25・八幡平周辺五湯(総集編)
温泉
その1・黒湯温泉
乳頭温泉郷の最奥地。
2種類の源泉があるが、いずれもpH4~5の弱酸性・含硫黄・単純泉。
写真は源泉湯畑。源泉約55℃。
その2・大釜温泉
乳頭温泉のやや奥地の温泉旅館。
白いが、やや黒みがかった鉱泥が見受けられる。
pH2.5の酸性・含硫黄・単純泉。写真は露天風呂。源泉約94℃!
その3・玉川温泉
云わずと知れた公共浴場としては「世界最強の酸性泉」である。
pH1.12の酸性・含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)・アルミニウム・塩化物泉。
写真は源泉の大噴(おおふけ)。源泉97.6℃で、毎分9630L湧出!
有人の為・写真無し
その4・後生掛温泉
八幡平アスピーテラインにひっそりと存在する名湯。
pH3の酸性・含硫黄・単純泉。源泉約88℃。
その5・松川温泉
これはアスピーテラインを越え、岩手側の松川温泉。
pH5.5、弱酸性・含硫黄・単純泉。
写真は峡雲荘・露天風呂。源泉約65℃。
成分分析書
その1・黒湯温泉
その2.大釜温泉
その3・玉川温泉
その4・後生掛温泉
その5・松川温泉
概要
温泉マニア・温泉ソムリエとしてはどうしても押さえておきたかった念願の乳頭温泉に行って来ました。今回はその周辺温泉も含め、1泊2日で5ヶ所の温泉に入り倒してきたので、それぞれに関してざっと解説していきます。
その1・黒湯温泉
乳頭温泉郷の奥地にある事で有名な秘湯感の高い温泉です。
宿も山小屋然とした秘湯であり、登山客も多い。
湯畑があり、そこで自然冷却して引湯している。
その2・大釜温泉
乳頭温泉のやや奥地にある昔の木造校舎を利用した旅館です。学校があったわけではないそうですが、建築物自体が元学校だったモノを使用しています。
ここも自然冷却によるかけ流し。
その3・玉川温泉
北投石がある事で有名なガチの湯治場。温泉も有名ですが、ガチで病気の療養に来た方にとっては岩盤浴こそが本命。ガイガーカウンターが著しく反応する天然の放射線治療機。ここも自然冷却によるかけ流しだが、湯が強いため加水した物もある。
その4・後生掛温泉
有名になりすぎた玉川温泉や乳頭温泉を避ける人の為の隠れた湯治場。
鉱泥が豊富らしく、ぬるい泥湯がクッソ気持ちいい。例によってかけ流し。
その5・松川温泉
岩手が誇る青みがかった乳白色の温泉。地熱発電施設がある。
当然かけ流し。蒸気を使った人工造成泉があると聞いた事があるが・・・?
総評
八幡平周辺の温泉を入り倒して気付いた事ですが、全て硫黄泉でした。
だが、硫黄なんですけど意外とそれ以外の成分が薄い。
お気付きだろうか?
5ヶ所中4つが単純泉なんです。硫黄は含むけど、あまりミネラルが無いという。
これは考察に過ぎませんが、元々深く掘削して出た湯ではない(ほぼ自然湧出)ので、比較的浅い地層の水源からの湧出につき、あまり塩類成分が多くないのかもしれません。
しかし湧出部位が低いからといっても、これだけ硫黄が豊富な地域は他にあるだろうか?火山地帯の温泉はかくあれど、硫黄が出る火山温泉というのは割と限られています。伊豆大島の三原山温泉も硫黄泉じゃなかったし、北海道駒ケ岳の温泉も硫黄泉じゃなくて重曹系のモール泉でした。やっぱ掘る部位・深さの問題なのか?
同じ岩手でも花巻温泉の方は透明な塩類泉が多く、夏油温泉も山自体に地熱はあり、湧出部位は浅いがその泉質は硫酸塩泉でした。
つまり硫黄と水と地熱・・・この3つが見事に揃っての単純硫黄泉というわけです。
酸性の湯が多く、分子型の硫化水素泉が少ないのも、湧出部位が浅い=大地の圧が低い証拠なのでしょう。
温泉学というのはある意味で教養の一つでありますが、考察を入れれば入れるほど、この八幡平という山の神秘性が感じられるというものです。
しかしやはり硫黄泉は素晴らしい。
見た目にも美しい白濁した湯は、現代人が真っ先にイメージする温泉らしい温泉に違いない。湯治場然とした昔ながらの雰囲気も、同じく我々日本人の追い求める理想の温泉像の一つなのだろうね。
また一つ勉強になりましたわ。
美食
やられてしまいました。(東屋のわんこそば)
わんこそばの良いところは、急いで食べなくても普通に美味いんです。
大釜温泉の旅館飯。
わんこそばの後だったので、この位でも充分でした。
松川温泉の旅館飯。
山菜が豊富でいい。
いわて沼宮内駅近く、4号線沿いにあるサロン・ヴィラの和牛オムカレー。
レンタカーの場合、新幹線の待ち時間の間にも丁度良い。
岩手に着いたら、まだチャレンジした事ない人はわんこそば食うべし。
学生時代の記録では80杯でしたが、今回135杯でした。(白目)
あと、岩手では肉を喰え。肉。酪農王国なので、とりあえず肉です。
岩手県内は焼き肉屋も多いので、焼肉でもいいと思います。
冷麺と焼き肉、イイネ!