手作りで非常に美味しかった。

正直また行きたい。

 

さて、今回は趣向を変えた紹介でしたが、とにかく時間をゆっくりと過ごしたい人向けのプレミアムな温泉でした。

 

日頃から新宿とか上野辺りの自動改札機で流れを断った人に舌打ちを打つくらいには精神が摩耗・疲弊している社畜の皆さんには無理矢理にでも休みを取って、是非一人で入りに来ていただきたい温泉ですね。

 

もう疲れた・・・正直もう誰とも関わりたくない・・・。

そんなあなたにお勧めです。

 

小さなオーベルジュ てぃんくる公式HP

https://www.twinkle9486.jp/