温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

137・伏白稲荷温泉(旧・陣川温泉)

温泉

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施設外観。

元々陣川温泉という名称だったが、前オーナーが首を吊・・・ご逝去されたため、新しいオーナーの元で再スタートを切ったという色々といわく付きの温泉施設。

 

浴場写真は・・・公衆浴場なので無し!!

 

成分分析表

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このスペックを見て温泉マニアがときめかない筈がないんですよ。

何故なら、単純泉ながらイオン型の硫化水素イオンが12.5mg/kgも溶けてるじゃないですか。一方で、ガス型の硫化水素イオンが無い。これは非常に珍しいタイプの硫黄泉です。これを見た時点で、色や浴感が大体想像できるようになったら一人前の温泉ソムリエやね。

 

概要

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陣川エリアは五稜郭・・・じゃなくて、四稜郭とかいうマイナー史跡のさらに奥地にある住宅街です。地図上だとこのように市街地からはかなり離れた場所にある事が判りますね。

 

故に、観光客はまず来ないどころか、その存在すら知らないという温泉であります。そもそも名前変えて再開したのもごく最近ですからね。湯の川付近と違って標高も若干高いので、地熱もあまりありませんが、それでも泉温が28.1℃ある辺りは流石。

 

最初に書いた通り、元々ここは陣川温泉として経営していたそうですが、前オーナーがご逝去された事によって、経営者が変わってリニューアルしたという経緯がある温泉です。前オーナーも経営が苦しかったみたいですが、確かに場所が場所ですからねぇ。ワイの様な温泉マニア位しか狙って来ないような場所にあります。向かいのパークゴルフ場と同じ経営らしいので、まぁ地元民には利用しやすいのかもしれませんね。

 

総評

函館に唯一の硫黄泉があると聞いて前々から入りたいと思っていた温泉だが、先の事情で入れない状態が続いていたので、念願かなってようやく入れた温泉でした。

 

施設は出来たばかりで、ピカピカで云う事なし。

浴場には低温浴槽、高温浴槽、人工炭酸泉、水風呂、サウナと一通り揃っているが、何故か露天風呂はない模様。冬場のメンテを心配したのか、敢えて用意しなかったようですね。

 

泉質はアルカリ性の単純硫黄泉。先に書いた通り、イオン型の硫化水素が豊富な、稀有な温泉である。最初に気付くのは、やはり湯は透明ながら濁りは無く、しかし緑色がかった色調を呈している事である。

 

新潟の咲花温泉ほど鮮明な緑色ではないが、仄かに緑がかっている感じ。そして、やはり高温浴槽と低温浴槽とでは湯の色が異なるのである。加温が著しい高温浴槽では若干の白濁が生じていて、鮮やかなのはやはり低温浴槽の方だった。

 

肌触りにしても、やはり低温浴槽の方がヌルヌルツルツルとした触感が強い。この手のイオン型硫化水素泉は、やはり曝気・加温による劣化が著しいというわけやな。明らかに湯の状態は低温浴槽の方が良かった。

 

なるほど、同じ函館市内と言っても、ここの泉質は異質中の異質。ヌルツル系なので、市内の塩類泉のようにガッツリ決まる感じはないが、ゆるく長く入ってしっとりと硫黄を感じ取る温泉である。そもそも単純泉なので、普段ガッツリ塩類泉に慣らした市内の人間には少し物足りなく感じる浴感かもしれない。経営面で苦戦した背景には、地元民の泉質に対する嗜好も足かせになったのかもしれない。良い湯なんだけど、知らなきゃただのぬるい湯になっちゃうかー。

 

市内には高温の良泉があちこちに湧く函館界隈ですが、このような変化球の泉質も抱えている辺り、やはり面白いし、奥が深い。南茅部まで行けば豊富な硫化水素を含む白濁の大船温泉があるし、塩類泉は市内全域が対象。恵山にはアルミニウム豊富な酸性泉も出ているし、上ノ国にまで行けば炭酸泉もある。濁川はアブラ系だし、とにかく道南エリアは温泉のバリエーションが豊富なんですよね。

 

美食

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函館といえばやはりこれですね。活イカ。コロナのせいで需要が落ちて値段が下がりまくりなの。イカ1杯で800円。やすぅい!!

頭部は生きて動いてますが、頼めば焼きにもしてくれます。

 

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マグロやタコも旨し旨し。

特にマグロは、津軽海峡を挟んで大間も近い事もあってか、本当にいい品が流通しています。函館は美味い物が豊富やね。

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あーあと忘れちゃいけませんね。鈴木牧場の牛乳は道内に於いて最強。

即ち、日本最強の牛乳です。

温泉のハシゴは当然なので、こいつは北美原温泉にも入りに行ったついでに飲みました。やはり北美原温泉は浸かるドラッグ。風呂上がりのこいつでシモからテッペンまでキマりまくりよ。もう気が狂う程、気持ちええんじゃ。