109・ヌプリオンド温泉
温泉
透明な硫酸塩泉。この温泉は各部屋に専用に用意されており、完全貸切。
いずれも小さな露天風呂での利用となっている。
源泉タンクからはそれほど離れておらず、なかなかいい鮮度が保たれていた。
成分分析書
クセのない薄めの硫酸塩泉。珍しく炭酸水素イオンが少ないので、さらりとして初心者でもなじみやすい温泉だと思われる。
概要
今回お邪魔したのは道東にある屈斜路湖周辺にある「小さなオーベルジュ・てぃんくる」というペンションで、ヌプリオンド温泉というのは屈斜路湖周辺にあるこの別荘地に引かれた、居住者専用の温泉です。
日帰り入浴も頼めばさせてくれるんでしょうが、個人宅感の強いペンションだけにハードルが高いので、詳細については後述しますが、是非宿泊で利用して頂きたい。
これが別荘地に提供されている源泉のタンクで、なるほど周りを散歩してみると辺りの別荘からも個人宅で整備された露天風呂らしい建物から湯気が濛々と上がっているではないか。
直ぐ近くにはコタン温泉や和琴温泉なども出ているわけですが、いずれも個性が全然違う。それに、ここは公共浴場が無いのである意味入浴体験としてはとても貴重な温泉です。
辺りはこんな感じで、一体どんな人々が此処で暮らしているのだろうか?等と色々な想像はしてしまうが、総じて嫌世的というか・・・自然と共に生きる的な、文明から隔絶した感のある別荘地でした。
辺りには農地も拡がっていて、これは早朝に散歩をした写真なのですが、凍り付いた泥が少し心地の良い踏み心地でね・・・もうなんていうか、訳もなく哀しくなってくるような郷愁のある風景が広がっていました。
ただ、人生には時にそういう時間も必要です。
この「小さなオーベルジュ・てぃんくる」ではゲストは離れにある部屋に宿泊しますが、この部屋にはテレビやWi-Fiといった世間とのつながりは一切無く、各部屋に備え付けられた温泉だけが私達を待っています。
此処は温泉を通じて、そうした個人の時間を取り戻してくれるペンションなのです。
ひゅー、歪みねぇな・・・。
総評
この施設では各ゲストの部屋に専用の露天風呂が付いている貸切方式の温泉で、とにかく周囲から隔絶された雰囲気が最高にCOOLです。温泉とは別にユニット式のバスもあるので、外の風呂を入る前に身体はそちらで洗うとよいでしょう。
最初は夜に入ったのでモール質のある濁り湯なのかと思いましたが、翌朝撮った冒頭の写真でも分かる通り、全く透明な優しい硫酸塩泉でした。
お湯の匂いは爽やかで活きが良く、タンクが施設の直ぐ近くにあった事から、それほど湯の草臥れはないようでした。別荘地の規模からして混合泉ではなく単一源泉。
湯は浴槽の底から少量フローされていて、源泉は50℃と結構熱いので加水でお湯の温度を調整しているようです。
宿の主人に頼むと温度は適宜調整してくれます。ぬるくして長湯するもよし、熱くして源泉を堪能するもよし、個人専用の風呂でここまでできるのはありがたいですよね。
泉質は前述の通り薄めの硫酸塩泉で、香りも良いしクセが無くとても入り易かった。
チェックインからチェックアウトまでに4回位入ったけど、泉質はかなり軽いので湯疲れしないと云うのがこの温泉の良いところですね。
美食
オーベルジュというくらいですから、洋食のコースでした。
赤ワインのボトルをイン。
前菜。この時点で大分オシャレ。トマトのカプレーゼが目を引きます。
サーモンのフリット。一瞬で腹に消えた。
サツマイモのポタージュなので、甘くておいC。
牛スネ肉の煮込み。これは絶品だった。
元々固い脛肉だけど、柔らかく煮込んであってとても柔らかかった。
デザートの抹茶ケーキとアイス。ご満悦やったねぇ。
メニューはこんな感じでした。
朝ごはんもオーガニックな逸品が揃い、野菜なやハムなども自家製みたいです。
パンも手作りで非常に美味しかった。
正直また行きたい。
さて、今回は趣向を変えた紹介でしたが、とにかく時間をゆっくりと過ごしたい人向けのプレミアムな温泉でした。
日頃から新宿とか上野辺りの自動改札機で流れを断った人に舌打ちを打つくらいには精神が摩耗・疲弊している社畜の皆さんには無理矢理にでも休みを取って、是非一人で入りに来ていただきたい温泉ですね。
もう疲れた・・・正直もう誰とも関わりたくない・・・。
そんなあなたにお勧めです。