温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

21・みろく温泉(香川)

温泉

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突 然 の う ど ん 県

中国地方と四国地方は冷たい放射能泉が多いようで・・・。

「日本薬学会規定によれば、鉱泉のなかで医療効果のあるものは「療養泉」と呼ばれており、そのラドン濃度基準は、8.25マッヘ(=113.0Bq/リットル)以上である。」

という事らしいので、ここの14.2マッヘは及第点のようですな。

 

成分分析表

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四国の温泉も概ね冷たいのが多い。

道後温泉は珍しいパターンなんやね(確信)

 

概要

うどんの大地SHIKOKUは通年通して水不足の土地でしてね・・・。

全ての水はうどんをゆでる為に用いられるという伝説すらある。

 

そんなうどん県では昔から、貴重な水を確保するためのため池があちこちに作られており、このみろく温泉も「みろく池」というため池の直ぐ近くにあります。

 

というか、水資源の少ない土地なのに温泉なんか掘っちゃって、枯渇しないんですかね・・・?

 

総評

分析書を見ると、概ね冷たい鉱泉です。

成分も438.8mg/kgしかなく、まぁ湧き水ですね。

ところがラドンはそこそこ含んでいるらしく、14.2マッヘ/kgというのはキッチリ療養泉の基準はクリアしてきてるようです。

 

しかし、風呂で入る分には加温しなくてはいけないので、恐らく貴重なラドンも飛んじゃって実質殆ど残ってないのではないでしょうかね。

入った印象としては、特にインパクトのない普通のお風呂という感じでした。

 

ただ、水不足の土地にしては加水をしていないそう(循環消毒はしてる)なので、そういう意味ではそれなりのこだわりはあったのではないかと考えられます。

 

私が入ったのは真夏のクソ暑い日で、うだるような暑さの中、お湯を楽しむというよりも水風呂の方がオアシスになってしまったのは皮肉と言えば皮肉かもしれない。

 

とはいえ、みろく池に面したロケーションは悪くないし、何処か牧歌的な雰囲気のある施設は地元の爺さん婆さん達の健康をガッチリサポートしているようで、風呂上りにカラオケに興じる彼等の姿は、埼玉秩父武甲温泉辺りで同じくカラオケに興じている爺さん婆さん達の姿とそう変わんねーなぁ、などと・・・ONSEN大好きな我が国民性をふと感じてしまったものです。

 

道の駅というわかりやすい目印もあるので、SHIKOKUにUDONを食べに来た方は立ち寄ってみるとよいだろう。

 

美食

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うどん&うどん

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それだけじゃないってあんた・・・。

いや、どう考えてもうどんしかないでしょう・・・。(呆れ)

お土産もうどん買ったわ。(キレ気味)

 

何処で食ってもハズレ無し。

糖尿など恐れるな、行けばわかるさ、この旨さ。

 

うどん県に行った事のないあなたは某チェーン店のうどん喰って、ただ麺にコシがあるだけのうどんだと思ってるでしょ?

 

違うんです。

 

温泉美食倶楽部総帥の私が初めて本場のさぬきうどんに遭遇したのは小3の頃でした。それから、20年以上経過して、全国各地のうどんを食して遂に解りました。

さぬきうどんが一体他のうどんと何が違うのか?

それは、しっかりとしたコシの中にもふわふわとした食感が内包している点なのです。

 

しっかりコシがあるんだけど、ふわふわ!

柔らかさと固さが絶妙なバランスで共存するこの麵は、食感を大切にする日本食文化を象徴する一品といっても過言ではないでしょう。

 

あぁ^~たまらねぇぜ。

(また食いに)行きてぇなぁ?

 

以下、食ったうどん屋と温泉情報。

www.merikenya.com

 

www.okasen.com

www.kagawaya.sanukifood.com

ゆ〜とぴあみろく|株式会社さぬき市SA公社(津田の松原サービスエリア・道の駅「津田の松原」・さぬきワイナリー・ツインパルながお)

20・君田温泉

温泉

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突 然 の 広 島 県

「含二酸化炭素‐ナトリウム・カルシウム・マグネシウム‐炭酸水素・塩化物泉」

少し変わり種の泉質を誇る君田温泉。

 

成分分析書

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中国地方らしく、源泉は冷たい。

 

概要

ぶっちゃけ最近できたと思われる中国山地の新興温泉に付き、地元民以外はあまり知られてないんじゃないかと思う温泉です。

ひとたび中国地方を離れれば、君田温泉と聞いて場所が思い浮かぶ方はまずいないでしょう。

 

場所は広島県の山奥、三次と庄原の境の方にある道の駅「ふぉれすと君田」になります。道の駅併設型の温泉施設です。

 

なんでこんな辺鄙な場所の温泉に行ったのかと言われれば、まぁ紆余曲折あるわけですが、広島産なんですよ私。地元の友人の提案でドライブを兼ねて行ってきました。

 

総評

中国地方は冷鉱泉、なかでも放射能泉(しかも薄い)が多く、山陰地方を除けばあまり温泉地として有名なところではありませんでした。

ここも「まぁーどーせ沸かした薄い放射能泉でしょ?」位にしか考えてなかったのですが、成分分析書を見てみてあらびっくり。

 

結構炭酸が多いお湯なんですね。

炭酸ガスとして1000mg/kgって含量は定義としてはギリギリ高濃度炭酸泉に分類される濃度であります。

とはいえ、源泉19℃の冷泉につき加温、まぁこのピカピカの設備上、塩素消毒と循環はしているのでしょうから、実際にどの程度の生きた炭酸が浴槽に届いているのかは不明でしたが、成分としては炭酸ガスとは別に溶存成分としての重曹も多く、弱酸性(pH6.4)の割にツルツルとした肌触りがあるなど、なかなか入っただけではその正体がつかみにくい風呂だったのを覚えています。

成分総計も地味に4500mg/kg程度あるんですね。

なかなか良い濃さです。

 

平日の昼間に行ったので、人がほとんどおらずガラガラで、のんびりとその湯を堪能する事が出来たわけですが、まぁ風呂上りに感じたあの心地よい火照りとけだるさは、やはり炭酸泉としてのポテンシャルをある程度発揮できているといっても過言ではないでしょう。

 

道の駅につき、狙って入りに行くような感じの温泉ではないでしょうが、設備も近代的でキレイですし、興味がある方はその炭酸泉特有のゆるーい浴感を確かめに行ってみては如何だろうか?

 

美食

(三次では何も食べなかったし、紹介できるような写真は)ないです。

もう広島を離れて随分長いですが、三次はワインが名産ですね・・・。

 

場所的にも辺鄙な山の中ですからね、蕎麦を喰うか、アユやヤマメを喰うかって所ですが、まぁこの辺は行った人々に開拓をお任せするって事で・・・。

www.miyoshi-winery.co.jp

 

君田温泉 森の泉

19・咲花温泉

温泉

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エメラルドグリーンの色が美しい大浴場。

自分以外に湯客はおらず、貸切状態でした。

今回入ったのは山側に佇む一軒宿、一水荘。

www.issuisou.com

 

成分分析書

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少し見づらいが、溶存成分自体はそこまで濃い湯ではない。

 

概要

北海道ばかりが続いてましたからね。ここいらで捻りを加えた新潟県五泉市にある名湯・咲花温泉をご紹介します。

 

咲花温泉は阿賀野川流域に点在する無数の温泉地の一つであるが、旅の途中で偶然立ち寄ってみた温泉だった。

地理的に、新潟県民的にはどういう位置づけの温泉なのかはちょっと把握できませんでしたが、市内からもそう遠くなく、奥座敷といった言葉が似合う温泉地なのではないかと思われます。

新潟県内には他にも越後湯沢や月岡温泉を筆頭とした有名な温泉地が多数あり、この咲花温泉はその中でも決して派手さのない、静かな温泉地であります。意外とこうした昔ながらの日本然とした雰囲気は、外国人は好きかもしれませんね。

 

その特筆すべき特徴は美しいエメラルドグリーンの湯で、その見た目と湯の柔らかさは温泉の芸術品に相応しいポテンシャルを秘めているのである。

 

総評

温泉マニアの初心者に陥りやすいのは、とにかく強い湯、濃い湯を求めたがるところでありますが、この咲花温泉の湯は繊細でいて美しく、そして入り応えのある実に珍しい湯となっている。とにかく上品。

 

成分総計1028mg/kg。成分上は辛うじて単純泉を越えた位の薄めの温泉であるが、特筆すべきはその溶存型の硫化水素イオン(HS⁻)濃度である。

硫化水素(H2S)は分子性能としては水に非常に溶けにくく、多くの温泉でもガス型(H2S)として散見される事が良い。溶けにくい硫化水素が湯に溶ける為には強い圧がかかる必要があるわけだが、その圧の根拠は自然の重力・・・地面の重さによるものである。

 

H2S ⇄ H⁺ + HS⁻

※鮮やかな緑色を呈する温泉ほど、HS⁻が豊富な傾向がある。

 

化学的に考察すると、地下深くでできた温泉ほどH2Sは温泉内に溶けやすく、かつHS⁻に電離するためにはアルカリ性に液性が寄らなくてはならないので、硫黄があっても塩酸や硫酸の濃い泉質ではこの緑色の湯は見る事が出来ないし、海沿いのように地熱があっても温泉源が浅いところでは見る事が出来ない。稀有な湯なのである。

 

そして溶存したHS⁻は寿命が短い。この鮮やかな緑色は空気に触れる事で直ぐに白く濁って行ってしまうのである。

 

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右が源泉が注ぐ熱めの浴槽。左は右から溢れた湯が注ぐ、ぬるめの曝気浴槽。

透明な右に対し、白濁している左。おもしれ―。

 

これは(仮)の職業薬剤師としては非常に興味をそそられた温泉で、温泉というのは鮮度が命であるというのが目に見えて判るという、化学的学習要素の高い温泉なのである。

 

それでいて肌触りもヌルツルの硫黄系アルカリ性泉で、入り応えは充分ある。

硫黄原子は酸素原子と同族であるため、身体に吸収されやすい。そして細胞間質の水分子引き込み要員として働いてくれるので、保湿効果もある美肌成分なのでありますよ。

 

いやー素晴らしいですね。咲花温泉は知的で、芸術性が高い温泉だと思います。

 

美食

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米処・新潟ですからね・・・。

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栃尾の厚揚げは外せない。

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米粒がフカフカでたまらん。

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ホルモン焼きなども頂きました。

 

今回は攻めのラインナップですが、新潟市内で一泊しましたので、ちょいと繁華街で鼻を利かせてみたんですよ。数軒回り、〆張鶴大吟醸も呑みました。

まーコメドコロですからね、そら呑みますよ。米さベイシュか~飲ま飲まイェイ☆

 

新潟は結構広いので数日かけないとあちこち回れないのですが、市内でビジホ泊まってもこういう旨い楽しみ方があるんやで?というお話でした。

 

写真は新潟駅付近にあるてっぱん海戦家・海の料理です。

色々地元新潟の食材を使った料理を提供してくれたので、まー満足でしたね。

umi.owst.jp

18・臼別温泉

温泉

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温泉は半露天・半混浴の浴槽のみ。仕切りの奥は女性用となっている。

 

成分分析書

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埃にまみれてボロボロになりかけてはいたが、一応成分分析書は脱衣所にあった。

 

概要

今回は趣向を変えて秘湯系を紹介します。

渡島半島の付け根部分といえば、道内でもなかなか観光客がいかない地域であるわけですが、カニの街・長万部がある太平洋側と違って特に日本海側は本当に驚くほど車が走ってません。

 

北海道に見せられたライダーならわかるはず。

真っ直ぐな道路を独り占めする感覚、プライスレス。

 

いかにも北海道らしい美しい景色が広がる素敵なところなのですが、今回の秘湯はそんな渡島半島の首根っこ部分、せたな町にある臼別温泉です。

 

臼別温泉は江差から北上し、乙部を抜けた辺りの国道229号から少し山に入ったところで右折するわけですが、小さな看板を見落とさないように注意しないといけません。

周囲はマジで何もない所で、熊の危険性もあるので、行くなら比較的人の出入りがある週末の方が良いかもしれませんね。

 

総評

温泉としてはよくあるナトリウム・カルシウム‐塩化物・硫酸塩泉で、成分総計も約3500㎎/kgと標準的なバランスを持つ温泉です。泉質主義の人からすると平凡な泉質なので、とりわけ騒ぐほどの事もない温泉のように感じるかもしれませんが、今回は秘湯がポイントですので、そのロケーションについては高いポイントを与えざるを得ません。

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浴槽には山から直に引かれた管で水と温泉が引き込まれており、適度に丁度良い温度に保たれるようになっています。基本的に無人なのですが、清掃料として気持ち程度のお金を治めるシステムになっています。野天風呂にしては比較的ちゃんと手入れが入っているので、秘湯初心者にもおすすめの野天風呂なのです。

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どうです、この雰囲気。なかなか良い感じじゃないですか?

殆ど人の来ないところなので、この大自然を独り占めしてる感じが良いじゃないですか。手前にある緑色のコップは多分飲泉用に置かれた物ですが、保健所の飲泉許可があるのかどうかは不明。まぁ、死にはしないと思うけどね。

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入口にはこの温泉に関する注意事項と解説があるので、キッチリ目を通しておきましょう。

 

このように、野天風呂初心者には実に優しい温泉となっているのがこの臼別温泉なのでした。しかし写真に載っている通り夏場しかやっていない事と、場所がかなり辺鄙なところにあるので、熊にだけは気を付けていただきたいですねー。

 

 

美食

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せたな町はエゾアワビの養殖で有名な所だったりします。

実はこの時の旅では同せたな町内にある貝取澗温泉のアワビ山荘に1泊し、アワビ尽くしの一夜を堪能しております。普通のアワビに比べると小ぶりでしたが、安い!

 

せたな産のエゾアワビは湯河原の某高級旅館にも卸しているそうで、関東で食ったらそらもういいお値段するんでしょうなぁ。

 

今回は4種のアワビ付きプランで宿泊しましたが、アワビが4つもついて1万ちょいでいいのだからまー安いですよね。

 

奥尻の白ワインと一緒に頂きました。

あぁ^~たまらねぇぜ。

 

ちなみにこのアワビ山荘の温泉も貝取澗温泉という黒茶けた鉄分豊富な温泉で、今回紹介した臼別温泉もそうでしたが、比較的鉄分を含んだ温泉が出やすいようですね。

 

函館からも結構遠いせたな町ですが、北海道で本当に良いモノを食べようと思ったら、やっぱりこういう所まで足を延ばさないとね。

www.awabisanso.com

17・標茶温泉

温泉

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モール質で泡立つ浴槽。特徴的なライオンの口から、茶色い湯がかけ流しされている。

 

成分分析書

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注目してもらいたいのは、自噴という二文字。

 

概要

北海道内でも寒い土地ランキングの上位に食い込む道東の標茶町であるが、ぶっちゃけ車で走ると、農地以外は何もない町のように見えてしまう。

 

摩周湖屈斜路湖、そして川湯温泉を抱える弟子屈町に比べるとあまり観光客も来ないし、釧路からの通過点としてみる人も多いのではないだろうか。

 

それ故に、国道沿いには潰れた温泉施設もちらほらと見受けられる。

シロンドー温泉、五十石温泉など、なんとも寂しい風景が印象に深い。

このように、観光地するにしては些か派手さに欠けるこの標茶町なのであるが・・・実は、一ヶ所現存している温泉施設がありました。

 

上の写真は味幸園という、現在は日帰り温泉のみの営業をしている施設である。

(昔は旅館だったらしい)

 

そして、この味幸園・・・温泉を探し求めて道東をうろついた結果、道東一の温泉はこの標茶温泉である事が私の中で決定しました。

 

総評

この標茶温泉・味幸園を高く評価するにあたって、いくつかのポイントを上げておきたいと思います。

 

1.源泉温度45℃。

→浴槽で丁度43~44℃収まるため、加水加温の必要が無い。生の源泉がそのまま注がれています。初心者には少々熱いかもしれませんが、慣れれば癖になる温度。ガツンと決まる熱さです。

 

2.自噴

→まさか自噴だとは思わなかったなぁ・・・。最近できた国内温泉の殆どは、ボーリング技術の発達により、掘削で地下から掘り当てたものです。自噴源泉の貴重さは言うまでもないでしょう。

 

3.pH9.2のモール泉

→モール泉ゆえに茶色く泡が立ち、独特の土の匂いがします。そしてアルカリ性が強く、モール泉であるが故に、そのツルツル感は半端なく強い。浴槽内では足元が滑って転びそうになるほどです。ちなみにカランからも温泉が出ます。

 

4.湯の鮮度が高い

→実はここが最も大事な要素です。敷地内に源泉があり、しかも自噴。湧出時の温度が適温であるため、湯を冷ますためにプールする必要もない。

・・・要するに、ここの温泉は、他の温泉では再現が難しいような湯の鮮度が、さも当たり前のように再現されているのです。道東でも色々な温泉に入りましたが、ここの湯の活きは最高です。

 

もちろん、60kmほど北にある川湯温泉の湯も強力な酸性泉で非常に珍しいし、弟子屈や阿寒にも素晴らしい湯は沢山あると思うのですが・・・。

阿寒や川湯などの観光地は旅館組合などによる源泉の集合管理となり、そして他の温泉地でも源泉温度が高すぎるが故に少量放流しかできなかったり、逆に源泉温度が低すぎるが故に一旦沸かして放流したり、源泉が細くて循環式にせざるを得ないという温泉など、様々な事情で源泉をそのままドバドバぶん流せる温泉というのは、実はあまり多くないのです。

 

この標茶温泉・味幸園の最大の魅力は、この「湧きだした直後の湯がドバドバ注がれる風呂」に入れる事に尽きます。しかも、結構なアルカリ性で、浴槽に浸かれば尻もツルっと滑るほどのとろみがあります。泉質自体も申し分ない。

 

もしも標茶に来る機会があるのであれば、是非この温泉は入っておくべきだと思います。というか、お婆ちゃんが一人で番台をやってるこの貴重な温泉施設が、なくなってしまわない事を切に願っております。

 

美食

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標茶の話でなくて申し訳ないんですが、色々とドライブインも潰れちゃってますからね・・・。今回は弟子屈町の有名ラーメン店「弟子屈ラーメン総本店」を紹介しておきます。標茶から車で40kmくらい離れてるんですが、ここは各地からラーメンを食べにくるリピーターの多い有名店となっています。

 

新千歳空港にも出店しているので、実は食べた事ある人も多いんじゃないかと思うんですがね・・・。気温の低い道東で食うこのラーメンは、空港で食うラーメンとはまた違った趣がありますね。

 

恐らく、お盆以降に道東を走るライダー達にとっては、暖を取るための最高のスポットなのではないでしょうか。

teshikaga-ramen.com

16・恐山温泉

温泉

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参拝料を払った先にある、境内の中の浴場。シブイ。

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施設全景。快晴でもこの迫力。リアル賽の河原と呼ばれるだけの事はある。

 

成分分析書

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男湯、女湯、あと離れたところに混浴の湯もあり、別源泉。

 

概要

温泉地というよりは日本三大霊場・・・中でも最大級の霊場として有名な恐山です。

霊場としてのイメージが強すぎて温泉があるなんて思いもしなかった人も多いのではないでしょうかね。

温泉マニア的には、貴重な温泉地ですよこの野郎!

 

その浴場は恐山の寺(何寺かというはよう知らん)の中にドンっ!と鎮座していて、参拝料を払って中に入ると、いきなり目の前に掘っ立て小屋があって、そこが共同浴場となっているという、シュールな温泉です。

私が行った時には米軍三沢基地の黒人の兵隊さんが観光に来ていて、熱そうに「アゥ!」と呻きながら入るその様は恐山の中にあって一際シュールな絵図でしたね。

のぅ外人さんや、ええ湯やろ?と言いたくなったわ。

 

小屋の中は至ってシンプルで脱衣所のみ。

寺の境内には男湯と女湯の小屋があるのですが、実は宿泊棟(クッソ小奇麗な宿泊施設)の裏には混浴小屋もあって、ここは別源泉でした。

 

恐らく宿泊棟の中にも浴槽がある事を考えると、この恐山の中には4つ以上の浴槽があるものと思われます。いずれも強酸性の硫黄泉。

 

前述の通り、恐山は霊場です。

歴史的に水子の霊の供養が多いようで、この少子化の現代に於いては、些か考えさせられる施設ではありました。

 

総評

お湯の質から云うとpH1~2の強酸性の源泉です。

ここ恐山はそこかしこから硫黄の噴煙が吹く所謂「地獄」であり、強酸性の源泉には事欠かない模様。しかし血の池地獄や塩屋地獄なんてものもあるくらいなので、掘れば鉄泉や塩化物泉など、いくらか違う源泉も出るのではないかと思われます。

 

とにかくハッキリしている事は、ここは温泉施設ではなく寺なので、浴場は媚びたところが一切ありません。小屋の中は前述の通り脱衣所と浴槽のみで、脱いだらすぐにドボン!温泉であります。当然、源泉かけ流し。加水も加温もなし。

温度はお湯の流量で調節してあります。

 

参拝客の中でもこの湯に入るのは温泉マニアかもの好きばかりなので、基本的に混雑している事は無いと思うのです。仮に混雑していたとして、ここの湯の液性は強酸性の硫酸塩泉。少々の微生物は皆殺しです。塩素で殺菌がどうこうとか、考えなくていいのがこの恐山温泉の良い所ですね。

 

その湯の力は強力で、私は男性浴場と混浴浴場の両方に入りましたが、湯の流入口に肩や腰など、最近色々とダラシネー部位に湯を直接当てて治療を試みたのですが、湯の当たった部位だけが時間差で熱く火照ってきました。

 

これは強力な酸による軽度な炎症反応だと思われ、成分分析書通りの強力な源泉の力をリアルに体感できるという素晴らしい泉質を誇っています。

やはり、かけ流しは成分分析書通りの効果を発揮するので、仏のご加護を感じれる体験となりました。

 

観光目当てにせよ温泉目当てにせよ、恐山はリアル賽の河原の異名をとる日本でも有数の霊場ですので、ここの湯に入るときは神妙な面持ちで静かに利用していただきたいなと思いますね。

 

美食

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下北半島と言えばこれですよ。大間岬のマグロ丼。非冷凍のガチの1杯。

その風味はまるでバター。たまりませんでしたね・・・。

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あと、横浜町で食べたホタテの串焼き。

テリテリの醤油がもうね・・・。

 

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あと青森市内で飲んだ稲村屋酒造の秘蔵の一品。

あぁ^~美味いんじゃぁ^~。

 

北海道新幹線新函館北斗まで開通してしまいましたが、青森はまだまだ奥が深い。

温泉も、そして美食もね・・・!

15・湯の川温泉・永寿湯ほか

温泉

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永寿湯・建物外観

f:id:sticknumber31:20160917114813j:plain永寿湯・浴室

 

成分分析書

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概要

新幹線開通で沸く函館ですが、函館市としての観光の売りは金森レンガ街、函館山のロープウェイ、五稜郭公園、そして宿泊地としての湯の川温泉です。

 

医学系の学会が頻繁に行われるイメージが多い湯の川温泉ですが、とにかく全国的に見れば「函館の温泉といえば湯の川温泉!」という位の認識で間違いはないと思うんですよ。

 

ただ、勘違いしないでほしいのは、函館ってのは湯の川以外にも面白い温泉が沢山湧出しているという点です。今後もここで紹介する事もあると思いますが、

「温泉街としての湯の川温泉は函館一」で間違いないですが、

湯の川温泉が函館で一番凄い温泉!」だとは思わない事です。

 

総評

漁師町であった函館の人々の気質もあるのだろうか、函館の温泉は総じて熱い。

湯の川温泉も殆どのホテルの温泉は観光客に合わせて随分と入りやすい温度に管理してありますが、今回紹介する外湯の永寿湯は中でも特に熱い温泉として有名です。

 

源泉自体は湯の川温泉は温泉街全体で源泉の集中管理を行っているので、この永寿湯の湯は同地区の他の公共入浴施設でも似たようなものだと思ってもらっていいでしょう。

 

成分総計は約9g/kg近くと、ほぼ等張泉(生理食塩水と同等)の濃さ。

陽イオンとしてはナトリウムとカルシウムが多く、陰イオンとしては塩素イオンの他に重曹が多いのもやはり北海道の温泉らしい特徴です。

 

pHも中性で、見た目は透明で味は塩辛く、モール泉ではありません。そのため、肌触りもぬるぬるとした感じはなくサラッとしていて、塩湯らしい塩湯という感じです。

 

写真を見てもらうと判りますが、浴場が熱い湯気ですでにレンズが曇っています。

右手側が低温泉、左奥が中温泉なのですが、低温泉で45℃位あります。これでもしっかりとかけ湯をして辛うじて入れるレベルの熱さです。

日を分けて2度トライしましたが、中温泉は結局は入れませんでした。

恐らく、浴槽の状態によっては50℃近くあるんじゃないですかね…。

 

というか、死ぬでしょアレ…。

 

美食

温泉街としては充分な風格のある湯の川温泉ですが、私は3軒ほど宿泊しています。

うち2つを紹介しますが、1つはこ↑こ↓

isaribikan.hakodate.ne.jp

この漁火館は湯の川温泉街とは別に自家源泉を持つ宿で、濁り湯です。

料理も活イカを始めとして手の込んだ地の食材を使った和食が堪能できたので、温泉と美食を追及する方にはおすすめの宿です。

 

次に

www.amamiyakan.net

やたらと目立つタワー状のビジホ(カプホ)で、格安系の簡易宿です。

元々銭湯としての経営もしていたので、地元に人からも利用されている日帰り温泉施設でもあります。

面白い事に、ここの2食付きのプランでは、夕食を外のお店に食べに出るというプランが用意されています。

自分が選択したのはジンギスカン料理屋のテムジンでのコースプランで、安い割に結構腹が一杯になったので、北海道らしい北海道が堪能できるという意味で、ナイスなチョイスだったと思います。

temujin.meisanichiba.jp