128・利尻温泉&稚内港の湯温泉&ノシャップ温泉(食道楽2日目)
温泉
施設外観その1。今回は離島の温泉を評価するという事で、はるばる利尻島へとやってきました。
施設外観その2.稚内市のメインストリートに設けられた複合商業施設内にある温泉です。いわゆるスーパー銭湯ですが、温泉の方は存外に好印象でした。
2日目に宿泊したホテルの浴場。どうやら稚内市内のビジホのいくつかは市から提供される温泉を使っているらしい。
成分分析書
炭酸ガスと重曹の量に注目。利尻温泉は道内でもかなりレアリティの高いスペックを誇る温泉だったが、温泉とは別の点で色々と残念な所も。こちらは後述する。
稚内港の湯は二つの源泉を持つようで、片方は混合泉による提供らしい。
混合泉の方が塩分が濃いようだが、どちらも炭酸水素イオンの多さに注目。
利尻の温泉にも共通するスペックだという事が判るが、利尻と比べるとやはり地熱は無いようだ。どーも旭川以北は地熱が無いよね、北海道。
宿泊したホテル大将の成分分析書です。
源泉であるノシャップ温泉はどうやら稚内市が所有する源泉のようで、汲み上げてから市内のいくつかのビジホに提供しているようです。
此処でも共通するのが、濃い塩分と共に見受けられる豊富な炭酸水素イオン。
カーボンが出るという事は、この辺りの地下には太古の昔に豊富な植物があったという事を表しています。元々樺太と陸続きだったらしいからなー。
概要
2日目の旅程はこんな感じ。
朝7時15分のフェリーで稚内から利尻島に向かい、14時35分のフェリーで稚内に戻るという計画でした。
まー、到着が朝9時過ぎくらいだから、島の温泉は2ヶ所くらいは入れるっしょ?とこの時点では楽観的に構えていたんですが・・・。
もうまずフェリーターミナルの時点であかんかった。
シーズンが限られる利尻島で7月の3連休とあって、全国から観光客が殺到。
早朝の時点で臨時駐車場までもが満車になり、危うく車を停めれなくなりそうな事態に。(最後の1台スペースでギリ停めれた)
この時点で嫌な予感はしたんですが、案の定島についたら全てのレンタカー、レンタルバイク、果てはタクシーまでもが全てで払ってしまい、いきなり足が無いという事態に。そこで、港に泊まっていたバスへと駆け込んだのですが・・・。
乗車後わずか15分足らずでグイグイと跳ねあがる料金表を見て鼻毛が抜けそうになる。運賃高スギィ!!
通常料金で乗ると島一周でなんと2750円程度かかるそうです。1日フリーパス券を買うと2000円ですが、なんとバスは2時間に1本。
ほげえええええほげええええええええええーーーー!
ちなみに、レンタルバイク(原付)だと1日フリーで3000円でいいという。ちょっと公共交通機関の価格設定おかしくない?
ちなみにこのバカでかいホタテ貝が1個298円でした。2個食っても大体600円。
バスが島一周で3000円近くするのに、このクソデカホタテが298円とか色んな意味で価格設定おかしいやろ!!
今回の旅の目的の一つでもあったラー博出店中の利尻ラーメン・味楽さんに立ち寄りました。スタッフのおばちゃんも混雑を捌くスキルが上達していたようで、スムーズにラーメン食べる事が出来たので此処だけ都会感あった。
メニューの様子。席が卒業旅行らしい可愛らしいJD4人組と相席になってしまい、一人旅のオッサン的には少し気まずかったわ。いい思い出になると良いね!!
ラーメンの詳細については後述。
さて、最寄りのバス停での沓形(くつがた)に到着したのが午前10時半。ホタテなんかを食って時間を潰して、味楽さんは11時開店だったので、ラーメンを完食した時点で午後11時半だった。
丁度いい時間だし、食後に温泉でも入りに行けば次の利尻富士温泉も入りに行けるかなー?等と楽観的に考えてましたが・・・。
なんとこの利尻ふれあい温泉、日帰り入浴は13時から。
しかも朝一のバスが10時30分到着で、なんと次に港に向かうバスは13時30分。
朝イチのバスに乗った筈なのに、2000円も払って2か所も温泉回れんのか・・・(呆れ)
利尻島のこの辺の接続の悪さ、マジで島民一同猛省してどうにかしてもらいたいですね・・・。繁忙期だけ臨時の周遊マイクロバス出すとか、あとせめてバスの時間と風呂の時間を被らせてほしくなかった!
同じような思いをしている観光客は自分以外にも居たようで、帰りの飛行機が14時なので13時に開く此処の温泉は10分しか入れないってぼやいてました。
何処まで商売が下手なんだよ・・・。
田舎特有のゆるゆるサービスで早く開けてくれないかを期待してホテルの人に聞いてみたんだが、
「掃除は終わってるけど13時って決まりだから・・・」
という公務員的な対応で結局開店まで90分も待ちぼうけを喰らう事になってしまった。繁忙期は30分くらいはよあけてや・・・。
せっかくの良泉も10分しか入れず、しかももう片方の利尻富士温泉も逃した事で今回は悔いの残る旅となってしまった。
しかも帰りのバス、フェリーが出る14時35分に対し14時15分に港に到着してくれちゃったので、港周辺の食堂やお土産屋を見て回る時間も得られなかった。
あれ、結局利尻島で使ったお金って・・・?
1.バス代2000円
2.飲料140円*2本
3.ホタテ298円*2個
4.ラーメンネギ増し1000円
5.温泉550円
バス代が一番高いやんけ!!(ガチギレ)
港ではお祭りが開催され、盛大などんちゃん騒ぎでお見送りがあったんだけど、
そういうのいいからマジで金を使う機会を与えてくれ!
お金使う気満々だったのに、結局使った大半がバス代に消えたという悔いが残り、後の稚内でその反動が出る事となる・・・。
総評
一番風呂だったのでパシャリ。
とにかく泉質は道内でもかなり珍しい高濃度炭酸泉・重曹泉で、しかも源泉が33.4℃とかいう炭酸泉に最も適した「何阪関無」温度。10分しか入れなかったけど。
しかも中央の円形の浴槽はこの温度のまま掛け流しにされていて、完璧な状態でお湯を供給していた。10分しか入れなかったけど。
塩分も相当に濃く、しかも天然の高濃度炭酸・重曹泉である事から、浴後の血管拡張作用は素晴らしく、10分しか入れなかった割には帰りのバスの中で汗がかなり噴き出てきたのが印象だった。10分しか入ってないけど泉質面では道内でも最高ランクに位置する温泉だと思う。
露天風呂の景色も最高で、サウナも水風呂もあるので設備面でも申し分ないように思いました。10分しか入ってないけど。
さて、次に戻ってきた稚内で入った「稚内港の湯温泉」ですが、利尻の温泉の泉質が素晴らしかったのでハードルは上がり切ってはいたんだが、複合商業施設の中にある温泉にしてはいい意味で期待を裏切られた温泉でした。
港湾地区に建てられた施設だけに露天風呂から見える海の景色もさることながら、お湯の色は利尻のような鉄色とは異なり少しモール感のある暗褐色で、源泉は冷たいが泉質としては重曹が多い事から肌触りもかなりツルツルして好印象だった。
稚内民の視点で考えると「わざわざ遠出しなくたって此処でもいいじゃん?」と妥協点を示してくれる安心感のある泉質なのではなかろうか。
そして最後のノシャップ温泉ですが、ビジホの風呂という事で塩素消毒と一日循環させている環境のせいかかなり本来のスペックは掠れてしまっていたが、塩分は海水まではいかずとも相当に濃く、熱の湯としての性能は充分保たれていると感じました。
この日は朝も早かったし既に3湯目だったので、長湯はせず1回の入浴でさっと上がったのだが、塩類泉特有の浴後の保熱効果は充分感じられた。
初日の宿が大浴場はあれど普通のお湯だったので、この差が明確に実感できたのも評価すべき点だろう。こちらは濁りは無い透明な湯だった事もあり、重曹泉というよりは塩類泉としてのインパクトが強く残る温泉だった。
とにかく、稚内近辺の温泉に共通しているのはやはり炭酸水素イオンの豊富さ。
1000mgを超えてくる辺りで明確に浴感が変わってくるので、重曹泉を試す人は是非その辺を意識してみるとよいだろう。
美食
ラーメン味楽で王道の焦がし醤油ラーメンを葱マシで食べました。
昆布だしが有名な利尻ラーメンですが、味の印象としてはやはり「すみれ」の醤油ラーメンに近い印象を受ける。すみれよりも若干あっさり風味で、昆布の出汁が効いていてこってりとあっさりのバランスがいい感じの印象でした。とにかく葱と相性が良く、これは葱マシにして最適解だったように思う。
また、有名になった為か店員さんのサービスも大量の客を回転させるのにかなり手慣れていて、色々サービス面で雑さがある利尻島内にあって、此処だけは都会のサービスを受けたような気分になれたのも良かったように思う。
利尻ではホタテは食べたけどウニを食べ損なった(というかシケで漁に出れなかったらしい)ので、その反動で稚内港近くの食堂に衝動的に突撃。
海鮮丼1980円にエゾバフンウニ1000円分をトッピングして10分しか温泉に入れなかった鬱憤を晴らす。しかし、利尻島で使った金の大半がバス代だったという現実に再びワイの苛立ちが燃え上がる。
タラバガニどーん!!
高いなーとは思いつつ、特に脈絡もなく海鮮丼食った後に追加で注文。
なんとお値段1本で3980円。
海鮮丼よりも高いのだが、でもバスの事考えたら美味しい気分になれるからまだええわ!と感じるからゼニの価値を考えさせられますよね。
利尻島の皆さん、そういう所やぞ?
観光客はゼニ使いに来とるんや!もっとゼニ使わしてくれや!!
そんなわけで結局殆ど稚内で美食活動した気もするが、まぁ何処も充分美味しかったから万事OK。この日は朝早かった事もあり、カニを食した後はホテルで早々に爆睡。
・・・家に帰るまでが遠足です。(教師)
食道楽の旅は胃袋炸裂の帰り道、3日目へと続くのであった・・・。