温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

94・熊石ひらたない温泉

温泉

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施設外観。ホテルと一体化した施設。

写真には写ってないが、右手にもっと大きな建物がある。

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透明な内湯。最初は加水で張ってるかもしれないけど、あとは少量ずつ源泉をフローしている。

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露天部風呂。浴槽が小さいのでこっちの方が源泉は濃いかもしれない。

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ジャグジーの湯は海洋深層水+水だそうで、消毒循環式。

 

成分分析書

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標準的な塩類泉。源泉は57℃あり、フロー部分の湯はかなり熱かったので、恐らく浴槽にはこの温度のまま流されている。

 

概要

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秋田にもひらたない温泉ってあるらしいけど・・・。

ここは八雲の西端、熊石地区にある温泉です。

こうしてみると八雲って西も東もキッチリ温泉が湧いてるんだよなぁ。

歪みねぇ。

 

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この渡島半島の西側は水も貴重だったらしく、海沿いの国道沿いにはこのような名水の跡がいくつか見受けられる。

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せたなの貝取澗と同じように、この熊石地区もアワビの養殖を産業としている。

館内にはこのようにアワビに関する資料が展示されていた。

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クトゥルフ神話かな?

 

総評・・・の前に

実は此処の源泉なんですが・・・

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恐らくこれ。

ひらたない荘の更に上にある秘境で、現在は恐らく進入禁止になっています。

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現在は此処までも行けなくなっている。

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恐らくこれが熊石ひらたない温泉の源泉。岩の下から湧出していて、下流の岩の窪みに湯を溜めて野天風呂としている。

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渓流の水を注ぐ事で温度を調整している。

この風呂の近くには脱衣所があるが、他に人がいた場合は窃盗に気を付けましょう。

どうも常習犯がいる模様。

 

総評

湧出部位でのガスには硫黄の匂いがあったが、施設で入った温泉には全くそう言った気配はない。よくある塩類泉だが、透明度が高いのが好感度が高い。

 

源泉部位も見たわけだが、その時点でも湯は透明。

掘削部位は違うかも知れないが、恐らく湯脈は同じと思われます。

 

塩分も濃くないので総じて入りやすい湯。

浴室はカラン等も含めて一般ホテルとしてそれなりに整然とした空間になっていて、温泉マニアでなくても普通に入りやすい施設だと思われます。

水風呂も完備だが、張り置き式なので水は徐々に草臥れて行く。

 

源泉としてはそこそこの重曹も含んでいるため、しっかりと交代浴して入れば浴後の効果はしっかり出てくれた。少し黄色がかっているかのように見えたが、やはり硫黄ではなく土の成分ではないかと思われる。

 

美食

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宿泊費に5000円ちょい足すだけでエゾアワビが8品もついたコースが食べられる。

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アワビその1、お造り

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アワビその2、西京焼き?

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アワビその3、塩水漬け。これが一番美味かった。

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アワビその4、天婦羅だったっけ?

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アワビその5、踊り焼き

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アワビその6、ウニ味噌との和え。これは酒との相性が抜群だった。

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アワビその7、ウニとの煮込み鍋。

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アワビその8、煮付け。

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奥尻の白ワイン。限定のピノグリスで頂きました。

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ピノグリスは酸味が強く、爽やかな飲み口。

アワビと抜群に合う。

温泉、美食、トータルバランスで云ったらここは最もコスパが良いかもしれんな・・・。

ちなみにこのワインは持ち込みです。

ホテルでは乙部ワインを提供しているのですが、この時はワインを切らしていたそうなので、特別に持参のワインを食卓で開けさせてもらいました。

 

しかしまぁ・・・自分も色々と美味いものは食べてきましたが、やはり北海道は最強。ここまで美味いものを食べまくっていると、東京とか出ると海鮮を食うという選択肢が消えてなくなってしまいます。いや、美味いものは東京にもあるんでしょうけども、それは恐ろしく高い金を払わないと手に入らない代物になっているからです。まぁ、旅に出ずして美食をするのだからそれが対価なのだと思うのですが、自分はこうして現地で食べるのが好きですね。

 

この熊石温泉だって、新函館北斗からレンタカーでほんの1時間半ですよ。

 

あとは・・・お金と時間をどう作るかだけです。

 

93・壮瞥温泉

温泉

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反射で黒っぽい湯に見えるが、ほぼ透明です。

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この通り。水源が洞爺湖の水だと思われるが、透明な低濃度重曹泉です。

 

成分分析書

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混合泉で44℃。敢えてちょうど良い温度にして掛け流しにしている・・・?

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以前も洞爺湖温泉の記事は書いた事があるのだが、

 

sticknumber31.hatenablog.com

近いけども別源泉。

今回泊まったのはホテル中の島という、昭和新山よりの施設です。

 

概要

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北海道の火薬庫・洞爺湖のまさにど真ん中にある壮瞥町

昭和新山に繋がるであろうこの大地は、豊富な水をたたえる洞爺湖によって水をくべられ、透明感のある湯を放ち、この地に溢れる。

 

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有珠山から見た昭和新山壮瞥町

右にあるアイツが熱源。

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そしてこれが水源。温泉は熱源と水源があって初めて湧くんやな。

 

総評

洞爺湖温泉は観光観光していてあまりかけ流しをしている施設が無かったので、個人的に少し敬遠していた所があったんだけどな・・・。

 

探してみればあるものです。源泉かけ流し。

とはいっても、洞爺湖温泉は多くの施設で温泉を引いているため、混合泉。

洞爺湖で単一源泉の温泉施設はまだ見つけた事がない。

 

えー、お湯の評価で云うと、道内では珍しい透明な重曹泉ということで、久々に清々しい気持ちで入る事が出来た。しかしよく観察すると透明な中に仄かに黄色っぽい色が。あー、やはりちょっとモール質?っぽい何かがありますねこれ。

成分分析書からも解りますが、そこまで濃い湯ではないです。

 

お湯の温度は44℃掛け流しだが、浴槽ではちょうど42℃位になっていて、入りやすい温度で張られていた。pHはほぼ中性よりの弱酸性、モール成分も弱いためにツルツルとした感じはなし。いい意味で癖のない温泉だったが、炭酸水素イオンはボチボチ溶けているため、浴後の血管拡張作用は充分感じる事が出来た。

 

クセのない温泉は飽きの来やすい温泉ともいえるが、万人受けしやすい。

まぁ洞爺湖は観光地なので、こういうお湯で正解といえば正解なのでしょう。

 

美食

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秋の新サンマ。北海道らしく刺身で頂きます。トロットロよ。

 

洞爺湖の温泉街には飲み屋が何軒かあるのだが、意外にもボッタくりじゃない店が多い。というか、今のご時世では日本は世界に比べてかなり貧しくなってしまいましたからね・・・正直もっと価格はとってもいい位なんだろうけど、住民の金銭感覚が多分昔のままなんだと思う。

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壮瞥町産のシイタケ天婦羅。小ぶりだが美味かったね。

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冬に寝かせたジャガイモだが、インカの目覚めです。馬鈴薯に比べて身がしっかりとしていて、甘くて美味い。

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伊達市の地鶏の手羽先。これめっちゃ安かった。多分300円位。

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そしてこれは二軒目のバーで見つけた非売品の一品・ウニの塩漬け。

左がエゾバフンウニで、右がムラサキウニなんだけど、食感は味噌なんだけど味が完全にカラスミでめっちゃ酒が進んだ。温度カラスミ・・・。

 

これはお店のマスターが個人的に制作して、お酒の通の人にだけ出すんだって。

やはり美食倶楽部の総帥である我のオーラを察知したのだな?

やったぜ。

92・花園温泉

温泉

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湯の川温泉が観光客向けの温泉だとするなら、ここは函館市内に燦然と輝くもう一つの大衆温泉。浴場は銭湯につき撮影せず。

 

成分分析書

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二号井。The・等張泉。

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パワーストーンの湯・・・?こちらも等張泉。

名称はともかく、この大衆浴場は二つの源泉と二つの浴場を持つ異色の温泉である。

 

概要

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花園温泉は函館市内の産業道路沿いにある温泉で、湯の川温泉と目と鼻の先にある温泉だが、泉質に於いては見た目からし湯の川温泉とは異なる。

 

この温泉は早朝の風呂から始まり、夜は深夜まで営業するという超絶庶民スタイルの経営をしている。しかも源泉を二つ持っており、二つの浴場を持つハイブリッドスタイル。

早朝はパワーストーンの湯、昼からは二号井が御開帳され、400円少々の金で自由に二つの浴場を自由に堪能する事が出来るのだ!何と太っ腹な・・・。

 

館内には昔ながらのカフェパーラーがあって、地元の爺さん婆さん達の交流の場ともなっている。しかも野菜や総菜の販売の他、牛乳も山川牧場と鈴木牧場の両銘柄の低温殺菌牛乳が置いてあるのだ。まさに完璧な庶民の温泉銭湯。

 

湯の川温泉だけ行ってこの温泉を知らずして帰るのは非常に惜しいね。

 

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余談ですがここの温泉、冬季は敷地内の池の凍結防止に温泉(恐らく加水の)を流しているのだが、この鯉はまさにその温泉を頭から浴びに来ているの図。

はぇ~すっごい気持ちよさそう。

 

総評

ここは二つの浴場と二つの源泉を持つ施設である。

写真はないが、実際に両方入ってみるとどちらもかなり広い。

いずれも同じつくりをしており、入口から奥に向けて整然と並んだカラン道を抜けると、中温湯、高温湯、ジャグジーなどの浴槽がある。

 

中温湯と言っても侮るなかれ。函館の庶民風呂たるこの花園温泉は中温でもしっかり44℃近くある。温泉慣れしていない普通の人からしたら充分熱いレベルである。

 

露天風呂に向かう途中に水風呂とサウナ室があり、サウナ室の前には氷が用意されていて、これを口に含みながらサウナに入る事が出来る。達人向けですね・・・。

 

水風呂は流しっぱなしの井戸水。キンキンに冷えたこの水風呂はかなりハイレベルのサウナ―達にも好評で、恐らく本州のサウナ―達もきっと満足できるクオリティだろう。

 

さて、肝心の温泉の評価に戻る。

ここは二つの源泉を持つが成分的にかなり似通っていて、体感的にもほぼ差がない。

湯の色は若干濁りのある緑色で、これは恐らく揚水停止してしばらく間をおけば徐々に濃くなり、茶色い色に変わっていくものと思われる。昭和温泉や富岡温泉と非常に近い泉質のように感じた。

 

ファーストインプレッションでピーナッツだったらクリっと握ってタップタイム。

 

まず最初…第一印象はとても熱いと云う事だ。

ガツンと芯まで響き渡るこの熱さは、等張泉だからこそ入浴が可能になっているといっても過言ではないだろう。中温浴槽でも44℃近い温度に設定されているため、高温浴槽は46℃前後、場合によっては47℃に達する日もある。

普通に考えれば人間の入れる温度の限界点に近い熱さなのだが、どういう訳かこの風呂は入れてしまう。これは人間の血液とほぼ同じ塩分濃度を持つ等張泉だからこその事だと、私は考えている。浸透圧に差があればそれだけ皮膚には刺激になるからね・・・。

 

この花園温泉はバランスという点において、濃すぎず薄すぎず、塩化物泉として本来の熱い湯を楽しむ為には完璧な温泉だと思われる。泉質面ではこの近辺界隈の温泉とそれほど差は無いのだが、二つの浴場を持っていて飽きない設備となっている点や、間口の広さなどを評価した。個人的にはコンパクトにまとまった北美原温泉が好きだが、時にはあれもこれも試したい日もあるし、特にガッツリ熱い湯に入りたい日にはやはりここは北美原温泉の一歩先を行く温泉なのである。

 

美食

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ヒャッハー!ラッキーピエロ焼きカレーだぁ!!

カロリーの暴力を喰らえ!!

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ヒャッハー!ラッキーピエロのチーズオムライスだぁー!

これ一つに卵4個くらい使ってるらしいぜぇ~!?

91・留寿都温泉

温泉

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施設外観。完全に非観光用の温泉。入浴料も清掃協力金200円のみ。

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完全このサイズ。緑色の湯が素晴らしいですね。

あ、でも駐車場がクッソ小さいのであまり大人数で押しかけないように。

 

成分分析書

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設備を見たところ、どうも加温している設備がないので掛け流しっぽいです。

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安定の重曹泉。お湯の色が黄色がかっている点からしてみても、モール質がありますね。

 

概要

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よく北海道のテレビではルスツリゾートのCMが流れてますが、留寿都村は札幌から最も近いリゾートエリアという事で、非常に有名な場所です。

遊園地アリ、スキー場アリ、ロッジアリ・・・。

まぁワイのようなソロ旅人には縁のない所ですがね・・・。

 

自分は仕事で札幌と道南を行き来する機会が多いわけですが、高速だと確かに楽だけどハッキリ言って飽きるわけですよ。金もかかるし。

そんなわけで、函館から札幌に戻る時などはいつも豊浦で降りてからこの洞爺湖留寿都喜茂別~中山峠のルートで定山渓に入る事が多いわけですが、結構な距離を移動する事になるので、そうなると必然的に自宅に帰る前にひとっ風呂浴びたくなるわけですな。

 

定山渓に入ってしまえば豊平峡温泉や湯の花殿、小金湯温泉もあるのだけど、札幌圏の温泉はどれも価格が跳ね上がるのと、この留寿都村ってのは休憩を取るのにホントちょうどいい所にあるんですよね。200円という価格も素晴らしい。

 

総評

この温泉の良い所はシンプルな施設ながら、お湯をそのまま普通に掛け流している所です。冬はやってるのかよく知らないんだが、43℃という温度という事を考えると、冬場は源泉からの距離が遠ければ掛け流しは成立していないと思われる。

 

pHはほぼ中性ながら、モール質が含まれていると云う事でツルツルとした肌触りがある。お湯は熱すぎず温すぎず・・・これは季節にもよるだろうが、実にいい塩梅である。少し黄色~緑色がかった湯から香る匂いは仄かに化学的なモール臭がして、決して不快な匂いではない。何より、透明度があるのは視覚的に非常に好印象。

 

これが200円というのは非常にありがたい。

内湯のみの極シンプルな風呂だが、露天があればさぞ・・・と思ってしまうのは贅沢だろうか。

 

ただ、洗い場が少ないので、混んでる時に来るとゲンナリしてしまうかもしれませんね・・・。

 

美食

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留寿都では風呂に入るせいか、食事をする機会が無くてね・・・。

上のカレーは道の駅きもべつで食べた野菜カレー。

やっぱこの界隈はジャガイモを筆頭とした根菜類ですね・・・間違いなく美味い。

カレーは外れないわ。私が食べるもの。(AYNM)

90・種川温泉

温泉

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施設外観。知られざる温泉の一つかと思われる。

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見よ!この美しい透明な湯・・・。(うっとり)

 

成分分析書

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旧分析表

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直近の分析表。そこまで熱い温泉ではないが、成分は充分。ほぼ等張泉だが、10g/kgを超える為に高張泉の括りになっている。

 

概要

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種川温泉の位置(ポジション)、略してポジ種川は渡島半島のちょうど中間部。位置的には長万部とせたなの中間に位置する温泉。今金(いまがね)町にあります。

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周囲はこんな感じ。ジャガイモとか有名らしいよ。

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今金には他にもいくつかの温泉が湧いている訳だが、この時は近くにあるこのねとい温泉が営業してなかったので、代わりの温泉を探していて辿り着いたという経緯があります。

誰かこのねとい温泉の情報も下さるとありがたいです。

いずれ奥ピリカ温泉というのも行ってみたいね。

 

総評

源泉がぬるいために加温だが、冒頭で上げた写真の通りとても透明度の高い美しい塩類泉が掛け流されている。

 

設備は町の銭湯といった感じで、古くもなく新しいという感じもない。

シャンプーも石鹸も無しなので、持ち込みになります。

浴場も写真の通りで、サウナも水風呂もないシンプルな内湯オンリー。

 

幸運だったのは、ほぼ一番風呂で無人の時に入る事が出来た事だ。

ほぼ等張泉である事から、透明な湯は肌と溶け合うように極めてすんなりと入る事が出来た。塩分がキシキシと肌を刺激する事がない。

 

とはいえ一応は強塩泉。浴後は強烈な発汗が全身を襲う。

これが等張泉付近の温泉の良いところで、入浴時には感じない強さが浴後になってハッキリと現れてくる。低濃度の塩類泉にはない強い保熱効果がある。

 

源泉がぬるいので、加温での配湯になるのが惜しい所だが、濁りのない湯は滓も少ないため、メンテ的にも成分的にも日常で使いやすい湯である事は間違いない。きっとこの辺の農家のおっちゃんやおばちゃん達の憩いの場になっているのだろう。

 

美食

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今金町が今密かに売り込んでいるのが、この今金牛。

ピリカ温泉で食べたものだが、町を上げて売り込んでいるこの牛肉を是非退治しに来ていただきたい。

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ピリカ温泉にも入りに来てあげてね!!

89・ 貝取澗温泉

温泉

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施設及び風呂の写真が無かったので、アワビ養殖場の写真で紹介。

貝取澗(かいとりま)温泉はその名の通り、貝が取れる澗にある温泉です。

 

成分分析書

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それ程濃い湯ではないが、見た目は赤黒く小豆のような色をしていた。

知覚試験では無色透明とあるので、時間と共に色が変化するタイプか、或いはその日の状態で色が変わる温泉なのだと思われる。

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ホテルであるため、塩素消毒はやむ無しだが、循環はせずに掛け流しに拘ったという姿勢は評価したい。

 

総評

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場所わかりますかね?北海道の丁度首根っこ。

追分ソーランライン沿いにある小さな温泉地です。函館からだと車で約2時間くらいですかね・・・。結構辺鄙な場所にあります。

 

施設写真を残してなかったのでアワビの養殖地の写真を載せましたが、あの施設はこの温泉施設の直ぐ近くにあるエゾアワビ養殖場であります。

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周囲はこんな景色で、奥尻島が目と鼻の先に見えています。

バイクでツーリングしたらさぞ楽しい事でしょうな・・・。

 

まぁ元はアイヌ語由来の地名なんでしょうが、貝取澗温泉はその名の通り貝の取れる澗地という事で、現在ではこのエゾアワビの養殖地として名を馳せています。

 

ここのエゾアワビは関東圏の高級旅館や料亭にも出荷されてたりするそうで、まぁ高級食材としての地位を確立しているようです。

 

総評

お湯の写真を残してなかったのが悔やまれますが、ここもまた北海道らしい濁りのある炭酸水素塩泉です。成分分析書では無色透明となっているが、恐らく鉄分と思われる赤茶けた色を呈しているのが特徴的でした。

 

浴槽周辺にはカルシウム塩と思われる無数の結晶が棘のように発生していて、濃度こそ違いますが雰囲気的には八雲の上の湯温泉に近いモノを感じました。普通の鉄泉というよりは、なんか小豆みたいな赤っぽい茶色だったので、土の色も混じってるのかな?

 

入浴感は標準的な塩化物泉で、そこまで塩分自体は濃くないので、肌にチクチクと刺激的な感じは一切無く、比較的入りやすい湯のように思えた。しかし濁り湯として独特の土っぽい匂いはするので、苦手な人は苦手かもしれない。

 

ホテルの風呂という事もあって、浴場は設備的にも充実していました。

まぁ、都会の高級ホテルのようなのを期待されるとそれはちょっと・・・って感じですが、充分不便はないレベル。日帰りの地元客も入りに来るし、そこはしょうがないでしょうな。

 

露天風呂からの景色も開放的で、温泉成分で赤茶色に染まった岩風呂はなかなかに圧巻。場所もかなり辺鄙な場所なので、遠くから旅に来た人は濁り湯から漂う秘湯感と、夕飯に振る舞われるであろうアワビも相まって、テンションも上がる事間違いないでしょう。

 

美食

以前も載せた事あるかもしれませんが、ここはアワビを食いに来るところです。

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アワビ尽くしの夕食の一例。

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エゾアワビは完全陸上養殖なのか、あまり大きなサイズではない。

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このアワビとかいう生き物もハンチョウ大槻に云わせれば、牡蠣同様にまるで人間に喰われに来ているようにしか思えない形状をしている。

網の上で焼かれ、汁を噴き、醤油なりバターなりをかけて喰われるのです。

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果ては釜めし・・・!

高級食材の出汁を吸った白飯が美味くない筈がないんだよなぁ・・・。(外国人には高難度の二重否定)

 

温泉美食倶楽部としては温泉と美食が同時に堪能できると云う事で、この桧山界隈の温泉は密かにポイントが高いのです。繁盛してほしいけど、有名になりすぎてほしくない感じですね。

 

でもまぁ、めっちゃ遠いから多少はね?

88・天塩温泉

温泉

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施設外観。海沿いにある建物で、ボチボチ近代的。

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利用客が多く、浴場の写真は無し。

 

成分分析書

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源泉30℃。冷たくはないが・・・まぁ加温で入る温泉。

特徴は32g/kgもある海水レベルの塩類成分と、その中にきらりと光るアンモニウムイオンの量だ!

 

概要

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実は前回の旭温泉とはハシゴ湯したので、場所も旭温泉からほどほどに近い。

恐らく、道北で唯一の強烈な個性を持ったカルト温泉かと思われる。

そもそもこの辺りは温かいお湯が出ないので、まともに温泉と呼べるのはこの辺りが本当に最後ではないかと思われる。

オロロンラインを北上するライダーは是非立ち寄っていただきたい。

 

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この天塩温泉・夕映鏡沼海浜公園という天塩川河口部にある公園に隣接していまして、景色は実にいい所であります。快晴であれば利尻島礼文島が見えるでしょうし、露天風呂からも海は眺望できるようになっています。

 

ここの温泉の最大の特徴は、上でも記した通り、濃い塩類成分でもなく濃いアンモニウムイオンであります。

 

アンモニウムイオンとは即ちアンモニアが水に溶けた時に生じているイオンでありまして、保健室でアンモニア水の匂いを嗅いだことがある人なら直ぐに判ると思いますが、ものすごくクッサい訳です。例えるなら、古い便所に入った時に鼻にツンと響く匂い。

 

この匂いは浴場に入った瞬間から鼻を襲い、初心者は思わずその時点で入浴を躊躇ってしまうようなそんな温泉なのですが、実際に浸かって湯の匂いを直接嗅いで見ると、細菌や有機物の混じった便所の匂いというよりは、純粋なアンモニア臭がする事が判ります。なんつーか、試薬の匂い?

 

まぁアンモニウムイオンの元はやはり地下に堆積した窒素化合物の成れの果てである事から、やはりここの地下には大量の有機物が存在していた事を伺わせます。それ故に、お湯は真っ黒な腐植質の色をしたモール泉であり、アンモニア臭の中にも仄かにモール集が混じっている事が、より試薬っぽさを醸し出しています。

 

いずれにせよ設備は水風呂もサウナも揃った充実な浴場なのですが、その強烈な匂いからして特異泉質系・カルト系に属する温泉だと思われます。

 

総評

前述したとおり、設備は申し分ない。洗い場、サウナ、水風呂、そして館内設備は充実しており、休憩を取るには充分な設備。というのも、ここは宿泊も可能だからです。

 

泉温はそれほど高くなく、有機物を含むせいかお湯も塩素消毒方式だったと思う。

源泉を掛け流しのまま水風呂利用するという手の込んだ事も特にしてないわけだが、とにかく泉質が珍しい。

 

これほどの塩分濃度となると塩素消毒の影響は微々たるもので、浴後の温まりは相当な強さがあった。ともかく強力なアンモニア臭が鼻を突くので、まずはそれを楽しみながら入れるかどうかが肝となる。ただ、硫黄泉と違ってこのアンモニア臭は浴後は殆ど残らないので安心してもらいたい。

 

泉質面ではアンモニウムイオンのほか、臭素イオンも多く、一体どういう地質から温泉が湧くとこういう事になるのか、不思議で仕方がない。

北海道内では殆どほかに見ない泉質で、私の知る限りでは道東の

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晩成温泉が近い温泉となる。晩成もまた、この温泉同様にアンモニウムイオンのほか、臭素ヨウ素が含まれているわけだが、実はこの天塩温泉の方が全てに於いて濃いというね・・・。

 

泉温も含めて、この天塩温泉は晩成温泉の上位互換だと思って下さい。

 

とはいえ、基本的には塩類泉として身体を温める効果が高い温泉につき、長旅で疲れた身体にはなかなか強烈なインパクトを残してくれる事だろう。

 

美食

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このあと増毛まで下ってオーベルジュ増毛でおフランス料理など頂きました。

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これは・・・タラですね・・・。あぁ^~

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増毛産の牡丹海老。美味し^~

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エゾシカのステーキ。たまらねぇぜ。

 

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ハゲの聖地・増毛。JR増毛線は無くなっちゃったけど、もしも来る機会があったら是非オーベルジュ増毛で美食の限りを尽くしてみてね!

 

誰がハゲじゃい!!まだワイはフサフサや!!

 

www.auberge-mashike.jp