温泉美食倶楽部活動報告書

温泉と適当に飯など

59・上の湯温泉(パシフィック清龍園の源泉)

温泉

f:id:sticknumber31:20180316221003j:plain

施設外観。この日の気温は春もうららかなマイナス6℃。

f:id:sticknumber31:20180316222039j:plain

内湯の源泉口。高温浴槽の温度は足の指先も痺れる約46℃。

f:id:sticknumber31:20180316222206j:plain

浴室はこんな感じ。入浴料は400円だがアメニティは石鹸くらいしかない。

設備としては古い。

f:id:sticknumber31:20180316222327j:plain

露天風呂。後述するが、源泉掛け流しであるにもかかわらず温度管理が非常に難しいらしい。考察を交えて解説する。

f:id:sticknumber31:20180316222705j:plain

これは夜の露天風呂。岩風呂の縁には針状の硫酸ナトリウム(?)の針状結晶が大量に付着しており、これが鉄分で赤茶色に染まっている。

 

成分分析書

f:id:sticknumber31:20180316222913j:plain

源泉温度に注目。なんと驚愕の98℃。

熱川温泉並の温度だなぁ・・・。

しかし成分は7.2g/kgとギリギリ低張泉って位には濃い。

当然ではあるが石膏が多すぎて飲用には適さない。

 

概要

上の湯温泉とは以前紹介した銀婚湯と同じ湯脈の温泉でございます。源泉は別。

f:id:sticknumber31:20180316223140j:plain

清流園から5分も歩けば銀婚湯温泉がある。こちらは由緒ある高級老舗旅館なので、熟年富裕層夫婦向け。

 

八雲の南端、落部のチョイと先にあるこの上の湯温泉は道南でも屈指の高温泉が湧く秘湯エリアでございます。山一つ挟んで南には濁川温泉があり、このパシフィック清龍園と濁川のふれあい温泉館は経営母体が同じなのだそうな。

その為か、やはりここも源泉かけ流しに相応のこだわりを持っている事が窺い知れる。

f:id:sticknumber31:20180316223759j:plain

源泉98℃もあるのに加水も循環も無しだと・・・?

 

ワイくらいの温泉マニアになると、この努力がどれくらい大変なものかよーくわかります。そのこだわり故か、この施設では露天風呂の温度管理に相応の苦労を強いられているようです。

 

その理由がまず泉質。濁川は油の混じった独特の香りの湯が特徴だが、ここ上の湯は正統派の塩類・石膏泉。相当に塩分が濃く、しかも硫酸イオンが豊富で、掛け流しにすると大量の結晶が析出してしまうのである。その為あっという間に配管パイプは結晶で閉塞し、恐らく年に数回は配管を交換せねばならない筈なのだが、この地域は道南でもかなり雪が降るので、どうやら冬季は配管の交換が困難になっているようなのです。(配管ごと雪に埋もれてしまうため)

 

湯の細くなった露天風呂は温水プールくらいの温度に低下し、とてもじゃないが長湯できる代物ではなかった。

 

とはいえ、人手も設備も乏しい中でよくぞここまで掛け流しに拘った風呂づくりをやったのは素晴らしい。個人的には応援したい温泉です。

 

f:id:sticknumber31:20180316225050j:plain

周辺はこんな風景の秘湯。清龍園はマニア向きだと思います。

初心者には銀婚湯がお勧め。

f:id:sticknumber31:20180316225215j:plain

源泉の周辺にある設備もかなり手作り感がある。この日も雪かきに追われているようでしたが、源泉温度が高いだけに扱いが難しい模様。よくぞこんな山奥で此処までのモノを・・・。

 

ちなみに、かつてこの地に住んでいたという地元の料理人に話を聞いたところ、この上の湯に至る途中には「下の湯」という地名もあって、やはり此処と同じ超高温の温泉が出ていたそうです。

今でも源泉があるのかどうかは不明だが、結局濃い源泉を通す配管が度々詰まってダメになる為、設備を維持するためのお金が捻出できなくなったのだとか。

 

総評

純粋に温泉としての評価をすると、ここはモノ凄いですよ。

 

露天風呂はとても長湯できるほどの温度ではないものの、辛うじて温水プール程度の温度はキープされていたので、まず内湯で目一杯身体を温めてから入る事にしました。

 

内湯は足先が痺れる程熱い!そして極寒の露天風呂へGO!

 

クッソぬるい湯に漬かってお湯を調査。

そこそこの広さがあるここの露天風呂に濃い源泉が掛け流され続けた結果、岩風呂の縁には湯温の低下による溶解度の低下も相まって大量の硫酸ナトリウム?らしき塩類の結晶が生じていました。

尻の下にザラザラと砂のような感触があり、私は直ぐにこれらが全てこの温泉の湯の花なのだという事に気付きました。

 

これって・・・露天風呂の溶存成分濃度が実際の成分分析書のスペックよりも比較にならない位に濃くなってない?

 

普通、成分分析書の値は湧出部位での濃度を記載してある物ですから、広い面積で長い時間外気に晒され続けたこの露天風呂は、水蒸気で散った水分と上澄み湯が流れて減り、実際にはもっともっと濃い濃度になっている筈です。

 

その効果が実感できたのは風呂上りで、即寝落ちしそうなくらいにドッと疲れが押し寄せてきました。実際、ここの温泉の湯上りの脱力感は有馬温泉並なんじゃないかと思う程の威力があった。

 

思うに、この温泉の恐ろしい所は露天風呂が異様に塩分が濃くなっているくせに適度にぬるいと云う点に尽きます。何故なら、この露天風呂では誰もが一度浸かると首まで深く浸して外気の寒さから身を守ろうとするわけです。寒くて出られなくなるため、気付けば結構な長風呂になっているんですね。しかも熱々の内湯と交互に入るから自然と温冷交代浴をしていた。露天にはサウナもあったから、サウナとぬるい湯を交互に堪能している人も同様の効果を得ている事だろう。

 

夏場はきっと露天風呂も熱々になっている事だと思いますが、真冬ならではクッソぬるい露天風呂もそれはそれで面白い体験でしたね。

 

美食

f:id:sticknumber31:20180316232657j:plain

ここに来る前は数日コンビニ飯ばかりだったから、たまにはいいね旅館メシ。

f:id:sticknumber31:20180316232812j:plain

この八雲ポークの鍋がめっちゃ美味かった。

ビールと飯が進む進む。

 

浴後の疲労感からしても、宿泊で来て正解でしたね。

 

温泉レベル的にはかなり上級者向けの施設だと思いますが、一泊料金は割と良心的なので一人旅兄貴には良いんじゃないですかね。上の湯温泉自体がドエライ辺鄙な所にあるので、ピンポイントで狙って来ないとまず来る事はないと思いますが・・・総合的に宿泊場所として高い設備を求めるのであれば、強く銀婚湯温泉に泊まる事をお勧めします。

 

でも、此処は此処で面白いよ~。