温泉美食倶楽部活動報告書

温泉の成分分析表に興味ある人向け

46・仁伏温泉

温泉

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川湯温泉と目と鼻の先にありながら、透明度の高い単純泉

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脱衣所に飾られている古い分析書は中々年季が入ってます。

 

成分分析書

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仄かに重曹とメタケイ酸を含むが、概ね0.8g/kgの単純泉

川湯温泉とは明らかに水脈が異なる事が解る。

 

概要

川湯温泉から車で10分少々で付く屈斜路湖畔にある温泉です。

今回はついでに個人的に大好きな屈斜路湖等と併せて紹介します。

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屈斜路湖摩周湖は日本で最も美しい湖なんじゃないでしょうかね・・・。

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近くには湖の砂浜から直に湯が噴き出ている砂湯があり、こことも泉質が異なります。砂湯は確か・・・

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砂湯は重曹泉です。ここは厳密に云うと浴場(浸かる湯)ではないので、仁伏温泉のついでに紹介しておきます。

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仁伏温泉はこの砂湯から数キロ東にあります。ホント目と鼻の先。

左奥に見えてるのが和琴半島ですね。

余談ですが冬はこの砂湯部分だけは湯と地熱で凍らないため、白鳥が暖を取りに集まってきてフンだらけになるそうで、地元民はあまり好んで入りません。

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屈斜路湖にはクッシーがいるという噂が一時期はやりましたね。

そんなもんおるかーや!

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美幌峠から見た屈斜路湖です。中央ちょい右にちょこんと突き出しているのが和琴半島で、砂湯との位置関係は先の写真から推測してみてください。

ちなみに、

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和琴半島にもこのようにいくつかの温泉がわき出しています。これは駐車場近くにある和琴温泉。キャンプするライダーとかは入るらしいけど、結構藻が生えてて汚いのでお勧めしない。

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こっちは和琴半島北側のオヤコツ地獄。和琴半島は屈斜路湖の中に隠れた火山の先端部でもあり、あちらこちらで湯を吐き出しています。

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ちなみに、藻琴山展望駐車場から見るとこんな感じです。

中央右が中島、中央ちょい左に見えるのが和琴半島です。

ここは屈斜路湖を見る上で最も景色が良い隠れスポットで、朝なら雲海も見える筈。

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屈斜路湖からは少し離れますが、こちらが硫黄山ことアトサヌプリ

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山一つ跨いで裏側にはこんな景色があるんだから、驚きですよね。

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これ多分右手奥に見える山がカムイヌプリで、あそこが摩周湖になります。

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霧の摩周湖と呼ばれますが、霧が出やすいのは行楽シーズンで、秋に行くと割と晴れてますよ。

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摩周湖はほぼ雪と雨水だけ水位を保っていると噂される閉鎖湖です。川の水が流れ込まないので、この湖自体が世界の大気汚染度の指標になるのだとか。Wikiによるとごく一部の場所に伏流水は出ているそうですけど、それにしても凄い環境ですよね。

ただ、温泉はない模様。摩周町にある摩周温泉はまた別物です。

 

総評

今回は写真で割と満足してしまったんですけどね・・・。

さて本題の仁伏温泉ですが、屈斜路界隈で元も薄い湯が出ているのがこの仁伏温泉かと思われる。恐らく水源が屈斜路湖の湖水に依存しているものと思われます。しかし同じ湖畔沿いの湯でも砂湯の場合、飲泉もしてみましたが少し硬度が高い味がしましたし、重曹が濃くモールっぽい匂いもしました。

それに比べるとこの仁伏温泉は全然サラッとしていてマイルドな湯ですが、やはりそれなりの重曹(といっても約200mg/kg)を含んでいるため、微かに土の匂いはしました。

 

単純泉ですがあまり還元性は高くないらしく、液性も中性です。入浴感でもぬるぬるとした感じはしません。この辺りではその透明度から水晶温泉などと呼ばれているらしいですが、単純泉としてのポテンシャルは群馬の川古温泉や水上温泉など、そちらの方が高いのかもしれません。

 

まぁ直ぐに目と鼻の先にあの強烈な川湯温泉があるのですから、そのギャップから「水晶温泉」という称号が付いたのかもしれませんねー。

川湯の上がり湯には最適です。

 

美食

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ここは宿泊したので旅館飯だったのですが・・・。

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グレードを上げてキンキの干物付きプランにしていました。

これがめちゃくちゃ脂のってて美味かった。頭の骨までバリバリ食っちゃいましたよ。

 

川湯に泊まるのもいいですが、旅は時には捻りを入れて見る事も大切です。

そんなあなたに仁伏温泉・・・如何でしょう?

45・野中温泉(雌阿寒温泉)

温泉

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施設外観。冬季閉鎖あり。

新館と別館があり、ライダーなどに人気の模様。

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浴場の様子。奥にでかでかと「湯元」と、源泉湧出部位が書いてありますね。

素晴らしい。

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ドバドバと掛け流しの源泉。ぬるくもないですが、そんなに熱もないです。

硫化水素が豊富な湯ですが、ガス型に特化しているためか、白濁はしていません。

 

成分分析書

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拡大して遊離硫化水素を見てみてください。

なんと遊離硫化水素が28.5mg/kgという異常な数値を示しています。

硫黄泉を名乗るのに必要な硫黄含有量が2mg/kgですから、実に基準値の14倍以上もの硫黄を含んでいるのです。やっべぇ~↑

 

概要

野中温泉は阿寒湖温泉から車で30分ほどの距離にあり、にぎやかな温泉街よりも鄙びた秘湯が好きというマニア向けの宿です。

 

さて唐突ですが、野中温泉と云うのは実は別名です。本来は雌阿寒温泉と名乗った方が有名な温泉かもしれませんね。

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野中温泉の隣には潰れた旅館がぽつんと立っており、本来はあそこが雌阿寒温泉を名乗っていたようです。写真の下部に流れているのは、奥の旅館から流れ続けているかつての雌阿寒温泉です。

 

何故このような事になっているのかと云うと、あの奥に見える雌阿寒温泉では、この稀有な温泉が発する大量の硫化水素ガスにより、浴客が死亡するという事故が起きてしまったからなのです。

営業は停止・・・そのまま閉館となってしまったようです。

 

別の施設とはいえ、野中温泉も厳密には温泉地としての名称は雌阿寒温泉となっております。先程の成分分析書の通り此処の湯は今でも凄まじい量の硫化水素ガスを発しており、事故対策の為に浴室の窓は寒々しい秋でも開けてあります。

 

この温泉は他にも複数種の火山性ガスを含んでいるためか、脱衣所の時点で油っぽい匂いが充満し、軽い頭痛を覚えたのを記憶しています。最初は暖房の灯油の匂いかと思ったのですが、どうも温泉の匂いのようですね。

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雌阿寒温泉オンネトー温泉と呼ばれたりもしてるようです。

直ぐ近くにはこのような美しい湖が存在し、観光ついでに寄るにしても見ごたえのある所です。奥に見えるのが雌阿寒だけね。

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オンネトーの駐車場から歩いて30分ほどでオンネトー湯の滝を見る事も出来ます。

ここは非常にぬるいです。天然のマンガン床を守るため、入浴禁止です。外来種の魚とか放流するアホもいるらしいのですが、何故わざわざこんな所まで外来種を持ってくるんだ・・・?

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はえー、すっごいキレイ。(小並感)

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これが天然のマンガン床らしい。苔も多いし、眺めるだけにしておきましょうね。

あとこの辺は当然のようにヒグマも出るので、歩いてここまで見に行く人は自己責任で。

 

総評

個人的に道東で標茶温泉(モール)、川湯温泉(酸性泉)と並んで三大名湯の一つに挙げている温泉です。

強烈な成分とは裏腹に、湯の温度は源泉で43.2℃、窓も開けている事から浴槽時点では41℃程度に下がり、pHも5.8と弱酸性の入りやすい湯となっています。

 

源泉が目の前にある為、湯の活きもよく入った感じはサッパリとして非常に気持ちが良いです。とはいえこれは強力なガス型の硫黄泉、そして炭酸ガスも500mg/kgほど含んでおり、低温でありながら血管は十二分に拡張し、浴後は得も言われぬ疲れが全身を襲ってきます。

 

お湯自体の匂いはあまり無いのですが、しっかり硫化水素は吸い込んでいますので、あまり無理をした入り方はしないのが得策でしょう。

 

優しくも厳しい、北海道の大自然を象徴するような温泉ではないでしょうかね。

 

美食

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こないだ鹿肉のロースト載せちゃったので、今回はししゃも・・・かな。

この辺りは根室産のモノが出回るようで、阿寒湖温泉の飲み屋街などで食べる事が出来きます。

写真だと全く伝わりませんが、冷凍モノのシシャモとは別次元のシシャモです。

今まで食ってたシシャモはシシャモを名乗る別の何かだったという事が解るでしょう。

 

あと、番外編で・・・

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なんと阿寒湖温泉街の飲み屋で見つけた、まりもサワーです。

まりものような何かが沈んでいますが、正体は現地で飲んでみてからのお楽しみと云う事で・・・。

44・滝の湯温泉

何処の滝の湯?→北海道の留辺蘂辺りにある温泉です。

 

温泉

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町営の足湯。

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小浴槽。透明だが、仄かに硫黄を感じさせる色か?

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主浴槽。新鮮な湯の香りが漂っている。

 

成分分析書

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潔い位に綺麗な単純泉

溶存型(イオン型)の硫化水素があるのがポイントで、これが良い香りを醸し出している。

 

概要

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今回泊まったのは滝の湯センター夢風船と云う所ですが、今地図を見ていて気付いたのだが、遠別つるつる温泉の直ぐ近くだったのね・・・。

夢風船の裏にはふれあいの里という公園が整備されていて、なんだか長閑な雰囲気です。

 

位置的には国道39号の、層雲峡から東に石北峠を抜けた先にある最初の温泉です。

ここから東に行くと温根湯温泉があり、この界隈は層雲峡から続いてぼちぼち有名な温泉が軒を連ねる道となっています。

 

峠を越えると長閑な農道が広がり、特産の玉ねぎっぽい何かを育てている風景が広がっています。地質的には層雲峡方面とはまたグッと変わり、ここ滝の湯温泉では柔らかな単純泉が湧出しています。モール質もなく、道内では割と珍しい温泉地帯ではなかろうかと思います。

 

総評

分析表の通り、成分総計0.259g/kgの超単純泉です。

そのうち2.3mgは溶存型の硫化水素であり、ガス型の硫化水素が含まれていないの特徴であります。ガス型の硫化水素が無いという事は、理由は不明だけど相当高い圧力で硫黄分が液相に押し込まれてるという事です。自噴では無さそうなので、硫黄脈が何処にあるのかが気になる所ですが、直ぐ近くにある大雪山とかに由来するんでしょうかね。

 

さてお湯の特徴ですが、写真にある通り透明で仄かに硫黄の香りが漂う良泉です。

温泉は溶存成分が薄くなればなるほどpHは上がり、アルカリに寄る傾向があります。

ここの温泉もpHは9.6あり、なかなかのアルカリ性です。近くに遠別つるつる温泉がある通り、浴感は本当につるつるしていて心地が良いです。

混合泉ではありますが源泉も44℃と掛け流しに適した温度で湧出しており、高還元性の所謂活きの良い湯が配湯されていました。

 

とにかく、湯が柔らかく、活きが良く、重くないので、療養するにはうってつけの湯だと思われます。

老後はこういう所で毎日伸び伸びしたいものですな。

 

美食

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北見と云えば焼肉です。玉ねぎの聖地・北見は何故か焼肉文化なのです。

北見市内の焼肉屋で写真の様な豪遊をしましたが、ホルモンが美味かったですよ。

肉は何故か上州牛でしたけどね・・・。レモン冷麺が美味かった。

43・川湯温泉

温泉

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公共浴場の施設外観。ボロ湯好きのマニアの心を揺さぶるようなオーラを放っている。

利用者がいたので内部の写真は無し。カランも古いため、設備に拘る人は近隣のホテルなどを使うとよいだろう。

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設備に拘る人はここのお風呂を使うとよいだろう。

露天、水風呂、サウナなど一通りの設備が揃っています。泉質は同じ。

 

成分分析書

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源泉44.2℃!自噴!pH1.8!

素敵なスペックです。この辺は水を掘るよりも温泉の方が先に出る地質なのです。

 

概要

川湯温泉・・・道東では阿寒湖温泉と並んで最大規模の温泉となります。

黄山を中心としたこの特異な地形は、北海道の中でも有珠山樽前山と並んで最も活発な火山帯であると云えます。川湯温泉は1mも土を掘れば温泉が出るという特殊な地形らしく、開拓時代から温泉地として栄えていたようです。

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参考文献。

川湯エコミュージアムセンターはなかなか面白いので見学しよう。

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温泉はあったけど、土が酸性で作物が育たず、開拓民の人々も苦労したようです。

pHと釘の細り具合をみれば一目瞭然ですね。

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黄山周辺でもこれだけ泉質が違うので、屈斜路湖周辺は温泉のデパートみたいな土地なんですよ。

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街の中心部には温泉神社もある。アイヌの人々とよく習合したもんだよなぁ。

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手水も温泉。

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神社の境内にSUMOの土俵があるのが最大の特徴。

北海道は数多くの横綱を輩出しており、川湯温泉は昭和の大横綱大鵬が幼少期を過ごした町だという事で、神社にも土俵が整備されたんですな。

日本のSUMOは度々こうした各地の神事とも絡むので、海外勢の横綱もそういった側面をもっと理解をしてほしいよね。いや、むしろ海外にも横綱出身地には土俵を作ったらいいんじゃないでしょうかね?

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川湯温泉ではその名の通り、川が湯で白く濁っています。

町の中心にある川には、各ホテルなどから排出された温泉が流れ込んでいるのです。

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幽玄の街って感じね。

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公園内には足湯もあり、雰囲気を醸し出しています。

冬は素敵だろうね。

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湯と共に生きてきた川湯らしい石碑。

 

総評

温泉のスペックとして、先に乗せた写真にもある通り、この川湯温泉は周囲の摩周や阿寒湖温泉と比べ、酸性度と硫黄分で突出した含有量を含んでおり、最も強力な湯である事がわかります。

pH1台の湯は秋田の玉川温泉草津の源泉と並んで国内トップクラスの酸性度で、源泉温度も44℃と適温であるため、掛流しの湯が何処のホテルでも堪能する事が出来ます。

 

ただこの温泉は酸性が強すぎる為か、あまり沢山掘りすぎると環境面で負荷が大きいのでしょう、源泉自体は集中管理のようです。負荷が強い湯であるため、ホテルによっては50%に薄めた浴槽も用意してあるようですね。

 

浴感はピリピリとした強い酸性で、とにかく熱い!(特に公共浴場)

私が入った時は若い観光客の兄ちゃんが来ていましたが、熱すぎる為に源泉浴槽への入浴は断念したようです。

 

あぁん?だらしねぇな?

 

美食

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川湯・味楽寿司の寿司です。

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厚岸の牡蠣酢に・・・

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予約して毛ガニなども頂きました。

海からは結構離れてるんですが、温泉街がある為か海産物の流通はしっかりしているようですね。

 

温泉街は阿寒と違って割とひっそりしているので、もっと活気が出ればいいなと思いますな。

42・八甲田温泉 ラムネの湯

温泉

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施設外観から見える八甲田山

酸ヶ湯からも近いため、世界でもトップクラスの豪雪地帯です。

冬はやってんのかどうかわかんない。

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長湯に適した適温37.9℃、強力な酸性pH2.44、炭酸泉。

他に類がない、まさしく奇跡の温泉。

 

成分分析書

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最初に見た時は感動すら覚えた。奇跡の成分分布。

 

概要

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青森市民の奥座敷と云えば酸ヶ湯

そして全国的にも八甲田の温泉と云えば酸ヶ湯が最も有名なわけですが、その酸ヶ湯から青森市内に向かう途中で、さりげなく掲げられた「八甲田温泉」という案内に従って道を逸れると、この八甲田温泉に辿り着きます。

 

位置的にはもうホント、酸ヶ湯の目と鼻の先です。

f:id:sticknumber31:20180127234611j:plain青森田代十和田線のこの駐車場の近くだったと思います。

いずれもまだ未踏なのですが、この周辺は蔦温泉や猿倉温泉、そしてランプの宿として有名な青荷温泉があるなど、秘湯に事欠かない温泉のホットスポットとなっています。

 

今回入った八甲田温泉はラムネの湯という浴槽に限定されておりますが、実はこの施設は他にも数種類の源泉を有しています。時間の都合で入れなかったので、レポートできませんでした。

 

総評

かれこれ全国の温泉を600ヶ所以上は渡り歩いていると思うのですが、このラムネの湯に限って言えば、過去にこの源泉に符合する湯に遭遇した事がありません。

 

ぬる湯&酸性泉&炭酸泉という、成立しにくい三つの条件が成立しているこの源泉は、まさしく奇跡の湯と呼ぶにふさわしいと思います。

掛け流しの源泉は透明でいて仄かに緑がかり、軽く口に含むと酸性泉らしい強い酸味があります。匂いはあまり硫黄然とはしておらず、少し酸っぱい匂いがしました。

 

主たる酸は硫酸のようですが、炭酸ガスも非常に多く溶けているため、爽やかな酸味は炭酸によるものかもしれません。

炭酸泉としても非常に優秀で、1kg辺り950mgも炭酸ガスが溶存しています。1000mgを超えると高濃度炭酸泉ですが、水準としてはもうその域に達しています。湯の中でじっとしていると直ぐに全身が泡だらけになりました。ラムネの湯を名乗るだけの事はあります。

 

総評としては、他に類を見ないこの源泉の希少さを考えると、今までのレポートの中でも最上位に位置する泉質の湯だと思って下さい。強酸泉として湯の質は強いが、療養に向いた低温という側面は本当に素晴らしいと思います。

 

美食

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りんご県・青森の中でも最高峰の一品「おいらせ」を紹介しておきます。

見た目の蜜の差しも素晴らしく、上品な甘さの中にも適度な酸味を有するりんごです。

特筆すべきは綿のようにふわりとした食感の繊維。歯ごたえが全然違います。

シャクッではなく、フワッとしているのです。

 

すげー美味しかったですが、1個500円もします。

JR青森駅前のワラッセで買えます。

41・ケイホク温泉 宝湯

温泉

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ここは載せるかどうか悩んだんですがね・・・。

現在は公共浴場としては営業しておらず、「個人宅」となっています。

 

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湯気が立ち込めた浴場。かなりぼろい。

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真っ黒なモール泉です。泡が立っているのに注目。

源泉浴槽は熱すぎて時間をかけて慣らさないと入れません。

 

成分分析書

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基本性能としてはナトリウム・塩化物泉。

しかし色を見れば一目瞭然だが、腐植質の記載もあり、モール泉である事が解る。

 

概要

恐らくここは温泉マニアの中でも極一部の人しか来た事がないのではないかと。

元々は白老町萩野にある温泉銭湯であり、虎杖浜温泉が目と鼻の先にありながら、あちらとは対照的な真っ黒なモール泉が出ているのである。

 

場所はJR室蘭本線の萩野近くにあり、慎重に観察していれば国道からも目にする事ができるのだが、恐らくそれが銭湯だとは気付かないだろうね。

 

現在は営業しておらず、夕方から一部の地元の人にだけ湯を提供している。

私は二度ほど訪ねて、善意の入湯料を払って入れてもらいました。

 

この国道沿い、萩野から虎杖浜界隈にかけてチラホラと温泉施設があるのですが、それらはまだ国の規制が厳しくなかった頃にポコポコと掘っては出来たもののようです。ここもその時の流れで掘ったら出た湯らしいですが、近くに樽前山があったりと地質的に色々と事情があるようで、現在はもう好き勝手に温泉を掘る事は出来なくなったのだとか。

 

総評

札幌から千歳にかけては祝梅温泉や竹原高原温泉のように黒い湯が出るのが特徴ですが、あの辺りは地熱がないために成分や色こそモール泉ですが、熱い湯がありません。

 

しかしこの宝湯、近くに樽前山の火山脈がある為か、源泉温度は54.6℃と良い感じの高温泉です。前述の通り、この宝湯はもう浴場としては営業しておりませんので、掃除くらいはしているのでしょうが、ほぼほったらかしというか・・・源泉が手付かずのまま浴槽に流れ続けています。

 

写真では湯気で判り難いですが、浴室そのものがモール質の黒い色で真っ黒になってます。正直見た目にはきれいな浴場ではないのですが、マニアには受けるでしょうね・・・。

 

入った感想としてはとにかく熱かったという印象に尽きます。

成分上はあまり炭酸水素イオンが濃いという訳でもないので、この湯の泡立ちは恐らく濃い腐植質に由来するものなのではないかと。肌触りもツルツル感があります。

モール泉らしく、蒲田黒湯や十勝川温泉に近い感覚でした。

 

美食

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苫小牧にある味の大王カレーラーメンとチャーハンのセットを推す。

「カレーか・・・。」

と躊躇するかもしれないが、味の大王カレーラーメンは一味違います。

その暴力的なカロリーを忘れさせる出汁の利いたカレースープは、気付けば完飲してしまう程の旨さ。あと、チャーハンが異様に旨い。セットで頼むとお得なのもイイ!

味の大王登別温泉にも支店があるよ!

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白老町にある白老牛ラーメンの元気や。

餡掛けラーメンなテイストだが、白老牛をふんだんに使ったスープは、麺を喰った後に追い飯を被せる事で、クッソ美味い中華丼と化すのです。

そもそも白老牛は非常に肉の味が濃い牛ですので、スープからも確かにあの極上の脂の味が判ります。

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見るが良い、これが白老牛だ!

この特上サーロインステーキは1枚6500円するが、白老牛ラーメンなら1000円以下だぜ!

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続いて、海鮮系。

苫小牧といえばマルトマ食堂が有名ですが、直ぐ側にはみなと市場がありまして、そこでも北寄貝カレーを食う事が出来ます。この時は甘えびとセットで食べました。

市場で直買いだから、そりゃ旨いよね。

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北寄貝も色々な食べ方があるが、個人的にはバター焼きが一番美味い。

貝類は出汁を活かしてこその食材であり、この殻の中に満ち溢れるバターの溶けた貝汁は、一度食べたら病みつきです。

痛風が怖くて貝類が喰えるか!

40・ニセコ昆布温泉 鯉川温泉旅館

温泉

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年季の入った大浴場。43~44℃位はあったかな。結構熱め。

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対照的に、キンッキンに冷えた水。これを浴びつつ何度か交代浴を堪能すべし。

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若干白濁が見受けられる露天風呂の様子。

奥には旅館名の由来になったのか、小さな川が流れている。

鯉はいなさそうなくらい浅い。

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浴槽から溢れた湯はそのまま掛け流されている。

これぞ、The掛け流しって感じやね。

 

成分分析書

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源泉65.8℃につき、恐らく加水と思われるが、水はニセコの山から湧き出たとても冷たい水なので、加水量は少ないかもしれない。

 

概要

外国人に人気が出過ぎて地価が異様に高騰しているニセコですが、こじゃれたホテルやペンションばかりかと思いきや、このように古風な温泉旅館も存在しています。

鯉川温泉旅館はグーグル先生の検索だと閉館扱いにされていたんですが2017年現在では普通に日帰り入浴可能でしたよ。

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年季の入った建物が風情を感じさせる。

鯉川温泉とは名乗っていますが、源泉名は成分分析書の通り、ニセコ昆布温泉になります。この旅館の場所はワイス温泉の少し南西側、道道66号沿いに小さい看板があるので、興味を持った方は見落とさないようにしましょう。

 

総評

写真でも見せた通り、潤沢な湯を掛け流しで使っている貴重な温泉です。

分析書の通り、実に北海道らしい塩化ナトリウムと炭酸水素イオンの合泉で、メタケイ酸が豊富な所も特徴かもしれませんね。

湯は白く濁ってはいますが、硫黄の臭いはしません。少し土の臭いがするので、湯の白さは火山土の色かもしれませんね。同じ匂いでもひらふ坂付近の温泉はモール系でしたので、地質の違いが出ているのでしょうなぁ。

 

泉質は申し分なし。

建物が古いためか、浴槽の温度は若干熱めに設定してあります。

炭酸水素イオンとは別にそこそこの炭酸ガス成分も含んでいるため、血管は拡張し、浴後は心地よいほてりが全身を覆い尽くします。秘湯感も高く、転地効果も抜群でしょう。

 

ニセコに来たら、ここと雪秩父温泉への入浴をお勧めします。

 

美食

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道の駅ニセコの直ぐ側にて営業中の蕎麦屋では、二種類の麺を選ぶことができます。

写真は鴨肉そば。麺は韃靼そばを選びました。

温麺ではなく、冷麺で頂いたのですが、よく煮込まれた鹿肉は甘辛く味付けがしてあって、蕎麦とよく合いました。

冬は多分やってなさそうなのので、夏季限定かな?