温泉美食倶楽部活動報告書

元・伊豆の海原雄山です

6・禰宜之畑温泉

f:id:sticknumber31:20160523223218j:plain

温泉

写真は町営やまびこ荘の浴槽

西伊豆町営やまびこ荘 温泉分析書

成分分析表

 

概要

西伊豆の海沿いの国道から県道59号(伊東西伊豆線)を進むと、仁科峠の手前に大沢里という小さな集落がある。禰宜之畑温泉はここの旧小学校の敷地内に湧く温泉で、現在は廃校となったこの小学校は「やまびこ荘」と名を変え、町営の宿泊施設として伊豆内外から多くの人々に親しまれている。

 

熱い湯が多く湧く伊豆の中にあって、源泉温度にして39℃という絶妙な湯温を誇るここの温泉は、伊豆の他のどの温泉地にもない癒しを提供してくれる湯として、かなり希少価値が高い事は云うまでもない。

 

そのぬる湯の温度は絶妙で、冬こそ加温が必要であるものの、夏場はその豊富な湯量もあってか、全く加水も加温もすることなく湧いたまま浴槽に注がれ続けており、その湯の高い鮮度を感じながらもさして熱くはないので、長く入っていられるというのが最大の魅力の一つであろう。

 

総評

39℃の中温泉にして、主たるイオンは陽イオンにしてカルシウム>ナトリウム、陰イオンにして硫酸イオンという典型的な石膏泉である。

 

カルシウムイオンが豊富なため、水道蛇口付近には白い結晶が大量に付着しており、湯の味も塩味は低く、硫酸塩特有のエグ味があるのが特徴。飲泉は可否は不明だが、もしも飲泉が可能であれば、その硫酸イオンの豊富さから便秘によく効く湯となるであろう。

 

pHは8.9とそこそこにアルカリ性であるが、カルシウム分が濃いためかヌルヌル・ツルツルとした肌触りはなく、むしろ陽イオンが効いた突っ張る感じの湯である。成分総計も1758mg/kgとそれほど重い湯ではないが、静水圧的には長湯するにはちょうど良い重さであるともいえる。

 

この温泉はやまびこ荘の他に配湯している施設がほとんどない事から、湧きだした湯をそのまま掛け流して使用している。そのため湯の活きが良く、長湯するにしてもいつまでも湯が新鮮で、非常に心地よく長湯できるのが特徴である。

 

成分的には低張泉であるが故に、水分は細胞膜を通って身体に吸収される傾向があるが、豊富な硫酸イオンは特に保湿効果も高いので、長湯でしっかりと温泉を身体に吸収した後は、浴後直ぐにオイルなどでコーティングなどをするとなお美容にも良いと思われる。

 

中温泉で長湯になるだけに、浴後は炭酸泉に入った後のような心地よいけだるさが身体中を包む。血管の継続的な拡張が予測されるため、風呂上りに薄着でウロウロするとたちまち体調を崩してしまうので注意が必要である。

 

美食

西伊豆の温泉であるので、食そのものは西伊豆町内で海産物を食べるのが良い。禰宜之畑温泉にも民宿があるので、そこで泊まって腕をふるってもらうの良いだろう。

しかし敢えて禰宜之畑温泉の何某かをアピールするならば、伊豆の湧水を美食の1つとして推したい。

 

やまびこ荘からほどなく山奥に進むと、「わさびの駅」という小さな道の駅的な施設があるのだが、ここの最大の売りはわさびではなく「天城深層水・健」である。

 

適度にカルシウムと硫酸イオンを含んだ水は、なるほど禰宜之畑温泉のルーツを感じさせる中硬度の水であり、天城の山奥で風呂上りに飲む湧き水ってのも、なかなか乙なものでもあります。

 

風呂上がりに県道59号を抜ける際には必ず目にする施設なので、この道を通過する際は是非立ち寄ってみるとよいだろう。