59・上の湯温泉(パシフィック清龍園の源泉)
温泉
施設外観。この日の気温は春もうららかなマイナス6℃。
内湯の源泉口。高温浴槽の温度は足の指先も痺れる約46℃。
浴室はこんな感じ。入浴料は400円だがアメニティは石鹸くらいしかない。
設備としては古い。
露天風呂。後述するが、源泉掛け流しであるにもかかわらず温度管理が非常に難しいらしい。考察を交えて解説する。
これは夜の露天風呂。岩風呂の縁には針状の硫酸ナトリウム(?)の針状結晶が大量に付着しており、これが鉄分で赤茶色に染まっている。
成分分析書
源泉温度に注目。なんと驚愕の98℃。
熱川温泉並の温度だなぁ・・・。
しかし成分は7.2g/kgとギリギリ低張泉って位には濃い。
当然ではあるが石膏が多すぎて飲用には適さない。
概要
上の湯温泉とは以前紹介した銀婚湯と同じ湯脈の温泉でございます。源泉は別。
清流園から5分も歩けば銀婚湯温泉がある。こちらは由緒ある高級老舗旅館なので、熟年富裕層夫婦向け。
八雲の南端、落部のチョイと先にあるこの上の湯温泉は道南でも屈指の高温泉が湧く秘湯エリアでございます。山一つ挟んで南には濁川温泉があり、このパシフィック清龍園と濁川のふれあい温泉館は経営母体が同じなのだそうな。
その為か、やはりここも源泉かけ流しに相応のこだわりを持っている事が窺い知れる。
源泉98℃もあるのに加水も循環も無しだと・・・?
ワイくらいの温泉マニアになると、この努力がどれくらい大変なものかよーくわかります。そのこだわり故か、この施設では露天風呂の温度管理に相応の苦労を強いられているようです。
その理由がまず泉質。濁川は油の混じった独特の香りの湯が特徴だが、ここ上の湯は正統派の塩類・石膏泉。相当に塩分が濃く、しかも硫酸イオンが豊富で、掛け流しにすると大量の結晶が析出してしまうのである。その為あっという間に配管パイプは結晶で閉塞し、恐らく年に数回は配管を交換せねばならない筈なのだが、この地域は道南でもかなり雪が降るので、どうやら冬季は配管の交換が困難になっているようなのです。(配管ごと雪に埋もれてしまうため)
湯の細くなった露天風呂は温水プールくらいの温度に低下し、とてもじゃないが長湯できる代物ではなかった。
とはいえ、人手も設備も乏しい中でよくぞここまで掛け流しに拘った風呂づくりをやったのは素晴らしい。個人的には応援したい温泉です。
周辺はこんな風景の秘湯。清龍園はマニア向きだと思います。
初心者には銀婚湯がお勧め。
源泉の周辺にある設備もかなり手作り感がある。この日も雪かきに追われているようでしたが、源泉温度が高いだけに扱いが難しい模様。よくぞこんな山奥で此処までのモノを・・・。
ちなみに、かつてこの地に住んでいたという地元の料理人に話を聞いたところ、この上の湯に至る途中には「下の湯」という地名もあって、やはり此処と同じ超高温の温泉が出ていたそうです。
今でも源泉があるのかどうかは不明だが、結局濃い源泉を通す配管が度々詰まってダメになる為、設備を維持するためのお金が捻出できなくなったのだとか。
総評
純粋に温泉としての評価をすると、ここはモノ凄いですよ。
露天風呂はとても長湯できるほどの温度ではないものの、辛うじて温水プール程度の温度はキープされていたので、まず内湯で目一杯身体を温めてから入る事にしました。
内湯は足先が痺れる程熱い!そして極寒の露天風呂へGO!
クッソぬるい湯に漬かってお湯を調査。
そこそこの広さがあるここの露天風呂に濃い源泉が掛け流され続けた結果、岩風呂の縁には湯温の低下による溶解度の低下も相まって大量の硫酸ナトリウム?らしき塩類の結晶が生じていました。
尻の下にザラザラと砂のような感触があり、私は直ぐにこれらが全てこの温泉の湯の花なのだという事に気付きました。
これって・・・露天風呂の溶存成分濃度が実際の成分分析書のスペックよりも比較にならない位に濃くなってない?
普通、成分分析書の値は湧出部位での濃度を記載してある物ですから、広い面積で長い時間外気に晒され続けたこの露天風呂は、水蒸気で散った水分と上澄み湯が流れて減り、実際にはもっともっと濃い濃度になっている筈です。
その効果が実感できたのは風呂上りで、即寝落ちしそうなくらいにドッと疲れが押し寄せてきました。実際、ここの温泉の湯上りの脱力感は有馬温泉並なんじゃないかと思う程の威力があった。
思うに、この温泉の恐ろしい所は露天風呂が異様に塩分が濃くなっているくせに適度にぬるいと云う点に尽きます。何故なら、この露天風呂では誰もが一度浸かると首まで深く浸して外気の寒さから身を守ろうとするわけです。寒くて出られなくなるため、気付けば結構な長風呂になっているんですね。しかも熱々の内湯と交互に入るから自然と温冷交代浴をしていた。露天にはサウナもあったから、サウナとぬるい湯を交互に堪能している人も同様の効果を得ている事だろう。
夏場はきっと露天風呂も熱々になっている事だと思いますが、真冬ならではクッソぬるい露天風呂もそれはそれで面白い体験でしたね。
美食
ここに来る前は数日コンビニ飯ばかりだったから、たまにはいいね旅館メシ。
この八雲ポークの鍋がめっちゃ美味かった。
ビールと飯が進む進む。
浴後の疲労感からしても、宿泊で来て正解でしたね。
温泉レベル的にはかなり上級者向けの施設だと思いますが、一泊料金は割と良心的なので一人旅兄貴には良いんじゃないですかね。上の湯温泉自体がドエライ辺鄙な所にあるので、ピンポイントで狙って来ないとまず来る事はないと思いますが・・・総合的に宿泊場所として高い設備を求めるのであれば、強く銀婚湯温泉に泊まる事をお勧めします。
でも、此処は此処で面白いよ~。
58・水無浜海浜温泉(恵山岬温泉)
温泉
施設外観。日帰り入浴はホテル恵風(ケープ)で入れます。
お値段400円ほど。函館市内から約50km弱程あり、ちょっと時間かかります。
源泉は二つあり、この塩化物泉の浴槽のみが加水無し・放流式の純・掛け流し温泉となっています。結晶も美しいですが、色が透明度高くていいですね。
こちらは重曹泉。少し濁りがあります。成分的にはこっちの方が薄いのですが、カルシウムの結晶化が著しいですね。基本的には追加の湯は掛け流してるそうすが、お湯張り時のみ加水、そして循環方式です。
両源泉を見比べるとこんな感じ。やはり塩化物泉の透明度が際立つ。
成分分析書
こちらが透明な方の源泉。塩が濃く、ガッツリと温まる泉質です。
こちらが重曹泉のほう。成分自体はそれほどの濃さではないですが、硫酸イオンが多いので、噴出口や浴槽の縁に形成されているのは硫酸カルシウムの結晶ですかね。
露天風呂と小浴槽にそれぞれ違う源泉の掛け流しを用意している辺りが施設の湯へのこだわりを感じます。
概要
今回は女子高生バイクアニメ「ばくおん!!」の第4話の元ネタとなった水無浜海浜温泉を紹介します。
ばくおん!!は大体こんな感じでモジャりっ毛の強い漫画。
夏休みを利用して北海道ツーリングをしに青森からのフェリーで函館に到着した佐倉羽音・天野恩紗・鈴之木凛・三ノ輪聖(&早川)の一行。その日に泊まった旅館の風呂は故障しており、金持ち女子高生・三ノ輪聖の提案で翌朝海の見える温泉にいこう!という流れになったわけですが、苫小牧に待つ来夢先輩を忘れて・・・。
劇中では聖ちゃんが「函館には海の見える温泉がありますのよー!」などと軽く言ってますが、位置的には以前紹介した恵山温泉の丁度真裏にあり、市内から此処まで50km位あります。
かつてSV400(無印)というバイクでこの函館に訪れた自分も、この水無浜海浜温泉の噂を聞きつけてフェリーの待ち時間の間に入りに来ようとした事はあったのですが、走っても走っても到達する気配がなく、フェリーに乗り遅れてしまう危険性が高い事から途中で断念した経験があります。
さて、これがその水無浜海浜温泉。
道は此処で途切れており、恵山は外周する事が出来ません。
作中ではこういう描写ですね。夏は海水浴で賑わい、ちゃんと脱衣所あります。
来夢先輩が現れた岩場もちゃんとあるんですねぇ。あんな所にバイクで行けるか!!
以前来た時は水か汚くて入る気が起きなかったんですが、この日は割と透明度もあり、結構状態が良かったですね・・・。色もそうですが、恐らく恵風の塩化物泉と似た泉質かと思われます。温度は海水で薄まって結構ぬるかったです。干潮だったせいか湯量も少なく、やっぱ夏じゃないときついね。
こっちは聖ちゃんの執事・早川さんが入っていた方の浴槽。適温でしたが、やはり浅かったですね。野天風呂好きなら入れると思います。
ちなみに自分はSV400(無印)に始まり
→隼
→BMW・F650CS
→SV650S
→スカイウェブ250
と乗り継いでいるので、ばくおん!!の中で誰推しなのかは・・・解るな?
総評
作中ではみんなサッパリ汗流してますが、実際にこんな海の湯に入ったら身体ベッタベタの髪の毛バッサバサになりまっせ!!
入浴するならホテル恵風をお勧めします。400円だし、安いよ。
前述の通りホテル恵風の風呂は二つの源泉を上手く使ったホテルでありまして、両方の掛け流しが堪能できる設備を持っています。
洗い場もきれいだし、露天風呂も開放感があって素晴らしいです。
源泉の温度自体は重曹泉の方が高く、こちらは外気に冷やされる露天風呂に掛け流しとして使用されています。重曹泉の方は成分自体はそう濃くはないのですが、色に濁りがあって独特の香りがあります。
対照的に内湯の塩化物泉は透明度が高く匂いはあまりありませんが、塩分濃度は生理食塩水よりも濃い高張泉となるので、風呂上がりの温熱効果が非常に高い湯となっています。
水風呂を挟んで交互に入り、〆に内湯の塩化物泉を使うのがベストな入り方でしょう。
しかし強塩化物泉特有の疲労感で風呂上りは何もやる気が起きなくなるので、ライダーの皆さんは無理せず堪能してくださいね。
美食
ランチタイムからはずれていたので、飯は食べられず・・・。
セットメニューがあるのはありがたいですね。周辺には飲食店もないので、入浴狙いで此処に来たなら、食べるならここで食べちゃうのがベストでしょう。
もしくは、道の駅なとわ恵山まで出て食べるのもありかもしれません。
57・江部乙温泉
温泉
施設外観。JR函館本線・江部乙駅の直ぐ近くにあり、なんとビジホです。
浴場の様子。いずれもコンパクトな造りだが、浴槽の種類は多い。
奥が主浴槽で、右が高温、左が低温。いずれも加温の源泉。
右手側奥からジャグジー(真湯)、ジェット(真湯)、以下水風呂(源泉)となる。
江部乙温泉には二つの源泉があり、いずれも冷泉。右の方が冷たい。
この浴場では冷鉱泉をそのまま使うという粋な計らいがされているのだ。
写真の右手にはサウナもあります。
成分分析書
こちらは二号井のスペック。源泉30℃なので、温水プールよりもちょっと冷たい位。
水風呂としてはかなりマイルドで、初心者でも入りやすい。
一号井の分析書は確か浴場内にあったような気がする。撮影はないが、二号井よりも温度の低い17℃位だったような覚えがある。
概要
江部乙温泉はあまり知名度のないマニアックな温泉で、滝川のちょいと北にあるJR江部乙駅の直ぐ側にホテル兼業で経営されている公共浴場です。滝川に住んでいる友人もこの温泉の事は知らなかった模様。
利用客の90%は地元の老人で、空いている事の方が多いです。
お湯の色からも判るように、どーもこの辺りは変わった土質をしているようです。
脱衣所の手前にはこのように土壌サンプルが掲示されており、お湯が白いのはどうもこの土の色のようですね。
JR江部乙駅の様子。派手な色だなぁ・・・。
総評
成分分析書から判る事は標準的な塩類泉という事なのだが、此処は源泉をそのまま水風呂として使っているため、浴感は普通の塩類泉とは大きく異なります。
写真でも分かる通り、白く濁ってはいますが硫黄の湯ではないです。塩化カルシウムではないかと思われます。いずれにせよ、他所ではあまり見ないタイプの白濁泉です。
成分的には温まりそうな湯ではあるのですが、塩カルは水風呂として使う事で何とも言えない冷涼感があります。前述の通り水風呂は二つの源泉で30℃程度の弱水風呂と20℃以下の強水風呂があるので、水風呂をこよなく愛するサウナーや交代浴マニアである自分にとってうってつけの温泉であると云えるでしょう。
高温浴槽が44℃程度まで温かくしてあるので、
のコンボで複数回交代浴をキメるとそりゃあもう気を失いそうなほど、きもちええんじゃ。
冷鉱泉ではあるが、非常に奥の深い温泉だと思います。
高評価!!
美食
江部乙駅の近くには道の駅もあります。安売りされたキムタクが目を引いた。
美味しいものは道の駅でも食べれますが・・・
風呂上りには少し離れて、美唄でラーメンだるまやの泥ラーメンを食べました。
ドロォ・・・って感じで白飯併用必須。この泥ラーメンは結構中毒者が多いみたいで、寒い時期には温泉と併せると最&高、間違いなしでしょう。
56・ススキノ温泉
温泉
都会の陰にひっそりと佇む温泉の看板。
こちらは裏口で、入口はホテル共通です。
浴場の撮影は流石にできず。
成分分析書
源泉名に注目。
今はホテルCABINグループの経営となっているが、元はホテルパコが掘り当てた源泉だったんですよね。
概要
ススキノには自分の知る限り二つの温泉があるんですよ。
スパ・サフロの塩化物泉と、このホテルCABINの含鉄塩泉。
前者は透明な塩化物泉。こっちは色々含まれた茶色い含鉄塩泉でございます。
ここにはホテルパコ時代に宿泊での利用と、先日の雪まつりに異様に薄着で行った帰りに寒すぎて緊急避難したという経緯で利用しております。以下、雪まつりレポ。
時代はプロジェクションマッピングですね。本当にド派手な祭りになりました。
昨年よりは減ったそうですが、今年も凄い人だかりでした。
わーい、たーのしー。
テレビ塔前にはスケートリンクも出来てましたが、これもうスケートする状況じゃねぇな・・・。
前述の通り、今回入ったこのススキノ温泉はこの雪まつり会場から歩きました。
薄着で出てきた上に結構歩いたため、身体が冷えっ冷えでしたよコンチクショウ。
このススキノ温泉は旧・ホテルパコススキノの温泉であり、経営が変わった今もススキノの繁華街から少し離れたホテル街にて入る事が出来ます。
繁華街だけあって入浴料はお高いです。(2200円・タオル付)
ススキノは違う意味で入浴料は安いんだがなぁ・・・。(意味深)
総評
さて、成分分析書の方からおさらい。
温泉と名乗ってはいますが、札幌界隈には地熱が無いため、源泉自体は27.5℃とやはり冷たいです。これを加温&循環方式で提供しているわけですが、源泉の成分自体はかなり濃い(19.41g/kg)ので、加水でもお湯の特徴はしっかり温泉感を醸し出しています。鉄を含んだお湯は茶色く濁っており、見た目も匂いも歓楽街の直ぐ側にあるとは思えないようなちゃんとした浴感があります。
ビジホのホテルにしては浴場はそこそこの広さが確保してあり、サウナ、水風呂、ブラックシリカジャグジーの他に露天風呂もあります。
この露天風呂に行くには屋上まで結構な段数の階段を歩かされるわけですが、それ故にあまり利用者がいません。しかし到達してしまえばテレビの完備された岩風呂や壺湯などもあるので、適度に長湯できる環境が揃ってます。
個人的にはあまり利用者がいないのがむしろ好感・・・かな。
美食
自分くらい道内各地の海鮮を食べ歩いてしまうと、別にススキノで食べる海鮮が一番だとは思わなくなってしまう訳ですよ。確かにススキノの海鮮料理は美味しいけど、函館や苫小牧、釧路でも美味しいモノがありますからね・・・。
そんなわけで、個人的にススキノで推したいのは
焼肉・・・中でもホルモンです。
いやジンギスカンも良いんですけど、大体あの手の店はセットで普通の焼肉もホルモンもやってますからね。北海道は肉も美味い。故にススキノでは肉を喰え!が最近の私のトレンドです。飲み放題の安い酒をガンガンお替りしながら、心行くまで肉をついばむのです。
それでも海鮮が食べたいという方は、金さえ出せば際限なく美味いものが喰えるのがススキノです。このハッカクの刺身は2500円でしたが、それでも東京で食べる事を思えば、凄く安いですよね・・・。
脂の乗ったハッカクは口の中でとろける食感で、めっちゃ美味かった。
ちなみに、ハッカクは天婦羅にしても美味しいのです。
〆はラーメンってのがススキノの定番です。
初めての方は普通にラーメン横丁の味噌ラーメンを食べておけば概ね外れなしに満足できると思うのですが、こってり好き或いは有名店好きの方にはこのすみれをお勧めします。少し並ぶかもしれませんが、すみれは狸小路付近にも出店しているので未体験の人は是非。写真は正油ラーメンです。味噌もひき肉が味吸って美味いですよー。
55・シララ温泉(積丹)
温泉
温泉旅館北都のシララ姫の湯です。
透明度の高い炭酸泉。結構なガス臭があるが、源泉は比較的ぬるいのでガスによる加温かと思ったんだけど、ここって冬は営業してないような・・・。
だとすれば、掛け流しの可能性が高そうです。ガス臭も天然のモノかもしれません。
成分分析書
源泉40℃と絶妙にぬるい。
旅館の入口付近にあるマンホールが源泉なので、冬場に休館しているのだとすればやはり此処は加温なしの掛け流しとみて間違いなさそうだ。
この温泉で注目すべき点は炭酸水素イオンと炭酸ガスの濃度。
どんな事が判るかな?
概要
積丹が積丹ブルーを呈するのにはそれなりに訳があって、やはり地質のなせる影響が大きいと思うのです。
この近隣には以前にも紹介した海水よりも濃い神恵内温泉
とか、変わった泉質の湯が点在しています。
今回紹介するシララ温泉は、そんな積丹半島の最果て神威岬の近くにある温泉旅館に湧くレア温泉です。
総評
成分分析書からも判る通り、豊富な炭酸ガスと重曹を含んだ温泉です。
海沿いだから最初はあまり期待はしてなかったのですが、浸かって程なくしてあのラムネ温泉こと長湯温泉や七里田温泉にも負けない程の炭酸水泡が身体中に纏わりついたので、ここの評価は一転して高評価へと転じました。
道内でもここまで濃い炭酸泉は珍しいです。
炭酸ガスが出ているのでしょうがないのかもしれませんが、強い金気臭と油のような匂いが鼻に突きました。しかし匂いとは裏腹にお湯は見た目の通り透明で、長湯に適したぬるさと、炭酸特融のかなりサッパリとした肌触りがあるので、浴感は非常に素晴らしかった印象。
浴後は予想通りと云うべきか、炭酸泉特有の強力な血管拡張作用でグッタリとした疲れが出てきます。海水浴の後とか消耗し過ぎそうなんだよなぁ。かくいう自分も此処に入る前に神恵内温泉にも入って来たので、疲れが強く浴後は速攻で眠りに落ちてしまいました。
美食
もう何度も積丹の美食は疲労していますが、やはりファーストチョイスはニーウーとなります。
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ただ、今回は比較として・・・
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を載せてみました。どちらも死ぬ前に一度は食べないと絶対に後悔するって位には美味いですが、値段はアクセスの非常に悪い襟裳岬のウニ丼の方が少し安いです。積丹のエゾバフンウニは年々人気が出ており、値段も高騰しております。
温暖化などの影響もあって、そろそろ食べられなくなるかもしれません。
よくウニが苦手な人っていますが、それは塩水生ウニを食べた事がないからだと思います。回転ずしや本州の料亭などで売られているウニはミョウバンで処理した保存ウニであって、この写真の様な現地で食べるガチ生のウニは全くあのエグみと臭みがありません。この味を知らないで死ぬのは非常にもったいないと思うので、北海道に来たら死ぬ前に一度は現地の生うに(特にエゾバフンウニ)ってのを食べてみるとよいでしょう。
積丹町の漁港でも春から夏にかけてはエビも上がるようです。
これ赤海老っていうんですかね?茹でてないのにこの色です。
運転がある為に日本酒をキメれないのが残念過ぎた。
ホタテもタコも美味かったですねえ。
これは美国辺りの店だったと思いますが、身が小さいながら炙りアワビも美味しかったです。
積丹は人気過熱につき、お店の情報は秘匿とします。
自分の足で行って探せ!
あ、でも襟裳岬のうに丼は襟裳岬で食べれるので、行くなら初夏の頃にGO!
54・たらポッキ温泉(鶴ヶ坂温泉)
温泉
施設外観。ぽつぽつと利用客が居るので浴槽の写真は無し。
透明でさっぱりとした、爽やかな温泉。
成分分析書
重曹を含んだナトリウム‐塩化物泉。しかし塩味は殆どなく、お湯もよく磨かれていて透明度が高い。重曹はあるが、モールではない。
堂々の掛け流し宣言。加水はあるが、源泉61℃と温度も高いし、湯量も多いからしゃーない。
概要
たらポッキ・・・?
初見で「!?」となる看板に引き寄せられました。
この温泉は青森から浪岡に抜ける裏道というか、国道7号に入らず旧道の県道247号沿いに入って程なくの所にあります。元々は鶴ヶ坂温泉という湯治場だったが、一旦廃れた温泉を復活させるという形で開湯したものらしいです。
電車ならJR奥羽本線・鶴ヶ坂駅の直ぐ近くなので、電車旅でも立ち寄りやすいでしょう。
経営母体である三幸食品の加工食品「たらポッキ」からその名前が付いているのだとか。鶴ヶ坂温泉の成り立ちについては大浴場の壁に詳しく書いてあるので、詳しく知りたい方は一度入って見て、どうぞ。
総評
たらポッキ温泉は一度は廃湯した鶴ヶ坂温泉が惜しまれて復活した経緯がありますが、何故そんなに惜しまれたのかにはそれなりの理由があります。
湯の写真が無いので詳細は入ってみてから判断して頂きたいのですが、ここの湯は非常に透明度が高く、サッパリとして非常に爽やかな入り心地があります。塩分と重曹が適度に配分された泉質で、しかしその湯に腐植質は無く、大地によってよく磨かれた香りがします。
浴場としては東北の湯治場然としたスタイルを貫いており、浴槽から溢れた湯を感じながら床でゴロ寝するのが正しい堪能の仕方か。
日本は元々透明なお湯が多いので、昨今の温泉ブームでも成分の濃い濁り湯をありがたがる傾向が強いように感じますが・・・実は世界的なトレンドでは全く逆で、透明な湯の方が評価が高いのです。(透明な水が貴重なのと同じ理屈)
昔の日本でも無濾過の温泉は濁りが入る事も多く、透明度の高い湯と云うのは昔から絹の湯と称され高い評価を得てきました。青森市内にも色々な温泉が出ていますが、濁り湯も多く、そう考えるとここの湯が惜しまれて復活したという経緯も何となくわかるような気がしますね。
美食
青森市内で食べたマグロです。
左が大間のマグロで、右が深浦のマグロになります。
脂の多さは大間なんだけども、マグロっぽい味は断然深浦の方が強い。
青森で旬のマグロが喰えるのは春から初夏の頃だと思いますので、遊びに行くならその時期に行くのがでしょう。
酒を飲んだ〆に食ったのはシジミの塩ラーメン。
正統派の透明な塩ラーメンって実はあんまり見なくないですか?
ちなみに店の名前は忘れた。酔っぱらってたからね。しょうがないね。
53・斜里温泉 湯元館
温泉
施設外観。湯治場然としており、バックパッカーやライダーなどに人気の模様。
旅の達人が使う感じの宿だ。
マニアの間でも評価の高いモール泉。お湯の活きは流石に良い。
色は確かに黒みがかっているが、透明度はそこそこある。
成分分析書
やはりというか、当然の如く重曹泉。
モール泉らしく腐植質の記載もある。
概要
斜里町は良いところですよ。のどかでねぇ。THE北海道という感じだ。
そんな斜里町も斜里岳なのか、羅臼関連なのかは知らんけども火山性地熱はあるようで、ここもいい感じの温度の湯が出てます。
あんまりいい写真じゃないが、だいたいこんな雰囲気。
まさにバイクで来いって感じね。ライダーにとっては最高のロケーションだ。
遠巻きに見る斜里岳は結構な名峰で、やはり人は山と共にあるって感じがする。
泉質からも判る通り、ここは昔から肥沃な樹木が生い茂っていた土地なのだろう。
総評
内湯一択の男らしい温泉。
露天風呂などはないが、掛け流しのモール泉が静かに浴槽に張られている。
施設内は古さこそあるがまぁボチボチ整っていて、泊まる分には問題はなさそう。
成分分析上は前述の通り、腐植質と炭酸水素ナトリウムがメインとなるカーボン系の温泉だ。
カーボンがあるって事は地下に有機物が豊富にあると云う事なので、まぁ北海道らしい温泉といえるでしょう。
お湯の感じはさほどヌルヌルしたイメージは無かったが、モール泉らしく仄かに茶色がかっており、普通のお湯よりも明らかに血管拡張作用があるように感じる。
よく温まるという評価は妥当なものと云えるでしょう。
成分もそこまで重くないので、風呂上りにさほど疲れはしなかったです。
美食
サーセン。斜里では何も食べずに通過してしまいました。
清里町のジャガイモ焼酎を張っておきます。
芋は芋なので、風味はサツマイモの焼酎に近い感じだったよ。