76・北美原温泉
温泉
住宅街に佇む銭湯的な温泉、北美原温泉。
成分分析書
約70℃の源泉は加水という形で浴槽に注がれている。
バランスの取れた塩泉だが、加水によりじつにちょうど良い塩梅になっているような気がしなくもない。
概要
北美原温泉は函館市内の住宅街の中にあり、およそ温泉地とは思えない場所に佇む地元密着型公共浴場である。
無人の時間帯がほぼ無いため、浴場の写真は撮影できず。
ここ3年のうち多分1年くらいは函館周辺に生息している自分ですが、函館市内で最強の温泉は何処か?という問題は長い間結論の出せないテーマとなっていました。
しかしこの度断言しても良いかな?と思い、この記事を書いている次第。
北美原温泉は函館市内に於いて最強・・・。
敢えてそう前置きをして、総評に参ります。
総評
北美原温泉を函館市内で最高評価に置くにあたって、多角的な評価をしております。
いくつかそのポイントを紹介していきます。
1.湯の鮮度・源泉と加水の割合など
源泉は掛け流しに越した事は無いのだが、函館市内の温泉は何処も源泉温度が高く、源泉をそのまま供給している施設は多くありません。
敢えて挙げるなら富岡温泉と湯の川の永寿湯ですが、どちらも源泉浴槽はとてもじゃないが入れる温度ではない位に熱い。ふざけて飛び込んだら下手すると死ぬレベルです。一般人であれば中温浴槽で相当熱いレベルですので、そういう意味で大衆的とは言えないのです。
しかし加水するにしても源泉が熱くなり過ぎれば必然的に加水する水の量も多くなり、本来の温泉のパワーが薄まってしまいます。北美原温泉は源泉が70℃、加水で43-45℃程度に調整してあります。加水には冷たい井水を使っているようで、極力源泉の良さを落とさない配慮がなされています。
浴槽が大きすぎず、常時鮮度の良い湯が張られているのもポイントです。モールが混じっているのか、鮮やかなエメラルドグリーンに見える露天風呂は見た目にも美しく、その匂いも爽やかな温泉の香りがします。
2.営業時間の長さ
北美原温泉は朝5時から9時くらいまで朝風呂営業をして、次は午後から深夜0時までと早朝と深夜に特化した時間帯で営業しています。普通に都市部で生活していると意外とこの時間帯は風呂の要求が高くなるもので、酒飲んでそのまま寝ちゃった次の日とか、仕事前にひとっ風呂浴びて出勤したり、夜のギリギリに駆け込みで入浴できるという利便性の高さが評価を高めています。
3.露天風呂と水風呂の評価(交代浴の完成度)
北美原温泉の水風呂は露天エリアに存在しており、サウナの直ぐ傍に小さく配置されています。恐らくは井戸水と思われますが外にある為なのか、これが結構キンキンに冷えていて実に切れ味のある水風呂なのです。
そして露天風呂は通常温めに設定される事が多いのだが、ここは常時45℃以上の高温をキープするという、強気の温度設定となっています。水風呂だけなら昭和温泉の方がキンキンに冷えていてシャープな印象だが、露天風呂に関しては昭和温泉の高温浴槽よりも熱いと思われます。
この二つの強力な露天風呂と水風呂の交代浴が、自律神経を極限まで研ぎ澄ませ、軽いスピリチュアル体験ともいえる快楽をその身に齎してくれるのです。
温泉とは自然そのもの・・・宗教体験を超越した、まさしくガイアの力を感じるという訳です。
4.利用者と雰囲気
北美原温泉は前述の通り、地元に愛された銭湯型の温泉施設です。
観光めいた要素が無く、館内BGMも何処か牧歌的な昭和歌謡曲。いちいち古い。
空白の時間帯は無く、常に客はいるが大混雑するという施設ではなく、このバランスの良さが不思議な安心感を感じさせるのです。貴重品ロッカーもコイン不要の鍵付きで煩わしさが無く、設備的に利用者のニーズを最大限に組んでいると云うのもポイントが高い。
5.浴後の牛乳
以前も紹介しましたが、北美原温泉は山川牧場よりもレア度の高い北斗市の鈴木牧場のノンケ(ノンホモ)製法の牛乳を置いています。これホンマに旨いので、ガチの牛乳好きは探してでも飲むべき。
そんなわけで、営業時間の利便性、お湯の鮮度、温度、水風呂、館内設備、利用者の多さ・混雑度、浴後の牛乳という多角的視点で評価をしたところ、この北美原温泉がキングオブ函館市内の温泉という評価に至りました。
もちろん、人それぞれ入り方は様々なのでしょうが、自分の場合は必ず露天風呂と水風呂の交代浴をする為、毎回悟りを啓いたかのような、「生を実感する」清々しい気持ちで入浴を終える事が出来るのです。俗にいう、『整う』というやつですね。
今回は美食なしで、ガチンコ評価で北美原温泉を紹介しました。
しかしあまり混雑されても困るので、観光客の皆さんは湯の川か谷地頭温泉にでも行ってください。(無慈悲)